

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の骨肉腫|犬より、見通しの良い骨のがんです」です。ではどうぞ!
びっこをひくようになった。
足を、地面につけないで歩いている。
そして、骨のがんだと言われた——
「骨肉腫」と聞けば、覚悟されると思います。けれど猫の骨肉腫は、犬に比べて低浸潤性です。断脚手術のみで、良好な経過が得られています。
結論
猫の骨肉腫は四肢にできることがほとんどですが、場合によっては肩甲骨や体幹の骨に発生することもあります。約60〜70%が四肢に発生しますが、約30〜40%は下顎骨や骨盤など四肢以外の部位に発生します。四肢に発生した場合は、跛行(びっこをひく)や挙上(足を地面につけない)などの症状が認められ、より進行すると元気・食欲の低下などが認められます。犬の骨肉腫と比較すると低浸潤性で、予後はいい傾向にあります。ただし最近の報告では、四肢に発生した骨肉腫の場合、手術後に約40%が肺や骨などに転移すると報告されています。診断には主に組織生検(太い針をさして組織を採取する検査)が行われます。猫の四肢に発生した骨肉腫は犬に比べてあまり転移をせず、断脚手術のみの治療で骨肉腫としては良好な経過が得られています。よって、猫の骨肉腫では化学療法を行わないことが多いとされています。完全切除が成功した場合、予後は比較的良好とされ、1年以上の生存が期待できることもあります。
この記事でわかること
- ✓びっこから、始まります
- ✓六割から七割が、足にできます
- ✓犬より、穏やかな腫瘍です
- ✓断脚だけで、良い経過が得られます
- ✓それでも、転移はあります
- ✓太い針で、組織を採ります
- ✓顎や骨盤にも、できます
- ✓治らないけがを、疑ってください
びっこから、始まります

まず、どう気づくかから。
歩き方が、変わります
四肢に発生した場合は、跛行(びっこをひく)や挙上(足を地面につけない)などの症状が認められます。
跛行とはびっこをひくことです。
挙上は足を上げたまま、つかないことを指します。
けがだと、思われます
「どこかで打ったのかな」——
最初は、そう受け取られます。
猫は、高いところから飛び降りますから
その連想は自然なことです。
けれど、治りません
けがなら、数日で良くなっていきます。
この病気では、良くなりません。
むしろ、少しずつ悪くなっていきます。
「治らないびっこ」が、いちばんの手がかりです。
そこに、腫れが加わればなおさらです。
けがで、そこだけ太くなることはありません。
腫れて、痛がります
その部分だけが、太くなってくる——
触ると、嫌がって逃げる——
左右の足を比べてみてください。
同じ位置を、そっと握るように触ると
太さの違いが分かります。
- びっこを、ひいている
- 足を上げたまま、つかない
- 足の一部が、腫れている
- 触ると、痛がって逃げる
- 高いところへ、登らなくなった
- 数日たっても、良くならない
最後の一つが、いちばん大事です。
六割から七割が、足にできます

どこにできるのかです。
四肢が、いちばん多いのです
猫の骨肉腫は四肢にできることがほとんどです。
約60〜70%が四肢に発生します。
だから、歩き方の変化から見つかります。
飼い主さんがいちばん先に気づく病気です。
三割から四割は、別の場所です
約30〜40%は、下顎骨や骨盤など四肢以外の部位に発生します。
肩甲骨や体幹の骨に発生することもあります。
そこでは、歩き方に出ないこともあります。
顎にできると、食べ方に出ます
下顎骨にできれば、
食べにくそうにする、よだれが出る——
そういう症状になります。
顎の形が、変わって見えることもあります。
扁平上皮癌と症状が似てきます。
骨が、もろくなります
腫瘍のできた骨は、内側から壊されていきます。
だから、軽い衝撃でも折れることがあります。
急に強く痛がるようになったら、そこで折れたのかもしれません。
すぐに受診してください。
骨盤なら、後ろ足に出ます
骨盤にできれば、後ろ足の動きに影響します。
便が出にくくなることもあります。
場所によって、現れ方が変わります。
びっこの原因は、ほかにもあります
| 考えられるもの | 見分けの手がかり |
|---|---|
| けが・捻挫 | 数日で、少しずつ良くなっていく |
| 骨折 | 急に始まる。強く痛がる |
| 関節の病気 | 両側に出る、動き始めがつらそう |
| 感染 | 熱を持ち、腫れる。抗生剤で改善する |
| 骨肉腫 | 治らず、その部分が腫れてくる |
だから、日にちで区切って判断してください。
犬より、穏やかな腫瘍です

ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。
低浸潤性とされています
犬の骨肉腫と比較すると低浸潤性で、予後はいい傾向にあります。
周りへ食い込んでいく力が、犬ほど強くないということです。
転移も、少ないのです
猫の四肢に発生した骨肉腫は、犬に比べてあまり転移をしません。
犬の骨肉腫は、転移が大きな問題です。
猫では、そこが違います。
だから、治療の組み立ても変わります。
犬の話を、持ち込まないでください
「骨肉腫」で調べると、犬の情報が多く出てきます。
そこには、厳しい数字が並んでいます。
けれど猫では、事情が違います。
その区別を、してください。
診察のときも、「猫では」という前提で聞いてください。
同じ病名でも、動物が違えば別の病気です。
断脚だけで、良い経過が得られます

治療の話です。
手術のみで、経過が良いのです
断脚手術のみの治療で、骨肉腫としては良好な経過が得られています。
取れば、そこで区切りがつくことが多いということです。
抗がん剤を、使わないことが多いのです
よって、猫の骨肉腫では化学療法を行わないことが多いとされています。
治療の負担も、通院の回数も減ります。
これは、大きな違いです。
完全に取れれば、一年以上も期待できます
完全切除が成功した場合、予後は比較的良好とされ、1年以上の生存が期待できることもあります。
骨のがんとしては、良い数字です。
「完全に取れたかどうか」が、そのまま見通しにつながります。
取ったものの検査結果を、聞いておいてください。
断脚に、ためらわないでください
足を取ると聞けば、誰でもためらいます。
けれど猫は、三本足でも驚くほど普通に暮らします。
そして、痛みの原因がなくなります。
痛む足を引きずるより、楽になる猫がいます。
| 心配されること | 実際のところ |
|---|---|
| 歩けなくなるのでは | 三本足でも、走り回れるようになる |
| 高い所へ登れないのでは | 多くは、また登れるようになる |
| かわいそうではないか | 痛みが続くほうが、つらいことがある |
| 抗がん剤も必要では | 猫では、行わないことが多い |
| 見た目が変わる | 猫自身は、気にしません |
それでも、転移はあります
正直なところもお伝えします。
四割という報告があります
最近の報告では、四肢に発生した骨肉腫の場合、手術後に約40%が肺や骨などに転移すると報告されています。
「転移しない」わけではありません。
そこは、知っておいてください。
だから、経過を見ていきます
手術のあとも、定期的に胸を撮ります。
肺に広がっていないかを確かめるためです。
その受診を、欠かさないでください。
元気にしていても、続けてください。
肺の転移は、初期には症状が出ません。
それでも、犬より良い数字です
四割という数字も、決して小さくありません。
けれど犬の骨肉腫と比べれば、はるかに良いのです。
そして、手術だけで一年以上という報告があります。
四割が転移するということは、六割は転移しないということでもあります。
その側に入れる可能性は、十分にあります。
⚠ 受診してください
びっこが、数日たっても治らない。
足を上げたまま、つかない。
足の一部が、腫れている。
触ると、強く痛がる。
「けが」で片づけないでください。
術後の暮らしで、してほしいこと
- 滑らない床にする。マットを敷く
- 高いところへの段差を、低く分ける
- トイレのふちを、またぎやすくする
- 太らせない。関節への負担が増える
- 残った足に、無理をさせない
- 定期的に、胸のレントゲンを撮る
三本足でも暮らせますが、残った足への負担は増えます。
体重の管理が、そのまま支えになります。
太い針で、組織を採ります
診断の進め方です。
まず、レントゲンです
骨の状態を、画像で確かめます。
骨が壊れていないか、
周りに新しい骨ができていないか——
そこに、特徴が現れます。
左右の同じ骨を撮って、比べることもあります。
その一枚で、見当がつくことも多いものです。
組織生検で、確定します
診断には主に組織生検(太い針をさして組織を採取する検査)が行われます。
細い針では、骨の中まで届きません。
だから、太い針を使います。
麻酔をかけて行う検査になります。
転移も、確かめます
肺に広がっていないかを
手術の前に確かめます。
そこで、方針が決まります。
結果が出るまで、時間がかかります
採った組織は、外部の検査機関へ送られます。
骨の組織は、処理にも日数がかかります。
その間も、痛みを抑える治療は続けられます。
ほかの病気とも、区別します
骨折、感染、ほかの腫瘍——
びっこの原因は、ほかにもあります。
骨折であれば、まったく別の対応になります。
だから、画像で確かめることに意味があります。
顎や骨盤にも、できます
四肢以外の場合です。
取りにくい場所になります
四肢なら、断脚という方法があります。
けれど下顎骨や骨盤では、そうはいきません。
取れる範囲が、限られてきます。
それでも、切除を考えます
顎の一部を取る手術が
行われることがあります。
猫は、顎の一部を失っても食べられるようになることがあります。
術後しばらくは、やわらかいものから始めます。
食べ方を、そこから作り直していきます。
放射線が、選ばれることもあります
取りきれない場所では、
放射線が検討されることがあります。
痛みを和らげる目的でも使われます。
