

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫ヘルペスウイルス感染症|治っても、ウイルスは残ります」です。ではどうぞ!
くしゃみが出て、鼻水が垂れて、目やにがたまる——猫風邪と呼ばれる状態です。
数日で落ち着けば、治ったように見えます。けれど、このウイルスの場合はそうではありません。
一度感染してしまうと、生涯を通じてウイルスが体内に潜伏します。症状が消えるのは、ウイルスが消えたからではなく、隠れたからです。
そしてストレスを受けたり体力が低下すると、また症状が出てきます。
結論
猫ヘルペスウイルス感染症は猫ウイルス性鼻気管炎とも呼ばれ、結膜炎や鼻炎(上部気道炎)などを引き起こす感染症です。症状が人の風邪に似ているため「猫風邪」とも呼ばれます。くしゃみや眼が赤く涙っぽい症状から始まり、発熱や元気消失、食欲不振などを伴います。この病気でいちばん重要なのは一度感染すると生涯にわたってウイルスを保有し、ストレスや体力の低下でまた症状が出てくるという点です。重症化すると角膜潰瘍や結膜炎を起こすことがあり、とくに子猫や免疫力の低下した猫では重篤な症状になります。ワクチンは発症を抑えたり症状を軽減したりする効果がありますが、感染や発症を完全に防ぐことは難しく、あくまで重症化を防ぐためのものです。
この記事でわかること
- ✓「猫風邪」と呼ばれています
- ✓治っても、ウイルスは残ります
- ✓目に出るのが、このウイルスの特徴です
- ✓引き金は、たいていストレスです
- ✓子猫のときが、いちばん危ない時期です
- ✓治療は、二本立てになります
- ✓ワクチンでできること、できないこと
- ✓くり返す猫と暮らしていく
「猫風邪」と呼ばれています
このウイルスが起こすのは、鼻と目とのどの炎症です。症状が人の風邪によく似ているため、猫風邪と呼ばれています。
正式には猫ウイルス性鼻気管炎とも呼ばれ、結膜炎や鼻炎(上部気道炎)を引き起こします。
| 場所 | 出てくる症状 |
|---|---|
| 鼻 | くしゃみ、鼻水、鼻づまり |
| 目 | 充血、涙、目やに、まぶしがる |
| のど | 咳、声がかすれる、飲み込みにくそうにする |
| 全身 | 発熱、元気消失、食欲不振 |
| 口 | よだれ、口の中の炎症を伴うことがある |
| 重くなると | 角膜潰瘍、肺炎に進むことがある |
くしゃみや眼が赤く涙っぽい症状から始まり、発熱や元気消失、食欲不振などを伴います。
鼻がつまると、食べなくなります
猫は、においで食欲が動く動物です。鼻がつまってにおいが分からなくなると、食べなくなります。
これは風邪の症状そのものより、大きな問題になることがあります。とくに子猫では、数日食べないだけで体力が尽きてしまいます。
鼻をこまめに拭く、温めて香りを立たせる——こうした工夫が、そのまま治療の一部になります。
鼻の症状が長く続く場合は、そのあとに慢性的な鼻炎として残ることもあります。
治っても、ウイルスは残ります

この病気の性質で、いちばん知っておいていただきたいところです。
一度感染してしまうと、生涯を通じてウイルスが体内に潜伏しやすくなります。感染した猫は、生涯にわたってウイルスを保有します。
つまり、症状が消えても「ウイルスがいなくなった」わけではありません。神経の中に身をひそめ、機会を待っている状態です。
だから「くり返す猫」がいます
年に何度もくしゃみと目やにをくり返す猫がいます。そのたびに新しくうつっているわけではありません。
体の中にいたウイルスが、また動き出しているのです。
この違いは大切です。外との接触を断っても、再発は起こりえます。「うつらないようにする」のではなく、「出てこないようにする」という考え方が必要になります。
くり返す時期を、記録してみてください
いつぶり返したかを書き留めておくと、引き金になっているものが見えてくることがあります。
引っ越しのあと、同居猫を迎えたあと、季節の変わり目——パターンが分かれば、次は前もって備えられます。
目に出るのが、このウイルスの特徴です

猫風邪を起こすウイルスはいくつかありますが、このウイルスは目に強く出ます。
ウイルスが眼に感染すると、角膜潰瘍や結膜炎を引き起こすことがあります。
角膜が傷つくと、あとが残ります
結膜炎だけなら、治療で落ち着くことがほとんどです。けれど角膜——目の表面の透明な膜が傷つくと、話が変わります。
深く傷んだ場合、治ったあとに濁りが残ることがあります。そこに光が通りにくくなれば、見え方に影響します。
- まぶたを細めている、開けにくそうにしている
- 片目だけ涙が多い
- 目の表面が、白っぽく濁ってきた
- 目をこすろうとする、前足でかく
