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犬の腎臓病|75%失われる前に、気づく方法
犬の腎臓病
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の腎臓病|75%失われる前に、気づく方法」です。ではどうぞ!

「血液検査では問題ありませんでした」——

その言葉に安心して、半年後に「腎臓が悪くなっています」と言われる。

犬の腎臓病では、こうしたことが起こりえます。

理由は、はっきりしています。

クレアチニン——腎臓の状態を見る代表的な数値ですが、

これは腎機能が約75%失われてから上がり始めます。

4分の3が失われるまで、数値は動かないのです。

けれど、もっと早く気づく方法があります。

SDMAという指標は約40%の段階で上がり始めるとされています。

この記事では、早く気づくための方法と、家庭でできる管理を整理していきます。

結論

犬の腎臓病でもっとも重要なのは早く気づくことです。クレアチニンは腎機能が約75%失われてから上昇しますが、SDMAは約40%の段階で上がり始めます。最初の症状は多飲多尿——体重1kgあたり1日100ml以上の飲水がひとつの目安になります。腎臓はいちど失われた機能が戻らない臓器です。だからこそ残った機能を守ることが治療になります。ステージ1で見つかれば年単位で経過を追える——7歳を過ぎたら、年1回の血液・尿検査を

この記事でわかること

  • 数値が動くころには、遅い
  • 最初のサインは、多飲多尿
  • ステージと、その後の見通し
  • 治療——残った機能を守る
  • 家庭でできること

数値が動くころには、遅い

クレアチニンが上がるまで
数値が動くころには、多くが失われています。

腎臓は予備の力が非常に大きい臓器です。

多少傷んでも、残った部分が仕事を引き受けます。

それは、ありがたい性質である一方で、気づくのを遅らせる原因にもなっています。

気づける段階の違い
指標 上がり始める段階 意味
SDMA 腎機能が約40%失われたころ 早期発見の手がかりになる
クレアチニン 約75%失われてから ここで気づいても、かなり進んでいる
尿比重 比較的早い段階から 尿を濃縮できているかを見る
症状(多飲多尿) さらに進んでから 目に見えるころには進行している

「クレアチニンが正常でした」という結果は「腎機能が75%以上残っている」という意味にすぎません。

50%失われていても、この数値は正常のままです。

だからこそ、SDMAと尿比重あわせて見ることに意味があります。

健康診断で「SDMAも測れますか」と聞いてみてください

SDMA比較的新しい指標で、すべての病院で標準的に含まれているとは限りません。

7歳を過ぎているなら「SDMAも測れますか」と聞いてみてください。

そして、尿検査も忘れずに。

血液だけでなく、尿を見ることで分かることがあります。

最初のサインは、多飲多尿

多飲の判断基準
飲水量は、家庭で数字として測れます。

腎臓の仕事のひとつが尿を濃縮することです。

体に必要な水分を取り戻しながら、老廃物だけを捨てる——

その力が落ちる薄い尿を大量に出すようになります。

そして、失われた水分を補おうとして水をたくさん飲む——

これが多飲多尿というサインの正体です。

多飲多尿のサイン
変化 気づき方
水を飲む量が増えた 水入れがすぐ空になる
尿の量が増えた ペットシーツの交換が増える
尿の色が薄い ほとんど無色に近くなる
夜に起きる トイレのために夜間に起きるように
粗相が増えた 間に合わなくなる
体重が減る 食べていても痩せてくる

「なんとなく増えた気がする」では診察で伝わりません。

数字で測ってください。

朝、水を量って入れ、翌朝に残りを量る——その差が1日の飲水量です。

体重1kgあたり1日100ml以上なら多飲と判断される目安になります。

5kgの犬なら500ml——それを超えているなら受診してください。

測るときのコツも書いておきます。

  • 朝に量って入れ、翌朝に残りを量る
  • 水入れが複数あれば、すべてを合計する
  • 散歩先で飲んだ分も、おおよそ足しておく
  • こぼした分は、差し引いて考える
  • 3日ほど続けて、平均を出す
  • 数字をメモして、診察で見せる

