

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ボストンテリアの飼い方|チェリーアイと目の病気」です。ではどうぞ!
ある朝、犬の目頭に赤いふくらみができていた——
まるでさくらんぼのような、つやのある赤い塊。
これがチェリーアイです。
正式には第三眼瞼腺逸脱(だいさんがんけんせんいつだつ)と呼ばれます。
涙を作る腺が、本来の位置から飛び出してしまった状態です。
ボストンテリアは、この病気の好発犬種のひとつとされています。
そしてこの犬種には、ほかにも目の病気が多く見られます。
この記事では、目のトラブルの見分け方と、短頭種としては動けるこの犬種の運動との付き合い方を書いていきます。
結論
ボストンテリアは目の病気が多い犬種です。チェリーアイは目頭に赤いふくらみが出るもので、遺伝が関与すると考えられています。涙を作る腺なので、放置すると涙が減り、角膜が傷つきます。そして短頭種としては比較的動ける犬種ですが、呼吸の限界は同じ——夏の日中の運動だけは、避けてください。
この記事でわかること
- ✓チェリーアイとは何か
- ✓放置してはいけない理由
- ✓ほかに多い目の病気
- ✓短頭種のなかでの運動量
- ✓毎日30秒のチェック習慣
チェリーアイとは、何か

まず「第三眼瞼」という器官から説明させてください。
犬には、まぶたが3枚あります。
上まぶた、下まぶた、そして目頭にある第三のまぶた——瞬膜(しゅんまく)と呼ばれるものです。
| 器官 | 役割 |
|---|---|
| 第三眼瞼(瞬膜) | 目の表面を保護する |
| 第三眼瞼腺 | 涙の30〜40%を作る |
| 通常の位置 | 瞬膜の裏に隠れている |
| チェリーアイ | この腺が表に飛び出す |
| 見え方 | 目頭に赤いふくらみが現れる |
この第三眼瞼腺は、涙の30〜40%を作っているとされています。
つまり、涙の大部分を担う重要な器官です。
本来は瞬膜の裏側にしっかり固定されているのですが、その固定が弱いと、表に飛び出してしまいます。
遺伝が関与している
チェリーアイの発症には、遺伝が関わっていると考えられています。
だから特定の犬種に集中して起こります。
ボストンテリアのほか、ブルドッグ、ビーグル、コッカースパニエル、シーズーなどで多く見られます。
先天的な原因で発症した犬は、繁殖に用いるべきではないとされています。
迎える前に、両親にチェリーアイの既往がないか尋ねてよいと思います。
多くは1歳未満で起こる
チェリーアイは、若い犬で起こる病気です。
生後数か月から1歳ごろまでに発症することが多くなります。
片目に出たあと、もう片方にも出ることがあります。
「まだ子犬だから」と様子を見ないでください。むしろ子犬の時期にこそ、起こりやすい病気です。
放置してはいけない理由
「痛がっていないから、様子を見よう」——
これは、避けたい判断です。
| 放置すると | 何が起きるか |
|---|---|
| 腺が乾燥する | 外気にさらされ続ける |
| 炎症を起こす | 腫れて、さらに大きくなる |
| 涙の量が減る | 腺の機能が落ちる |
| 乾性角結膜炎になる | 目が乾き、慢性化する |
| 角膜が傷つく | 潰瘍から失明につながることも |
最大の問題は、涙を作る腺だという点です。
飛び出したまま炎症が続けば、腺そのものの機能が落ちます。
