

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の胃の腫瘍|型によって、見通しが大きく変わります」です。ではどうぞ!
吐く日が、増えてきた。
食欲も落ちて、痩せてきた。
そして、胃に腫瘍があると言われた——
ここで、覚悟してしまう方が多いと思います。けれど猫の消化器の腫瘍では、型によって見通しが大きく変わります。数か月と、数年ほどの差があります。
結論
食欲の低下と嘔吐が、消化器型リンパ腫の主な症状として報告されており、嘔吐や下痢が2週間以上続く場合は何か原因があります。確定診断には全身麻酔下での精密検査を要し、内視鏡検査を行い、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸といった消化管の粘膜組織を一部採取し、病理医に組織診断を依頼します。細胞診検査で診断がつかない際には確定診断に必須で、内視鏡や外科手術で腫瘍組織を採取し、病理組織検査を行います。治療については化学療法(抗がん剤)が非常によく効くうえ、副作用も軽微とされています。高グレードの場合、できものを切除してから多剤併用化学療法という抗がん剤治療を行い、低グレードの場合も抗がん剤治療を行いますが、自宅で投与する治療です。無治療では数週間〜数か月ですが、治療により半年〜数年の延命が期待できます。小細胞性リンパ腫は生存期間中央値が22〜44か月、大細胞性リンパ腫は45〜100日前後と言われています。
この記事でわかること
- ✓食欲低下と、嘔吐から始まります
- ✓二週間続くなら、原因があります
- ✓型によって、まったく違います
- ✓組織を採って、型を確かめます
- ✓抗がん剤が、よく効きます
- ✓自宅で続けられる治療もあります
- ✓治療するかどうかで、変わります
- ✓家で、できること
食欲低下と、嘔吐から始まります

まず、どんな症状かから。
主な症状は、二つです
食欲の低下と嘔吐が、消化器型リンパ腫の主な症状として報告されています。
派手な症状ではありません。
だから、気づかれにくいのです。
胃にできれば、吐きます
胃に腫瘍があれば、食べたものが先へ進みにくくなります。
そして、戻ってきます。
食べてすぐ吐くこともあれば、しばらくたってから吐くこともあります。
じわじわ、痩せていきます
食べられず、吸収もできなければ、体重は減っていきます。
ゆっくり進むので、気づきにくいのです。
だから、体重をはかることに意味があります。
- 吐く日が、増えてきた
- 食欲が、落ちてきた
- 体重が、減っている
- 下痢が、続いている
- 元気がなく、寝てばかりいる
- お腹に、しこりが触れる
とくに高齢の猫では、早めに調べてもらってください。
二週間続くなら、原因があります
受診の目安です。
二週間が、ひとつの線です
嘔吐や下痢が2週間以上続く場合は、何か原因があります。
一時的な胃腸の不調なら、そこまで続きません。
続いていること自体が、情報です。
毛玉で片づけないでください
「猫だから、よく吐く」——
そう思われがちです。
けれどくり返し吐くのは、普通ではありません。
回数を数えて、伝えてください。
高齢の猫では、とくに気をつけてください
年をとるほど、腫瘍は増えていきます。
「年だから食が細くなった」で
片づけてしまうと、時間が過ぎます。
高齢だからこそ、変化を調べる意味があります。
記録が、判断を助けます
いつから、何回吐いたか——
体重が、どのくらい減ったか——
それが言えると、話が早く進みます。
型によって、まったく違います

ここが、この記事でいちばん大事なところです。
小細胞性は、年の単位です
小細胞性リンパ腫は、生存期間中央値が22〜44か月と言われています。
およそ二年から、四年近く——
腫瘍の数字としては、かなり良いものです。
大細胞性は、日の単位です
大細胞性リンパ腫は、45〜100日前後と言われています。
同じ「リンパ腫」でも、まったく違います。
だから、早く始めることに意味があります。
見た目では、区別できません
症状は、どちらもよく似ています。
食欲が落ちて、吐いて、痩せていく——
そこから型を言い当てることはできません。
進みが速いか遅いかも、経過を見なければ分かりません。
細胞を見て、初めて分かります。
だから、確かめる価値があります
「腫瘍です」で止まらず、どの型かまで進む——
それが、見通しを変えます。
そして、治療の組み立ても変わります。
| 型 | 進み方 | 治療の形 |
|---|---|---|
| 小細胞性 | ゆっくり進む | 自宅で投与する抗がん剤 |
| 大細胞性 | 速く進む | 切除+多剤併用化学療法 |
| 見た目 | 症状では区別できない | 組織検査で確かめる |
| 見通し | 22〜44か月/45〜100日前後 | 大きく異なる |
組織を採って、型を確かめます