「3日ほど続けて平均を出す」——1日だけではたまたま多かった可能性が残ります。数日の平均なら説得力のある数字になります。

多飲多尿は、腎臓だけのサインではありません

水をよく飲むという症状はいくつもの病気で起こります。

多飲多尿を起こす病気
病気 ほかに見られること
腎臓病 体重減少、食欲低下、吐き気
糖尿病 食べているのに痩せる
子宮蓄膿症 未避妊のメス。おりもの、発熱
尿崩症 極端に薄い尿が大量に出る
副腎の病気 お腹が膨れる、毛が薄くなる
肝臓の病気 元気がない、黄疸

見分けは、飼い主にはできません。

けれど、「水をよく飲むようになった」という情報だけで調べるべき方向が決まります。

とくに未避妊のメスで多飲が出た場合は子宮蓄膿症その日のうちに疑う必要があります。

多飲多尿の鑑別については尿崩症の記事でも整理しています。

ステージと、その後の見通し

ステージによる違い
見つかった段階で、その後が大きく変わります。

犬の慢性腎臓病は国際的な指針(IRIS)に基づいてステージ分けして考えられています。

ステージ分けの判断材料
判断材料 何を見るか
クレアチニン 腎機能の指標。ステージ分けの基準
SDMA より早い段階で上がる指標
尿の状態 たんぱくが漏れていないか
血圧 高血圧は腎臓をさらに傷める
これらを組み合わせて ステージと治療方針が決まる

そして、見つかった段階によってその後が大きく変わります。

ステージ1で診断された犬では中央生存期間が400日を超えると報告される一方、

ステージ4では数週間から数か月とされています。

この差は、病気の重さの差であると同時に「いつ見つけたか」の差でもあります。

⚠ だから、症状が出る前に検査してください

多飲多尿が出てからではすでに進んでいます。

7歳を過ぎたら年1回の血液検査と尿検査を習慣にしてください。

10歳を過ぎたら半年に1回に増やすことも検討を。

「元気だから大丈夫」という判断がいちばん通用しない病気です。

治療——残った機能を守る

腎臓は、いちど失われた機能が戻らない臓器です。

だから治療の目的は「治すこと」ではありません。

残っている機能を、できるだけ長く保つこと——それが治療になります。

行われる治療
治療 目的
食事療法 リンやたんぱくを調整し、負担を減らす
輸液(点滴・皮下点滴) 脱水を防ぎ、老廃物を出しやすくする
降圧薬 高血圧が腎臓をさらに傷めるのを防ぐ
リン吸着剤 体にたまるリンを減らす
吐き気止め 食べられる状態を保つ
定期的な検査 数値を追い、治療を調整する

食事療法治療の柱です。

腎臓に配慮した食事にはリンやたんぱくの量が調整されています。

「ただのフード」ではなく治療の一部だと考えてください。

そして、自己判断で変えないこと。

良かれと思ってたんぱく質の多い食事を足す——それが負担になることがあります。

とはいえ、「食べてくれない」という問題も現実にはよく起こります。

療法食に切り替えたとたん食欲が落ちる——

そのときは、自己判断で元に戻すのではなく相談してください。

種類を変える、少しずつ混ぜて慣らす、温めて香りを立てる——

やり方はいくつもあります。

そして、まったく食べないより、何かを食べるほうがよいという判断がされることもあります。

「食べられていない」ことは必ず伝えてください。

皮下点滴という選択肢

進行してくると皮下点滴という方法が使われることがあります。

背中の皮膚の下に輸液を入れる——

脱水を防ぎ、老廃物を出しやすくすることが目的です。

  • 通院して行う場合と、家庭で行う場合がある
  • 家庭で行うなら、動物病院で手技を教わる
  • 体重や状態に応じて、量と回数が決まる
  • 自己判断で増減しない
  • 心臓に持病がある犬では、慎重な判断が要る
  • 「できない」と感じたら、正直に伝える