涙が減れば、目が乾く。乾いた目は、傷つきやすい。
⚠ 腺を切除する治療は、慎重に検討してください
かつては飛び出した腺を切り取るという治療が行われていました。
しかしこの腺は、涙の30〜40%を作っています。切除すれば生涯にわたるドライアイになる可能性があります。
現在は、腺を元の位置に戻して固定する手術が主流になっています。手術方針について、納得できるまで説明を受けてください。
目頭に赤いふくらみを見つけたら、早めに受診してください。
早い段階のほうが、選べる治療も、結果もよくなります。様子を見ているあいだにも、腺は乾き続けています。
ほかに多い、目の病気

ボストンテリアは、目のトラブルが多い犬種です。
理由は顔の構造にあります。
短頭種のため眼窩が浅く、眼球が前に出ています。外からの刺激を、まともに受ける構造です。
| 病気 | 内容 | サイン |
|---|---|---|
| 角膜潰瘍 | 目の表面に傷がつく | 目を細める・涙が増える |
| 白内障 | 水晶体が濁る。若年性もある | 瞳が白く見える |
| 乾性角結膜炎 | 涙が足りず乾く | 目やにがねばつく |
| 緑内障 | 眼圧が上がる。緊急性が高い | 強い痛み・目が大きく見える |
| 眼球脱出 | 強い衝撃で目が飛び出す | 緊急事態 |
白内障は高齢の病気と思われがちですが、この犬種では若年性のものも知られています。
瞳が白っぽく見えたら、年齢を問わず受診してください。
緑内障は時間との勝負になる病気です。
急に目を痛がる、目が大きく見える、白目が真っ赤になっている——これらはただちに受診すべきサインです。
首輪をハーネスに替える
眼窩が浅い犬種では、首輪を引く力が眼球にも圧力をかけます。
散歩にはハーネスを使ってください。
気管を守るという意味でも、短頭種には有利です。
そして子どもへの説明。首や頭を強くつかまないよう家族全員で共有しておいてください。
短頭種のなかでは、動ける犬種

ここが、ほかの短頭種とのはっきりした違いです。
ボストンテリアは、パグやブルドッグに比べればはるかに活動的です。
| 犬種 | 体型 | 運動量の目安 |
|---|---|---|
| ボストンテリア | 引き締まった筋肉質 | 1日2回、各20〜30分 |
| フレンチブルドッグ | ずんぐりして重い | 1日2回、各15〜20分 |
| パグ | 小型で丸い | 1日2回、各15〜20分 |
| ブルドッグ | 重く、関節に負担 | 1日2回、各15〜20分 |
「テリア」という名前が示すとおり、この犬種にはテリア系の活発さが残っています。
足が長く、体が引き締まっていて、よく走ります。
ただし——呼吸の限界は同じです。
- 1日2回、各20〜30分の散歩が目安
- 夏の日中は、絶対に運動させない
- 興奮が続く遊びは、途中で区切る
- ハアハアが激しくなったら休ませる
- 泳がせない——短頭種は水に向かない
- 室内での知育遊びを組み合わせる
「動けるから大丈夫」という油断が、いちばん危ない——この犬種では、そう言えます。
本人は楽しくて走り続けます。止めるのは、飼い主の役目です。
短頭種の呼吸と暑さについては短頭種の呼吸と体温の記事に詳しくまとめてあります。
毎日30秒の、チェック習慣

この犬種で、もっとも効果のある習慣を挙げるなら——
毎日、目を見ることです。