診断の進め方です。
内視鏡で、粘膜を採ります
確定診断には、全身麻酔下での精密検査を要します。
内視鏡検査を行い、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸といった消化管の粘膜組織を一部採取します。
そして、病理医に組織診断を依頼します。
細胞診だけでは、足りないことがあります
細胞診検査で診断がつかない際には、確定診断に必須とされています。
針で細胞を採るだけでは、型まで分からないことがあるのです。
だから、まとまった組織が必要になります。
手術で採ることもあります
内視鏡や外科手術で腫瘍組織を採取し、病理組織検査を行います。
内視鏡が届かない場所や、
深い層まで採りたいときには
お腹を開けることもあります。
炎症との区別も、ここでつきます
腫瘍とよく似た見た目をしています。
それらを区別できるのも、組織検査です。
腫瘍でなかった、という結果もあり得ます。
調べるまでは、まだ何も決まっていません。
そこを覚えておいてください。
検査の前に、確かめておくこと
| 確かめること | なぜ聞いておくのか |
|---|---|
| 麻酔に耐えられるか | 全身麻酔下で行う検査のため |
| どこから採るか | 胃だけか、腸まで見るかで分かる情報が違う |
| 結果までの日数 | 病理検査には時間がかかる |
| その間の治療 | 待つ間も、症状は抑えられる |
| 費用の目安 | 治療も含めて、先に確かめておく |
費用は病院によって幅があります。
治療まで含めて、早めに聞いておくと落ち着いて考えられます。
抗がん剤が、よく効きます