痛みを、取ることが大事です
骨の腫瘍は、強い痛みを伴います。
痛み止めを、ためらわないでください。
痛みが取れれば、また食べるようになります。
猫は、痛くても鳴きません。
動かなくなることが、痛みの表現です。
寝てばかりいるなら、それを伝えてください。
場所ごとの、考え方
| 場所 | 治療の方向 |
|---|---|
| 四肢 | 断脚手術。これのみで良好な経過 |
| 下顎骨 | 顎の一部を切除することがある |
| 骨盤 | 取れる範囲が限られる |
| 取りきれない場所 | 放射線が検討されることがある |
| 共通して | 痛みを取ることが、大きな治療になる |
どこにあるかを、必ず聞いておいてください。
治らないけがを、疑ってください
まとめの前に。
びっこは、よくある症状です
猫がびっこをひく理由は、たくさんあります。
多くは、けがや捻挫です。
だから、まず様子を見るのは自然なことです。
けれど、日数で区切ってください
数日たっても良くならないなら、
そこで受診してください。
「そのうち治る」を、いつまでも続けないことです。
一週間を目安にすると、決めやすくなります。
それを過ぎたら、一度診てもらってください。
高齢の猫では、なおさらです
腫瘍は、年をとるほど増えていきます。
高齢の猫が急にびっこをひき始めたら、早めに調べてください。
家で、見ておいてほしいこと
- いつから、びっこをひいているか
- どの足か、左右どちらか
- 腫れている場所があるか
- 触ると痛がるか
- 高いところへ登らなくなっていないか
- 食べる量が、減っていないか
歩いている様子を動画に撮っておくと
診察室で見せられます。
🩺 犬の情報と、分けてください
「骨肉腫」と聞くと、犬の厳しい情報が目に入ります。
けれど猫では、犬より低浸潤性で予後がいい傾向にあります。
断脚手術のみで、良好な経過が得られています。
まず、そこを知ってください。
この記事の要点
約60〜70%が四肢に発生し、約30〜40%は下顎骨や骨盤などに発生します。
犬の骨肉腫と比較すると低浸潤性で、予後はいい傾向にあります。
断脚手術のみで良好な経過が得られており、化学療法を行わないことが多いとされます。
ただし手術後に約40%が肺や骨などに転移すると報告されています。
Q. どこにできますか?
A. 約60〜70%が四肢に発生します。約30〜40%は、下顎骨や骨盤など四肢以外の部位に発生します。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 四肢に発生した場合は、跛行(びっこをひく)や挙上(足を地面につけない)などの症状が認められます。
Q. けがと、どう区別しますか?
A. 「治らない」ことが手がかりです。けがなら数日で良くなりますが、この病気では良くなりません。
Q. 犬の骨肉腫と同じですか?
A. 違います。犬の骨肉腫と比較すると低浸潤性で、予後はいい傾向にあります。
Q. 転移しやすいのですか?
A. 犬に比べると、あまり転移しません。ただし最近の報告では、手術後に約40%が肺や骨などに転移すると報告されています。
Q. どうやって診断しますか?
A. 主に組織生検(太い針をさして組織を採取する検査)が行われます。まずレントゲンで骨の状態を確かめます。
Q. 治療はどうしますか?
A. 四肢のものは、断脚手術のみの治療で良好な経過が得られています。
Q. 抗がん剤は必要ですか?
A. 猫の骨肉腫では、化学療法を行わないことが多いとされています。
Q. 足を取って、歩けますか?
A. 猫は、三本足でも驚くほど普通に暮らします。痛みの原因がなくなり、むしろ楽になることがあります。
Q. 予後はどうですか?
A. 完全切除が成功した場合、予後は比較的良好とされ、1年以上の生存が期待できることもあります。
Q. 手術のあとは、何をしますか?
A. 定期的に胸のレントゲンを撮ります。肺に転移していないかを確かめるためです。
Q. 顎にできた場合は?
A. 顎の一部を取る手術が行われることがあります。猫は、顎の一部を失っても食べられるようになることがあります。
Q. 取りきれない場所では?
A. 放射線が検討されることがあります。痛みを和らげる目的でも使われます。
Q. 痛みは強いですか?
A. 骨の腫瘍は、強い痛みを伴います。痛み止めをためらわないでください。
Q. 家では何を見ておけばよいですか?
A. いつから、どの足がびっこをひいているかです。歩いている様子を動画に撮っておくと、診察で役に立ちます。
まとめ|数日で治らないびっこは、調べてください
猫の骨肉腫は、びっこから始まります。
足を上げたまま、地面につけない——
最初は、けがだと思われます。
けれど、治らないのです。
そこが、いちばんの手がかりです。
そして猫の骨肉腫は、犬より低浸潤性です。
断脚手術のみで、良好な経過が得られています。
化学療法を行わないことも多く、一年以上という報告もあります。
犬の情報で、あきらめないでください。
今日できる3つ
- 1びっこがいつから続いているか、数えてみる
- 2歩いている様子を、動画に撮っておく
- 3左右の足を触り比べて、腫れがないか確かめる
猫の骨肉腫は、犬とは別の顔をしています。「治らないびっこ」で、一度調べてください。

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