ネコの病気    猫白血病ウイルス感染症|出会った年齢で、その後が変わります

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猫白血病ウイルス感染症|出会った年齢で、その後が変わります
猫白血病ウイルス感染症
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫白血病ウイルス感染症|出会った年齢で、その後が変わります」です。ではどうぞ!

猫白血病ウイルス感染症と聞くと、血液のがんになる病気を思い浮かべる方が多いと思います。

けれど、この病気で起きることはそれだけではありません。免疫が落ちる、貧血になる、腫瘍ができる——体のあちこちに、別々の形で現れます。

そしてもうひとつ、あまり知られていないことがあります。同じウイルスに感染しても、出会った年齢によってその後がまるで違うのです。

結論

猫白血病ウイルス感染症は猫白血病ウイルスによって免疫が壊され、貧血・腫瘍・感染症への弱さなどが現れる病気です。主な感染経路はけんかによる咬傷、交尾、なめ合い、トイレや食器の共有で、抗原陽性の母猫が子猫をなめることでも高率に伝わります。重要なのは年齢差で、生まれたてで感染するとほぼ100%が持続感染になりますが、離乳期を過ぎた感染では約50%、1歳以上では10%程度にとどまります。検査は血液で行い、キットなら10分ほどで結果が出ますが、感染から陽性に出るまで2週間〜1か月かかり、一過性の陽性もあるため4〜12週後の再検査が推奨されます。治す薬はなく発病した猫の多くは3〜4年以内に亡くなります。だからこそ、防ぐところに手をかける意味が大きい病気です。

この記事でわかること

  • 「白血病」という名前ですが
  • 出会った年齢で、その後が変わります
  • うつり方は、けんかだけではありません
  • 陽性と出ても、そこで決まりではありません
  • 体の中で、何が起きていくのか
  • 治す薬は、まだありません
  • だから、防ぐところに全部かかっています
  • 陽性の猫と暮らすということ

「白血病」という名前ですが

この病気の名前は、少し誤解を招きます。白血病だけを起こす病気ではありません。

このウイルスがねらうのは、血をつくる場所と、免疫をつくる場所です。そこが侵されるため、症状は一つに定まりません。

ひとつの名前で呼ばれる、いくつもの現れ方
現れ方 どういうことが起きるか
免疫が落ちる ほかの感染症にかかりやすく、治りにくくなる
貧血 赤血球が減り、歯ぐきが白くなる
腫瘍 リンパ腫など、腫瘍ができやすくなる
骨髄の異常 血をつくる場所そのものが働けなくなる
リンパ節の腫れ 触れて分かるほど腫れることがある
くり返す不調 口内炎、鼻水、下痢などが治りきらない

ですから、この病気は「特定の症状で気づく」ものではありません。むしろ「何かがずっとすっきりしない」という形で現れます。

こんなときに、疑われます

  • 風邪のような症状を、何度もくり返す
  • 口内炎が治らない、口を痛がる
  • 歯ぐきが白い、元気がない
  • 体重が落ちてきた
  • リンパ節が腫れている
  • 下痢が長く続く
  • 外に出る猫、もらわれてきた猫である

最後の一行が、意外に大きな手がかりになります。どこから来た猫なのか——外での暮らしがあったなら、それだけで確かめる理由になります。

貧血が見つかったときにも、このウイルスは候補に挙がります。非再生性の貧血の背景として、猫白血病ウイルス感染症が挙げられるためです。

出会った年齢で、その後が変わります

年齢別の持続感染率
同じウイルスでも、年齢でこれだけ違います。

この病気を理解するうえで、いちばん大切なところです。

生まれたてで感染するとほぼ100%が持続感染になりますが、離乳期を過ぎて感染した場合は約50%、1歳以上の猫では10%程度しか持続感染になりません。

つまり大人の猫の体は、このウイルスを追い出せることがあるのです。子猫にはその力がまだありません。

持続感染と、一過性の感染

ウイルスが体に入ったあと、行き先は二つに分かれます。

二つの行き先
一過性感染・潜伏感染 持続感染
体の反応 免疫がウイルスを抑え込む 抑え込めず、居ついてしまう
多いのは 成猫になってからの感染 子猫のうちの感染
検査の結果 のちに陰性に転じることがある 陽性が続く
ほかの猫へ うつす力は弱まっていく うつす可能性が続く
見通し 予後は良好の傾向 予後不良の傾向