- まぶしがって、暗い場所へ行きたがる
- 目やにで、まぶたが開かなくなっている
目の症状は、鼻の症状より急ぎます。鼻水は数日様子を見られても、角膜の傷みは進むのが速いためです。
子猫では、まぶたが癒着することがあります
生まれて間もない子猫がこのウイルスに感染すると、目やにでまぶたがくっついてしまうことがあります。
無理にこじ開けると傷つけてしまいます。ぬるま湯で湿らせたガーゼでふやかすのが基本ですが、自己流で開けようとせず、まず受診してください。
放っておくと、まぶたと眼球がくっついたまま治ってしまうことがあります。
引き金は、たいていストレスです

ストレスを受けたり体力が低下すると、また症状が出てきてしまうことがあります。
ここでいうストレスは、特別なものではありません。猫にとっての「いつもと違う」が、そのまま引き金になります。
- 引っ越し、模様替え、家具の配置換え
- 同居猫や同居犬が増えた
- 入院、手術、長時間の移動
- 来客が続いた、工事の音があった
- ほかの病気の治療をしていた
- 季節の変わり目、寒暖差
予防の中心が「環境を整えること」になるのは、このためです。
整えられるところから、手をつけてください
すべてのストレスをなくすことはできません。けれど、減らせるものはあります。
隠れられる場所を用意する。高い場所をつくる。トイレと食器の数を足りるようにする。こうした環境の整え方が、そのまま再発の予防になります。
避けられない変化——引っ越しや入院——があるときは、その前後で体調に気を配るだけでも違います。
子猫のときが、いちばん危ない時期です
特に子猫や免疫力の低下した猫は、重篤な症状を示すことがあります。
理由は単純です。子猫には体力の蓄えがありません。鼻がつまって数日食べられないだけで、危険な状態になります。
| 子猫で起きやすいこと | どうなるか |
|---|---|
| 鼻づまり | においが分からず、食べなくなる |
| 食べない | 体力と体重が、急に落ちる |
| 脱水 | 短時間で危険な状態になる |
| 目の癒着 | まぶたと眼球がくっつくことがある |
| 肺炎 | 下の気道まで進むと、呼吸が苦しくなる |
| 後遺症 | 慢性の鼻炎や、目の濁りが残ることがある |
⚠ この様子なら、その日のうちに
- まったく食べていない(とくに子猫)
- 目が開かない、白く濁ってきた
- 呼吸が苦しそう、口を開けて息をする
- ぐったりして、動かない
- 熱が下がらない
- 脱水しているように見える
子猫の「食べない」は、大人の猫の「食べない」とは重さが違います。半日から一日食べていなければ、それだけで受診の理由になります。
どうやって診断するのか
多くの場合、症状と経過から判断されます。くしゃみと目の症状がそろっていて、若い猫であれば、まずこのウイルスが疑われます。
必要に応じて、鼻や目のぬぐい液から遺伝子を調べる検査を行うこともあります。同居猫が多い場合や、症状が重い場合には、どのウイルスが関わっているかを確かめる意味があります。
目の症状が出ているときは、角膜に傷がないかを染色して確かめる検査も行われます。潰瘍ができているかどうかで、使う薬が変わってくるためです。
ただ、はっきり分かってもはっきりしなくても、行う手当てが大きく変わらないことも多いものです。検査そのものより、食べられているか、目が守れているかのほうがその場では大切になります。
治療は、二本立てになります
治療の目的は、症状をやわらげることと、ウイルスを抑えることです。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| 抗ウイルス薬 | ウイルスの増殖を抑える。目薬や内服が使われる |
| 抗生物質 | 弱った粘膜に起きる、細菌の二次感染を防ぐ |
| 点眼薬 | 目の炎症を抑え、角膜を守る |
| 鼻と目の清掃 | 分泌物を取り除き、通りをよくする |
| 栄養の管理 | 食べられる形を工夫し、体力を保つ |
| 環境の管理 | ストレスを減らし、再発の引き金を避ける |
猫ヘルペスウイルス感染症は完全に治癒することが難しく、再発する可能性があることを前提に、長く付き合っていく形になります。
家でできることが、意外に効きます
この病気では、家での手当てが治りを大きく左右します。
- 目やにと鼻水を、ぬるま湯で湿らせて拭き取る
- ごはんを少し温めて、においを立たせる
- 部屋の湿度を保ち、乾燥させない
- 暖かく、静かな場所で休ませる
- 点眼と投薬を、決まった時間に続ける
- 体重を測り、減っていないか確かめる
鼻の通りをよくすることと、食べさせること。この二つができれば、多くの猫は乗り越えていきます。
ワクチンでできること、できないこと

