

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の眼球の腫瘍|目のシミが、広がっていませんか」です。ではどうぞ!
猫の目に、茶色いシミのようなものがある。
前より、少し大きくなった気がする。
「模様が変わっただけかな」と思ってしまいがちです。
けれど猫の目の色の変化は、虹彩で色素細胞が増殖することで起こります。その中には、良性の変化から悪性腫瘍まで含まれます。そして、見分ける手がかりは広がる速さにあります。
結論
猫の目の色の変化の原因は、虹彩でメラノサイトと呼ばれる色素細胞が増殖することで、良性の変化から悪性腫瘍まで含まれています。虹彩メラノーシス(良性)は進行速度が遅く数年単位でゆっくり拡大し、それほど危険性はありませんが、シミ模様の拡大速度が速く短期間で拡大する場合や盛り上がりがある場合、瞳孔の形に変化がみられた場合は悪性メラノーマである可能性があります。ただし確定診断のためには眼球摘出後の病理組織検査が必要です。進行が遅い腫瘍ですが、徐々に悪性転換します。早い段階で眼球摘出を行えば予後は良好ですが、病期が進んだ段階ではリンパ節、脾臓、肺、肝臓、腎臓などに転移する危険性が高くなります。現時点で推奨されている治療法は、適切なタイミングでの眼球摘出手術であり、メラノーマが虹彩に限局していた場合、眼球摘出後の生存期間は正常猫と同等といわれています。
この記事でわかること
- ✓目の中にも、腫瘍はできます
- ✓多いのは、虹彩の色の変化です
- ✓良性のことも、あります
- ✓見分けるのは、変化の速さです
- ✓確かめるには、取るしかありません
- ✓早ければ、寿命は変わりません
- ✓ほかの腫瘍も、あります
- ✓写真を、撮っておいてください
目の中にも、腫瘍はできます
腫瘍というと体のどこかにできるしこりを思い浮かべると思います。
目の中にもできます。
外からは、見えにくい場所です
眼球の中は切らずにのぞける、めずらしい場所です。
けれどふつうに見ているだけでは、奥は分かりません。
だから、外から見える部分の変化がきっかけになります。
いちばん見えやすいのが、虹彩です
虹彩とは、猫の目の色に見えている部分です。
金色、緑、青——猫の目の美しさは、ここの色です。
ここに変化が出れば、飼い主さんが気づけます。
猫の目の中の腫瘍が見つかるきっかけは、たいていここです。
多いのは、虹彩の色の変化です

では、その変化とは何なのか。
色素の細胞が、増えています
猫の目の色の変化の原因は、虹彩でメラノサイトと呼ばれる色素細胞が増殖することです。
メラノサイトとは、色素をつくる細胞のことです。
それが増えれば、そこだけ色が濃くなります。
茶色いシミのように見えるのは、そのためです。
良性から悪性まで、幅があります
大事なのは、ここです。
この変化には、良性の変化から悪性腫瘍まで含まれています。
シミがある=がん、ではありません。
けれどシミがある=ただの模様、でもありません。
どちらなのかを、見ていくことになります。
良性のことも、あります
まず、良性のほうから。
虹彩メラノーシスといいます
虹彩メラノーシス(良性)は進行速度が遅く数年単位でゆっくり拡大し、それほど危険性はありません。
年単位で、少しずつ広がる——そういう変化です。
猫が年をとるにつれて、そばかすのように増えていくこともあります。
ただし、油断はできません
「良性だから大丈夫」で終わらせられない理由があります。
進行が遅い腫瘍ですが、徐々に悪性転換します。
良性のまま何年も過ごす猫もいれば、途中から性質が変わる猫もいるということです。
だから、見続ける必要があります。
見分けるのは、変化の速さです