子猫のうちに感染した場合は持続感染となり予後不良、成猫になってから感染した場合は一過性感染・潜伏感染となり予後良好の傾向があります。

この差が意味することは、はっきりしています。子猫の時期に、感染した猫と会わせないこと——それが、いちばん効く手当てです。

保護した子猫を、すぐ同居させないでください

外で保護した子猫を家に迎えるとき、先住猫とすぐ会わせてしまうことがあります。

けれど子猫の時期の感染は、そのまま持続感染につながります。そして子猫自身が、すでに感染しているかもしれません。

まず検査を受け、結果が出るまでは部屋を分けておく——この順番を守るだけで、防げるものがあります。

うつり方は、けんかだけではありません

うつり方
けんかだけでは、ありません。

感染経路と聞くと、けんかの咬み傷を思い浮かべます。たしかにそれは大きな経路ですが、それだけではありません。

主な感染経路はけんかによる咬傷、交尾、グルーミング(なめ合い)、トイレや食器の共有です。

つまり仲がよい猫どうしでも広がります。ここが、この病気の難しいところです。

母猫から子猫へ

まれに母子感染も起こります。さらに生後、抗原陽性の母猫が子猫をなめることによっても高率にウイルスが伝播します。

母猫が子猫をなめるのは、ごく自然な行動です。その自然な世話が、そのまま経路になってしまいます。

だからこそ、繁殖に関わる猫の検査には意味があります。

外に出る猫は、機会が多くなります

外での暮らしには、けんかも交尾も出会いもあります。そのすべてが経路になりうるということです。

室内だけで暮らす猫と、外に出る猫とでは、このウイルスに出会う確率がまったく違います。

完全室内飼育は、この病気に対していちばん強い予防になります。

陽性と出ても、そこで決まりではありません

検査の流れ
一度の陽性で、決めつけません。

検査そのものは、難しくありません。血液を使用し、検査キットにより10分程度で結果が出ます。

けれど、結果の読み方には注意が要ります。

陽性に出るまでに、時間がかかります

感染してから検査で陽性反応が出るまで、約2週間〜1か月かかります。

ですから、感染した直後に検査をしても陰性に出てしまいます。「検査したから大丈夫」とは限らないのは、このためです。

保護したばかりの猫、迎えたばかりの猫では、時期をおいて確かめる必要があります。

一過性の陽性ということがあります

そしてもうひとつ。感染初期の一過性陽性の可能性があるため、4〜12週間後に再検査が推奨されます。

つまり一度の陽性で、持続感染だと決めつけないということです。とくに成猫では、体がウイルスを抑え込んで陰性に転じることがあります。

陽性と告げられた瞬間は、頭が真っ白になると思います。けれど「もう一度、時期をおいて調べます」という段階が残っていることを、覚えておいてください。

🩺 獣医療の現場では

陽性と出たときに聞いておきたいのは、「いつ再検査しますか」のひとことです。

その一言で、話は「診断」から「確かめる段取り」へ移ります。成猫であれば、陰性に転じる可能性が十分にあります。

体の中で、何が起きていくのか

持続感染になると、ウイルスは骨髄——血をつくる場所に居つきます。

そこから、免疫をつくる細胞が正しくつくられなくなっていきます。免疫機能の低下、貧血、腫れたリンパ節といった症状は、そこから生まれてきます。

ウイルスが居つくと
場所 起きること
骨髄 血をつくる働きが落ちていく
赤血球 減っていき、貧血になる
白血球 正しく働けず、感染に弱くなる
リンパ節 炎症を起こし、腫れることがある
口の中 口内炎がくり返し、治りにくくなる
全身 腫瘍ができやすくなる