このウイルスは、混合ワクチンに含まれています。子猫のうちから、定期的に接種することがすすめられています。
ワクチンは発症を抑えたり、症状を軽減したりする効果があり、特に子猫や免疫力の低い猫にとって、重症化を防ぐ重要な手段です。
ただし、期待するところを間違えないでください。ワクチンを接種していても、感染や発症を完全に防ぐことは難しく、あくまで重症化を防ぐためのものです。
すでに感染している猫にも、意味があります
「もう感染しているなら、打っても意味がないのでは」と思われるかもしれません。
けれど混合ワクチンには、ほかのウイルスに対する成分も含まれています。
猫カリシウイルス感染症は、別のウイルスによる猫風邪です。両方にかかることもあります。
すでにヘルペスウイルスを持っている猫でも、ほかの病気から守る意味でワクチンは有効です。
くり返す猫と暮らしていく
この病気と診断されたとき、一生ものだと言われて落ち込む方がいます。
けれど、症状が出ていない時間のほうがずっと長いのが実際です。多くの猫は、ふつうに元気に暮らしています。
大切なのは「出てきたときに、早く手を打てるかどうか」です。
早く気づくための、見るポイント
| 見ること | どう役立つか |
|---|---|
| 目の充血 | いちばん早く出やすい。毎日の顔で分かる |
| くしゃみの回数 | 増えてきたら、始まりのことがある |
| 食欲 | 鼻がつまると、真っ先に落ちる |
| 寝ている時間 | 増えていれば、体がだるいのかもしれない |
| 体重 | 食べられていないと、すぐに動く |
| 直前の出来事 | 引き金になった変化がなかったかを振り返る |
目のうるみと、くしゃみの回数——この二つに気づけるようになると、重くなる前に受診できるようになります。
多頭飼いの場合
このウイルスは、猫同士の接触や飛沫で広がります。症状が出ているあいだは、部屋を分けておくのが基本です。
食器や水皿、トイレも分け、使ったものは洗って乾かしてください。
そして、世話をする順番を健康な猫が先、症状のある猫を後にすると、手を介した広がりを減らせます。
よくある質問
Q. 猫ヘルペスウイルス感染症とは、どんな病気ですか?
A. 猫ウイルス性鼻気管炎とも呼ばれ、結膜炎や鼻炎を引き起こす感染症です。症状が人の風邪と似ているため「猫風邪」とも呼ばれます。
Q. どんな症状が出ますか?
A. くしゃみや、眼が赤く涙っぽい症状から始まります。発熱や元気消失、食欲不振などを伴い、重症化すると角膜潰瘍や結膜炎を起こすことがあります。
Q. 治りますか?
A. 症状は治まりますが、ウイルスは体内に残ります。一度感染すると生涯にわたってウイルスを保有し、ストレスや体力の低下でまた症状が出てくることがあります。
Q. なぜ、何度もくり返すのですか?
A. 新しくうつっているのではなく、体内のウイルスが動き出しているためです。神経の中に潜伏していたものが、免疫が下がったときに出てきます。
Q. 再発の引き金は何ですか?
A. ストレスと体力の低下です。引っ越し、同居猫が増えた、入院や手術、季節の変わり目——猫にとっての「いつもと違う」が引き金になります。