「家でやるのは怖い」——

そう感じるのは自然なことです。

できないまま無理をするより通院で行うほうが結果的にうまくいくこともあります。

正直に伝えれば、方法は調整できます。

そして、皮下点滴は「末期の処置」ではありません。

脱水を防ぐことで体を楽にする——そういう目的で早い段階から使われることもあります。

「点滴を始める」と聞いて覚悟してしまう方がいますが、

そういう意味とは限りません。

何のために行うのかそのつど聞いておいてください。

腎臓が悪くなる原因

「なぜ悪くなったのか」——

多くの場合、はっきりした原因は特定できません。

腎臓を傷める背景
背景 内容
加齢 もっとも多い。少しずつ機能が落ちる
感染 細菌が腎臓に及ぶことがある
尿路の閉塞 結石などで尿が流れないと、腎臓を傷める
中毒 ぶどう、ユリ、不凍液、一部の薬
高血圧 腎臓の血管を傷め、悪循環になる
遺伝的な要因 若齢で発症する犬種もある

防げるものもいくつかあります。

  • ぶどう・レーズンを絶対に与えない
  • 人用の解熱鎮痛剤を自己判断で使わない
  • 尿が出ていないときは、すぐ受診する
  • 結石ができやすい犬は、水をよく飲ませる
  • 感染症の治療を途中でやめない
  • 定期的に血圧も測ってもらう

「ぶどう・レーズン」——

これは、犬にとって急性の腎障害を起こしうるものとして知られています。

どれくらいの量で起こるかには個体差があり、少量でも危険とされています。

「少しなら大丈夫」という考え方を持たないでください。

そして、人用の解熱鎮痛剤

犬に与えると腎臓や消化管を傷めることがあります。

「痛そうだから」と家にある薬を使わないでください。

家庭でできること

家庭でできる管理
毎日の積み重ねが、腎臓を支えます。

毎日の管理そのまま治療の一部になります。

  • 水をいつでも飲めるように、複数の場所に置く
  • 指示された食事を、自己判断で変えない
  • 飲水量を、ときどき測って記録する
  • 月に一度、体重を測って記録する
  • 吐き気や食欲の変化を、日付とともにメモする
  • 指示された間隔で、必ず再診に行く

「水をいつでも飲めるように」——

腎臓病の犬にとって脱水は大敵です。

薄い尿がたくさん出るのですから、その分を飲めなければ脱水します。

複数の部屋に水入れを置く。高さや器の形を変えてみる。食事に水分を足す——

飲みやすくする工夫そのまま治療になります。

  • 寝床のそば、廊下、いつもいる部屋に水入れを置く
  • 器の材質や高さを変えて、好みを探す
  • ドライフードをふやかして、水分を足す
  • ウェットフードを併用できるか相談する
  • 冬は水が冷たすぎないようにする
  • 散歩に水を持って出る