こわいのは、ウイルスそのものではありません

この病気で猫を弱らせるのは、多くの場合ウイルスそのものではなく、免疫が落ちたことで起きる別の問題です。

ふだんなら治る鼻炎が治らない。ふつうなら乗り越えられる下痢が、長引く。そうした積み重ねが、体力を削っていきます。

ですから陽性の猫では、「たいしたことない」と思える不調こそ早めに診せる——その姿勢が、そのまま寿命に効いてきます。

治す薬は、まだありません

正直にお伝えしなければならないところです。治療法はなく、予後が悪い病気です。

感染・発病した猫のほとんどは、3〜4年以内に亡くなります。

行われるのは、ウイルスの増殖を抑えることと、落ちた免疫を支えること、そして起きてくる症状に対応することです。

できること
治療 内容と考えどころ
抗ウイルス薬 増殖を抑えるが、完治は難しい。副作用の確認がいる
免疫を支える治療 抵抗力を高め、感染症に耐えられるようにする
症状ごとの治療 貧血、口内炎、感染症などに個別に対応する
輸血 貧血が重いときに、時間を稼ぐ
定期検査 変化を早くつかみ、手を打つ
環境の管理 感染の機会を減らすことが、治療の一部になる

数字を書きましたが、これは平均であって、その猫の余命ではありません。早く見つかり、環境が整い、不調に早く手を打てた猫は、それより長く穏やかに過ごしています。

だから、防ぐところに全部かかっています

治す薬がないということは、手をかける場所が「その前」にしかないということです。

  • 完全室内飼育にして、外の猫と接触させない
  • 新しい猫を迎える前に、必ず検査する
  • 結果が出るまでは、部屋を分けておく
  • 未去勢・未避妊なら、手術を検討する
  • 食器・水皿・トイレは、猫ごとに用意する
  • ワクチンについて、獣医師と相談する

ワクチンについて

猫白血病ウイルスのワクチンは、5種混合ワクチンに含まれています。接種は子猫のうちに始めるのが一般的です。

ただし、ワクチン接種によってウイルス感染を完全に防げるわけではありません。打ったから外に出しても大丈夫、ということにはなりません。

ワクチンは「万一のときの保険」、完全室内飼育は「出会わせない仕組み」——この二つは、役割が違います。

⚠ 迎える前に、確かめてください

  • その猫は、検査を受けているか
  • いつ、どの時期に受けたか
  • 外で暮らしていた期間はあるか
  • 母猫の状態は分かっているか
  • 先住猫のワクチンは済んでいるか

迎えたあとでは、選べることが減ります。この病気は、迎える前のひと手間がいちばん効きます。

陽性の猫と暮らすということ

陽性の猫と、陰性の猫
どちらも守れる形を、つくっていきます。

陽性と分かっても、その猫との暮らしが終わるわけではありません。守り方を変えていくということです。

その猫のために

いちばん大事なのは、ほかの病気をもらわせないことです。免疫が落ちているぶん、ふつうの感染症が重くなります。

  • 完全室内飼育を徹底する
  • ささいな不調でも、早めに受診する
  • 定期的に血液検査を受け、変化をつかむ
  • 口の中も、ときどき見ておく
  • 体重を月に一度量っておく
  • ストレスの少ない環境を整える