Q. 目が気になります。急ぎますか?
A. 目の症状は、鼻の症状より急ぎます。角膜が傷むと進むのが速く、治ったあとに濁りが残ることがあります。白く濁ってきた、まぶたを細めているなら、その日のうちに受診してください。
Q. 子猫が感染しました。危険ですか?
A. 特に子猫や免疫力の低下した猫は、重篤な症状を示すことがあります。鼻がつまって食べられなくなると、短期間で体力を失います。半日から一日食べていなければ、それだけで受診の理由になります。
Q. どんな治療をしますか?
A. 抗ウイルス薬でウイルスを抑え、抗生物質で二次感染を防ぎます。目の炎症には点眼薬を使い、鼻と目の清掃、栄養の管理もあわせて行います。
Q. 家でできることはありますか?
A. 目やにと鼻水を拭き取り、ごはんを温めてにおいを立たせてください。鼻の通りをよくすることと、食べさせること。この二つが、家でできるいちばん効く手当てです。
Q. ワクチンで防げますか?
A. 完全には防げません。ワクチンは発症を抑えたり症状を軽減したりする効果があり、特に子猫や免疫力の低い猫の重症化を防ぐ重要な手段ですが、感染そのものを完全に防ぐことは難しいものです。
Q. すでに感染している猫にも、ワクチンは必要ですか?
A. 意味があります。混合ワクチンにはほかのウイルスに対する成分も含まれており、カリシウイルスなど別の病気から守る効果があります。
Q. 人にうつりますか?
A. 人のヘルペスウイルスとは別のもので、人への感染リスクは低いとされています。ただし世話のあとは手を洗い、ほかの猫へ広げないようにしてください。
まとめ|消えたのではなく、隠れています
このウイルスは、症状が消えても体から出ていきません。感染した猫は、生涯にわたってウイルスを保有します。
だからこの病気で考えることは、「うつらないようにする」ことではなく、「出てこないようにする」ことに移ります。
そのために効くのは、意外なほど地味なことです。環境を落ち着かせること。無理な変化を重ねないこと。そして、出てきたときに早く気づくこと。
目のうるみと、くしゃみの回数。その二つを見ていられれば、重くなる前に手を打てます。
そして、ぶり返したときに自分を責めないでください。このウイルスは、もともと出てくるようにできているものです。大切なのは防ぎきることではなく、出てきた回数だけ、早く気づいて手当てできることです。
今日できる3つ
- 1猫の目を見て、充血や涙っぽさがないか確かめる
- 2くり返している猫なら、前回いつ出たかを書き留めておく
- 3引っ越しや同居猫の追加を控えているなら、その前後の体調に気を配る
この病気は、治すというより付き合っていくものです。そのぶん、早く気づけることが強みになります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫ヘルペスウイルス感染症|治っても、ウイルスは残ります」でした。
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