| 見る場所 | 確認すること | 異常なら |
|---|---|---|
| 目頭 | 赤いふくらみがないか | チェリーアイ。早めに受診 |
| 瞳 | 白く濁っていないか | その日のうちに受診 |
| 目やに | ねばついていないか | ドライアイの可能性 |
| 白目 | 赤くなっていないか | 炎症のサイン |
| まばたき | 片目だけ細めていないか | 痛みがある可能性 |
片目だけ細めている——これは見逃されやすいけれど、重要なサインです。
犬は痛みを隠します。鳴かないから痛くない、とは限りません。
正面から顔を見て、左右の目が同じ開き方をしているか——これを毎日確認してください。
30秒で終わります。
見つけたら、写真を撮っておく
目の異変に気づいたら、写真を撮っておいてください。
チェリーアイのように出たり引っ込んだりする症状では、診察室で再現されないことがあります。
「昨日は赤いふくらみが出ていたのに、病院では見えない」——こういうことが実際に起こります。
スマートフォンで、正面と斜めから撮っておくだけで十分です。
いつ気づいたか、どのくらい続いたかもあわせて記録しておくと、診断が確かになります。
耳と皮膚も、あわせて見る
ボストンテリアは、皮膚のトラブルも起こしやすい犬種です。
- 短毛だが、アトピー性皮膚炎が見られる
- 顔のシワの奥を、週に数回拭く
- 立ち耳なので外耳炎は比較的少ない
- 足先を舐め続けていないか見る
- ブラッシングは週2〜3回のラバーブラシで
- 短毛でも抜け毛はある
立ち耳である点は、ほかの短頭種に対する明確な利点です。
耳の中が蒸れにくく、外耳炎のリスクが低くなります。
目のほかに、注意したい病気
目と呼吸のほかにも、この犬種で知られている病気があります。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 短頭種気道症候群 | 気道が狭く、呼吸に負担がかかる | いびきの変化・すぐ息が上がる |
| 膝蓋骨脱臼 | 膝のお皿が外れる | スキップするような歩き方 |
| 水頭症 | 頭蓋内に髄液がたまる | ふらつき・発作・旋回 |
| アトピー性皮膚炎 | 痒みが慢性化する | 足先を舐め続ける |
| 熱中症 | 短頭種に共通するリスク | ハアハアが止まらない |
水頭症は、丸い頭を持つ小型犬で知られている病気です。
頭蓋骨のなかに髄液がたまり、脳を圧迫します。
ふらつく、けいれんする、同じ方向にくるくる回る——若い犬でも、これらは受診の理由になります。
- 床に滑り止めを敷く——膝と目の両方を守る
- ソファからの飛び降りをさせない
- 適正体重を保つ——膝と呼吸の両方に効く
- 首輪ではなくハーネスを使う
- 年1回の健康診断を欠かさない
- 安静時の呼吸数を、家で数える習慣をつける
安静時の呼吸数は、家庭でできるもっとも有用な指標です。
眠っているときに胸の上下を15秒数えて4倍する——1分あたり40回を超えたら、受診の理由になります。
アメリカの紳士と呼ばれる性格
ボストンテリアは、「アメリカン・ジェントルマン」という愛称で呼ばれます。
タキシードを着たような毛色と、その性格からつけられた名前です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 4.5〜11kg |