体重は、いちばん早く動く指標です。減り始めていれば、そこから探す手がかりになります。

同居の猫のために

多頭飼いの場合、感染リスクを最小限に抑えるために、猫同士の接触を制限し、個別の餌器やトイレを使用することが推奨されます。

なめ合いや食器の共有でも伝わるためです。できるかぎり生活空間を分け、未感染の猫についてはワクチンを検討することになります。

完全に分けるのが難しい家もあると思います。その場合でも食器と水皿とトイレを分けるだけで、機会は減らせます。

同じ「ウイルス感染症」でも、別の病気があります

猫免疫不全ウイルス感染症も、免疫が落ちていく病気です。名前も経路も似ていますが、進み方も、うつりやすさも違います。

検査では両方をまとめて調べることが多く、片方が陽性なら、もう片方も確かめておくのが一般的です。

どちらであっても、完全室内飼育と、早めの受診が暮らしを支える柱になることは変わりません。

よくある質問

Q. 猫白血病ウイルス感染症とは、どんな病気ですか?

A. 猫白血病ウイルスによって免疫が壊されていく病気です。白血病だけでなく、貧血、腫瘍、骨髄の異常、感染症へのかかりやすさなど、さまざまな形で現れます。

Q. どうやってうつりますか?

A. けんかによる咬傷、交尾、なめ合い、トイレや食器の共有が主な経路です。まれに母子感染も起こり、抗原陽性の母猫が子猫をなめることでも高率に伝わります。

Q. 感染したら、必ず発病しますか?

A. いいえ。年齢によって大きく変わります。生まれたてで感染するとほぼ100%が持続感染になりますが、離乳期を過ぎての感染では約50%、1歳以上では10%程度にとどまります。

Q. 子猫と成猫で、そんなに違うのですか?

A. 違います。子猫のうちに感染した場合は持続感染となり予後不良、成猫になってからの感染は一過性感染・潜伏感染となり予後良好の傾向があります。

Q. 検査はどうやってしますか?

A. 血液を使い、検査キットなら10分程度で結果が出ます。ただし感染から陽性反応が出るまで約2週間〜1か月かかるため、感染直後では陰性に出てしまうことがあります。

Q. 陽性と言われました。もう決まりですか?

A. そうとは限りません。感染初期の一過性陽性の可能性があるため、4〜12週間後の再検査が推奨されます。とくに成猫では、陰性に転じることがあります。

Q. どんな症状が出ますか?

A. 免疫の低下、貧血、腫れたリンパ節などです。風邪のような症状や口内炎、下痢をくり返し、「何かがずっとすっきりしない」という形で現れることが多いものです。

Q. 治りますか?

A. 治療法はなく、予後が悪い病気です。感染・発病した猫のほとんどは3〜4年以内に亡くなります。ただしこれは平均であり、環境を整え、不調に早く手を打てればそれより穏やかに過ごせる猫もいます。

Q. どんな治療をしますか?

A. 抗ウイルス薬でウイルスの増殖を抑え、免疫を支える治療を行います。あわせて、貧血や口内炎など出てきた症状に個別に対応します。

Q. ワクチンで防げますか?

A. ワクチンはありますが、完全に防げるわけではありません。5種混合ワクチンに含まれており、子猫のうちに接種を始めるのが一般的です。ワクチンと完全室内飼育は、役割が違うものと考えてください。

Q. 多頭飼いですが、どうすればよいですか?

A. 猫同士の接触を制限し、個別の餌器やトイレを使用してください。なめ合いや食器の共有でも伝わるため、できるかぎり生活空間を分けることが推奨されます。

Q. 人にうつりますか?

A. 猫のウイルスであり、人にうつるものではありません。気をつけるべきは、ほかの猫への広がりのほうです。

まとめ|迎える前の一手間が、いちばん効きます

この病気には、治す薬がありません。だからこそ、手をかけられる場所は感染する前に集まっています。

そして年齢の差は、そのまま子猫を守ることの重さを教えてくれます。生まれたてならほぼ全頭、1歳を過ぎれば10頭に1頭——この差は、家のなかの段取りで動かせるものです。

新しい猫を迎えるとき、検査を済ませ、結果が出るまで部屋を分ける。たったそれだけで、防げるものがあります。

すでに陽性と分かっている猫と暮らしている方へ。ささいな不調を早く診せることが、この病気ではいちばん確かな手当てになります。

今日できる3つ

  • 1新しい猫を迎える予定があるなら、先に検査の段取りを決めておく
  • 2外に出している猫がいるなら、完全室内飼育への切り替えを考える
  • 3陽性と分かっているなら、体重を月に一度量って記録を始める

このウイルスは、出会わなければ何も起こしません。治せない病気ほど、出会わせない工夫が効いてきます。

モフ@ペット好き

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