治療の話です。
非常によく効くとされています
化学療法(抗がん剤)が非常によく効くうえ、副作用も軽微とされています。
「抗がん剤」と聞くと、つらい治療を思い浮かべるかもしれません。
けれど、猫では事情が違います。
副作用は、軽いとされています
人の治療で語られるような強い副作用は
猫では出にくいとされています。
毛が抜けることも、ほとんどありません。
そこは、心配しすぎないでください。
食欲が落ちる、少し元気がなくなる——
そのくらいで済むことが多いとされています。
高グレードでは、切除してから
高グレードの場合、できものを切除してから多剤併用化学療法という抗がん剤治療を行います。
まず取って、それから薬で叩く——
そういう組み立てです。
切れない場所にあるときは、薬から始めることもあります。
そこは、広がり方によって決まります。
自宅で続けられる治療もあります
暮らしとの両立について。
低グレードなら、家で投与します
低グレードの場合も抗がん剤治療を行いますが、自宅で投与する治療です。
毎回、通院する必要がありません。
猫にとっても、負担が小さいのです。
通院のストレスが、減ります
病院が苦手な猫は、少なくありません。
移動そのものが、体力を奪います。
家で続けられるなら、それは大きな利点です。
薬を飲ませられるか、相談してください
家で投与する治療は、飲ませられることが前提です。
うまくいかないなら、正直に伝えてください。
形を変えたり、方法を変えたりできることがあります。
飲めていないまま続けても、意味がありません。
扱い方は、きちんと教わってください
抗がん剤は、扱いに注意が要る薬です。
手袋を使う、触ったあとは手を洗う——
説明を受けて、そのとおりにしてください。
排泄物の扱いについても、聞いておいてください。
定期的な検査は、続きます
家で投与していても、定期的に血液検査を受けます。
効いているか、体に負担が出ていないか——
それを確かめながら続けます。
白血球の数などを見て、量を調整することもあります。
この受診だけは、欠かさないでください。
⚠ こんなときは、受診してください
嘔吐や下痢が、二週間以上続いている。
体重が、減ってきた。
まる一日、食べていない。
お腹に、しこりが触れる。
続いていること自体が、調べる理由になります。
治療中に、見ていくこと
- 吐く回数が、減ってきたか
- 食べる量が、戻ってきたか
- 体重が、増えているか
- 血液検査の数値に、変化がないか
- 薬をきちんと飲めているか
- ふだんの様子が、変わっていないか
効いているかどうかは、こうした変化から見ていきます。
治療するかどうかで、変わります
数字で見てみます。
何もしなければ、短いのです
無治療では、数週間〜数か月とされています。
これは、厳しい数字です。
自然に落ち着く病気ではありません。
治療すれば、大きく変わります
治療により、半年〜数年の延命が期待できます。
数週間が、数年になり得る——
それが、この病気で治療を考える理由です。
小細胞性なら、なおさらです
生存期間中央値が22〜44か月——
治療しながら、ふつうに暮らしている猫がいるということです。
「腫瘍」という言葉だけで、決めないでください。
数字は、中央値です
これらは、中央値です。
その猫の余命が決まっているわけではありません。
もっと長い猫もいれば、短い猫もいます。
それでも、選ぶときの支えになります。
目の前の猫がどうなるかは、始めてみないと分かりません。
反応が良ければ、その時点で見通しは変わります。
胃には、ほかの腫瘍もできます
| 考えられるもの | 特徴 |
|---|---|
| 消化器型リンパ腫 | 猫では代表的。抗がん剤がよく効く |
| 腺癌 | 切除が中心になることが多い |
| 肥満細胞腫 | 消化管にできることもある |
| 炎症による病変 | 腫瘍に見えて、腫瘍でないこともある |
| だから | 組織を調べて、何かを確かめる |
何であるかによって、治療も見通しも変わります。
家で、できること
治療しながらの、日々のことです。
食べられるように、支えてください
猫は、食べない日が続くと危険です。
吐き気を抑える薬や、食欲を出す薬も
使うことができます。
食べないなら、我慢せずに相談してください。
温めてにおいを立たせるだけで、食べることもあります。
体重を、はかってください
体重は、治療がうまくいっているかの目安です。
増えていれば、良い方向——
減り続けているなら、調整が要ります。
週に一度でも、記録してください。
診察のときに、そのまま役に立ちます。
こんなことを、伝えてください
- 吐いた回数の変化
- 食べる量の変化
- 体重の推移
- 便のようす
- 薬を飲めているかどうか
- ふだんの過ごし方が変わっていないか
「元気そうに見えるかどうか」も、大事な情報です。
暮らしの質も、一緒に考えてください
どこまで治療するかは、選べます。
抗がん剤を使わず、症状を和らげる治療だけを選ぶこともできます。
何もしないこととは、違います。
そこも、遠慮せずに相談してください。
どこまでやるかを決めるのは、飼い主さんです。
その猫にとって何が楽かを、一緒に考えてもらってください。
🩺 型まで、進んでください
「胃に腫瘍がある」と言われても、そこで止まらないでください。
小細胞性なら、生存期間中央値は22〜44か月と言われています。
そして、猫では抗がん剤がよく効き、副作用も軽微とされています。
まず、型を確かめてください。
この記事の要点
食欲の低下と嘔吐が主な症状で、2週間以上続く場合は何か原因があります。
確定診断には全身麻酔下で内視鏡検査を行い、粘膜組織を採取して病理医に診断を依頼します。
化学療法が非常によく効くうえ、副作用も軽微とされています。
小細胞性は生存期間中央値が22〜44か月、大細胞性は45〜100日前後と言われています。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 食欲の低下と嘔吐が、主な症状として報告されています。
Q. どのくらい続いたら受診すべきですか?
A. 嘔吐や下痢が2週間以上続く場合は、何か原因があります。
Q. よく吐くのは、猫では普通ではありませんか?
A. くり返し吐くのは、普通ではありません。回数を数えて、受診のときに伝えてください。
Q. どうやって診断しますか?
A. 全身麻酔下で内視鏡検査を行い、消化管の粘膜組織を一部採取して、病理医に組織診断を依頼します。
Q. 細胞診では分かりませんか?
A. 細胞診で診断がつかない際には、組織を採る検査が確定診断に必須とされています。
Q. 手術で採ることもありますか?
A. あります。内視鏡や外科手術で腫瘍組織を採取し、病理組織検査を行います。
Q. 小細胞性と大細胞性は、どう違いますか?
A. 小細胞性リンパ腫は生存期間中央値が22〜44か月、大細胞性リンパ腫は45〜100日前後と言われています。
Q. 症状で区別できますか?
A. できません。どちらも食欲低下と嘔吐が出ます。組織を調べて初めて分かります。
Q. 抗がん剤はつらいですか?
A. 猫では、副作用は軽微とされています。化学療法が非常によく効くうえ、毛が抜けることもほとんどありません。
Q. 治療はどう進めますか?
A. 高グレードでは、できものを切除してから多剤併用化学療法を行います。低グレードでも抗がん剤治療を行います。
Q. 通院が必要ですか?
A. 低グレードの場合は、自宅で投与する治療です。ただし、定期的な血液検査のための通院は必要になります。
Q. 家で薬を扱うとき、注意はありますか?
A. 抗がん剤は扱いに注意が要ります。手袋の使用や排泄物の扱いについて、必ず説明を受けてください。
Q. 治療しないと、どうなりますか?
A. 無治療では、数週間〜数か月とされています。
Q. 治療すると、どのくらい変わりますか?
A. 治療により、半年〜数年の延命が期待できます。
Q. 腫瘍でないこともありますか?
A. あります。慢性腸炎や、好酸球性硬化性線維増殖症など、腫瘍とよく似た炎症の病気もあります。
まとめ|「腫瘍」で止まらないでください
食欲が落ちて、吐く日が増えて、痩せてきた——
それが、この病気の入り口です。
嘔吐や下痢が二週間以上続くなら、何か原因があります。
そして同じ「腫瘍」でも、型で見通しがまったく変わります。
小細胞性なら22〜44か月、大細胞性なら45〜100日前後——
症状では、区別できません。
組織を調べて、初めて分かります。
そして猫では、抗がん剤がよく効き、副作用も軽微とされています。
まず、型を確かめてください。
今日できる3つ
- 1吐いた日と回数を、カレンダーに記録する
- 2週に一度、体重をはかる
- 3腫瘍と言われているなら、どの型かを聞いておく
型が分かれば、見通しの話ができるようになります。「どの型ですか」の一言から始めてください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の胃の腫瘍|型によって、見通しが大きく変わります」でした。
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