| 平均寿命 | 12〜15年 |
| 性格 | 陽気・人懐こい・穏やか |
| 吠え | 少ない |
| 運動量 | 1日2回、各20〜30分 |
| 起源 | アメリカ・ボストンで作られた犬種 |
闘犬の血を引きながら、攻撃性はほとんど残っていません。
陽気で、人懐こく、子どもにも他の犬にも寛容——そして、あまり吠えません。
短毛で手入れが楽という点も、はじめて犬を飼う方には大きな利点になります。
目のケアと夏の管理——この2つさえ押さえられれば、非常に付き合いやすい犬種です。
この犬種は19世紀のアメリカ・ボストンで作られました。
もとは闘犬に使われていた犬を小型化し、家庭犬として作り直したのが始まりだとされています。
「アメリカで生まれた最初の犬種のひとつ」として、現地では今も特別な位置を占めています。
攻撃性を取り除き、人と暮らすための性質を選び続けた結果が、今のこの穏やかさです。
体は小さくなっても、テリアらしい元気の良さは残っています。その組み合わせが、この犬種の魅力になっています。
しつけと、子犬期の過ごし方
ボストンテリアは、しつけの入りやすい犬種です。
人の顔をよく見て、喜ばせようとする気質を持っています。
叱るより、できたときにほめるほうがはるかに早く覚えます。
| 時期 | 重点 | 内容 |
|---|---|---|
| 生後2〜4か月 | 社会化 | さまざまな人・音・場所に慣らす |
| 生後3〜6か月 | 体を触られることに慣らす | 目・耳・口・足 |
| 生後6か月〜 | 基本の指示 | おすわり・待て・呼び戻し |
| 通年 | 興奮を鎮める練習 | 呼吸のために必要 |
この犬種でとくに大切なのが、「体を触られることに慣らす」ことです。
毎日目を見る、顔のシワを拭く、点眼が必要になることもある——
顔まわりを触られるのが苦手な犬になると、健康管理そのものが難しくなります。
- 子犬のうちから、顔を触ってはおやつを与える
- まぶたをそっと開く練習を、遊びのなかで行う
- 嫌がる前にやめる——短く、何度も
- 足先・耳・口も同じように慣らす
- 家族全員が同じやり方で行う
- 点眼の練習は、健康なうちに済ませておく
「点眼の練習を、健康なうちに」——
目の病気が多い犬種ですから、いずれ目薬が必要になる可能性は決して低くありません。
症状が出てから練習を始めると、犬にとっては「痛いときに嫌なことをされる」という経験になってしまいます。
元気なうちに、空の容器で練習しておく——これは、意外なほど効いてくる準備です。
よくある質問
Q. 目頭に赤いふくらみができました。
A. チェリーアイの可能性が高い状態です。第三眼瞼腺という涙を作る腺が飛び出しています。痛がっていなくても、放置すると乾燥・炎症を起こし涙の量が減ります。早めに受診してください。
Q. チェリーアイは、自然に治りますか?
A. 一時的に戻ることはありますが、繰り返すことが多い病気です。戻ったように見えても、また出てくる可能性があります。一度受診して、状態を評価してもらってください。
Q. 手術は、腺を切除するのですか?
A. 現在は元の位置に戻して固定する手術が主流です。この腺は涙の30〜40%を作っているため、切除すると生涯のドライアイになる可能性があります。手術方針について、納得できるまで説明を受けてください。
Q. 何歳ごろに起こりやすいですか?
A. 生後数か月から1歳ごろまでが多くなります。若い犬の病気です。片目に出たあと、もう片方にも出ることがあります。「まだ子犬だから」と様子を見ないでください。
Q. パグやブルドッグより運動できますか?
A. はい、この犬種は明らかに活動的です。1日2回、各20〜30分の散歩が目安になります。ただし呼吸の限界は同じですから、夏の日中の運動だけは絶対に避けてください。
Q. 夏はどう管理すればいいですか?
A. 室温28度以下、散歩は早朝と日没後だけにしてください。動ける犬種であるぶん、本人は暑くても走ろうとします。止めるのは飼い主の役目です。留守中もエアコンを切らないでください。
Q. はじめて犬を飼うのですが、向いていますか?
A. 向いている犬種のひとつです。陽気で人懐こく、あまり吠えず、短毛で手入れも簡単です。押さえるべきは、毎日の目のチェックと夏の室温管理の2点になります。
まとめ|毎日30秒、目を見るだけで変わる
ボストンテリアは、目の病気が多い犬種です。
チェリーアイ、角膜潰瘍、白内障、乾性角結膜炎、緑内障——
そのどれもが、毎日目を見ていれば早く気づけます。
目頭の赤いふくらみ。瞳の白い濁り。片目だけ細めている様子。
これらを見つけるのに、必要なのは30秒です。
朝、ごはんの前に顔をのぞく——そのくらいのタイミングで習慣にしてしまえば、忘れることもありません。毎日見ているからこそ、小さな変化に気づけるようになります。
そして短頭種としては動ける犬種ですが、呼吸の限界は同じ——
「動けるから大丈夫」という油断が、この犬種ではいちばん危険です。
本人は楽しくて走り続けます。暑い日に区切りをつけるのは、そばで見ている人の役目です。
そして点眼の練習。目薬が必要になる可能性が高い犬種ですから、元気なうちに慣らしておくといざというときに困りません。
目のケアと、夏の管理。この2つを押さえられれば、アメリカの紳士は、最高の家族になってくれます。
今日から始める3つ
- 1毎日30秒、正面から顔を見て左右の目の開き方を確認する
- 2首輪をハーネスに替える——眼球と気管への圧を減らす
- 3夏は室温28度以下を保ち、日中の運動は完全にやめる
この犬種の目は、毎日の30秒で守れます。気づける飼い主でいることが、いちばんの治療になります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ボストンテリアの飼い方|チェリーアイと目の病気」でした。
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