「器の材質や高さを変えてみる」——

ステンレスは嫌がるのに陶器なら飲む——そういう犬がいます。

高齢で首を下げるのがつらいなら台に載せて高くするだけで飲む量が増えることもあります。

小さな工夫脱水を防ぎます。

体重の記録が、いちばん早い警報になります

腎臓病では少しずつ痩せていくことがあります。

食欲が落ちる、吐き気が出る、たんぱくが失われる——

いくつもの理由が重なるためです。

そして、毎日見ている家族ほど痩せに気づけません。

月に一度、同じ日に体重を測って記録する——

数字にすれば、変化がはっきり見えます。

「先月より300g減っている」——

それは、診察で伝えるべき情報です。

そして、食欲の変化も見ておいてください。

腎臓病が進むと吐き気が出ることがあります。

体にたまった老廃物気持ち悪さを生む——

「食べたそうにするのに、器の前で止まる」——

そうした様子は吐き気のサインであることがあります。

吐き気を抑える薬食べられるようになることがありますから、遠慮せず伝えてください。

急性と、慢性は違います

ここまで慢性の腎臓病を中心に書いてきましたが、

急激に腎臓が働かなくなる急性腎障害という状態もあります。

慢性と急性の違い
慢性腎臓病 急性腎障害
進み方 数か月〜数年かけて 数時間〜数日で
症状 多飲多尿から始まる 急に元気がなくなる、嘔吐
尿の量 増えることが多い 減る、または出なくなる
原因 加齢など、特定できないことも 中毒、閉塞、感染など
回復 元には戻らない 原因を除ければ戻ることも
急ぎ方 計画的に管理する その日のうちに受診

「尿がまったく出ていない」——

これは、緊急事態です。

急性腎障害のこともあれば、結石などで尿の通り道が詰まっていることもあります。

どちらにしても、その日のうちに受診してください。

とくにオス尿道が細く長いため詰まりやすい——

詳しくは尿道の記事尿路結石の記事で解説しています。

そして、急性の場合は原因を取り除ければ回復することがあります。

慢性とは、そこが決定的に違う——

だからこそ、急ぐ意味があります。

よくある質問

Q. 血液検査が正常なら安心ですか?

A. 安心はできません。クレアチニンは腎機能が約75%失われてから上がり始めます。50%失われていても正常のままです。SDMAと尿検査をあわせて受けてください。

Q. SDMAとは何ですか?

A. 腎機能が約40%失われた段階で上がり始める指標です。クレアチニンより早く変化するため、早期発見の手がかりになります。「SDMAも測れますか」と聞いてみてください。

Q. 多飲の目安はありますか?

A. 体重1kgあたり1日100ml以上が、ひとつの目安とされています。朝に水を量って入れ、翌朝に残りを量れば1日の飲水量が分かります。5kgの犬なら500mlが目安です。

Q. 腎臓病は治りますか?

A. いちど失われた機能は戻りません。治療の目的は、残っている機能をできるだけ長く保つことです。早く見つかるほど、打てる手が多くなります。

Q. 食事は変えないといけませんか?

A. 食事療法は治療の柱です。リンやたんぱくの量が調整された食事が処方されます。「ただのフード」ではなく治療の一部なので、自己判断で変えないでください。

Q. いつから検査を受けるべきですか?

A. 7歳を過ぎたら年1回、10歳を過ぎたら半年に1回を検討してください。血液検査だけでなく、尿検査も一緒に受けることが大切です。

Q. 水を制限したほうがいいですか?

A. 制限しないでください。腎臓病の犬にとって脱水は大敵です。薄い尿がたくさん出る分、水を飲めなければ脱水します。いつでも飲める環境を保ってください。

まとめ|症状が出てからでは、遅い

犬の腎臓病で覚えておいてほしいのは、数値も症状も遅れて現れるということです。

クレアチニンが上がるのは75%失われてから。

多飲多尿が見えるのは、さらにそのあと。

だから、症状が出る前に検査してください。

7歳を過ぎたら、年1回の血液検査と尿検査。

そして「SDMAも測れますか」の一言。

ステージ1で見つかれば年単位で経過を追えます。

その差を作るのは、検査に行ったかどうか——それだけです。

腎臓病は治せる病気ではありません。

けれど、付き合っていける病気でもあります。

食事を整え、水を飲める環境を作り、数値を追い続ける——

その積み重ねが、残された時間の長さと質を決めます。

今日できる3つ

  • 1水を量って入れ、翌朝に残りを量って飲水量を確かめる
  • 27歳を過ぎているなら、次の健康診断に尿検査を含めてもらう
  • 3「SDMAも測れますか」と、かかりつけに聞いてみる

腎臓は、失われた分が戻らない臓器です。だからこそ、残っているうちに気づいてください。

モフ@ペット好き

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の腎臓病|75%失われる前に、気づく方法」でした。
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