では、何を見て判断するのか。
三つの手がかりがあります
シミ模様の拡大速度が速く短期間で拡大する場合や盛り上がりがある場合、瞳孔の形に変化がみられた場合は悪性メラノーマである可能性があります。
つまり速さ・盛り上がり・瞳孔の形——この三つです。
速さを、いちばんに見てください
良性なら、数年単位でゆっくりです。
数か月で目に見えて大きくなったなら、それは速すぎます。
だから、記録が必要になります。
「前より大きい気がする」では、判断できません。
盛り上がりと、瞳孔の形も
平らなシミだったものが、盛り上がってきたなら注意が要ります。
そして瞳孔の形です。
猫の瞳孔は、明るいところで細い縦の形になります。
それが、いびつになっていないか——
左右をそろえて見ると、分かりやすくなります。
- シミが、数か月で目に見えて広がった
- 平らだったものが、盛り上がってきた
- 瞳孔の形が、いびつになってきた
- 目の中が、濁ってきた
- 片目だけ、瞳の大きさが違う
- 目が赤い、痛がる様子がある
見比べる目安を、持っておいてください
どのくらいなら速いのか——そこが分かりにくいと思います。
| 経過 | どう考えるか |
|---|---|
| 数年かけて、少し広がった | 良性の変化を思わせる |
| 一年で、はっきり広がった | 間隔を詰めて、見ていく |
| 数か月で、目に見えて広がった | 相談してください |
| 盛り上がってきた | 平らでなくなったら、伝える |
| 瞳孔がいびつになった | 早めに受診してください |
「気がする」ではなく「写真で比べる」——
それが、この病気で家からできる最大のことです。
確かめるには、取るしかありません
ここが、この病気の難しいところです。
生検ができません
確定診断のためには眼球摘出後の病理組織検査が必要です。
体のほかの場所なら一部を採って調べることができます。
けれど目の中は、そう簡単にはいきません。
針を刺せば、腫瘍を散らしてしまうおそれもあります。
だから、判断が難しいのです
取ってみないと分からない。
けれど、取るということは目を失うということ。
この二つのあいだで、判断することになります。
だから、経過を見る記録が重みを持ちます。
受診したときに、行われること
- 目の中を、器具で詳しく診る
- 眼圧を測り、緑内障になっていないか見る
- 広がりを、超音波で確かめることがある
- 全身の状態を、血液検査で調べる
- 転移がないか、画像検査を行うことがある
- そのうえで、経過を見る間隔を決める
目だけを見て終わりにはなりません。
全身を調べるのは、転移の可能性があるからです。
見た目と経過で、方針を決めます
実際には目の中を詳しく診て、経過を追って判断していきます。
眼圧を測り、目の中に炎症がないかも確かめます。
超音波で、奥への広がりを見ることもあります。
そして、全身の状態も調べます。
早ければ、寿命は変わりません
この病気で、いちばん伝えたいことです。
虹彩の中にとどまっていれば
メラノーマが虹彩に限局していた場合、眼球摘出後の生存期間は正常猫と同等といわれています。
目を失っても、寿命は変わらない——そういうことです。
これは、大きな救いです。
進んでからでは、話が変わります
早い段階で眼球摘出を行えば予後は良好ですが、病期が進んだ段階ではリンパ節、脾臓、肺、肝臓、腎臓などに転移する危険性が高くなります。
目の中の話が、全身の話になってしまうのです。
だから、タイミングが大事になります。
推奨されているのは、摘出です
現時点で推奨されている治療法は、適切なタイミングでの眼球摘出手術です。
これは、進行や転移を未然に防ぐための、命を守るための予防的処置とされています。
目のための手術ではなく、体のための手術——そう考えると、意味が分かりやすくなります。
摘出という決断については眼球摘出という選択でくわしく書いています。
⚠ 受診してよい理由になります
目のシミが、数か月で広がった。
シミが、盛り上がってきた。
瞳孔の形が、いびつになってきた。
これらは、悪性メラノーマの可能性を考える手がかりです。
早い段階なら、予後は良好とされています。
ほかの腫瘍も、あります

目の中にできるのは、メラノーマだけではありません。
リンパ腫が、目に出ることがあります
リンパ腫は全身のどこにでも出る病気です。
目の中に出た場合、ブドウ膜炎のように見えます。
目の中が濁る、瞳の大きさが変わる——そういう症状になります。
だから、目の炎症で血液検査をすることに意味があります。
けがのあと、何年もたってからできることもあります
猫には特徴的な腫瘍があります。
目に大きなけがをしたあと、何年もたってから眼球内に腫瘍ができることがあるのです。
すでに見えなくなった目でも、そのまま放っておいてよいとは限らない——
過去にけがをした目は、定期的に診てもらってください。
こんなときは、目以外も調べます
目の腫瘍が疑われたとき、全身を見る理由があります。
- 体重が、減っていないか
- 元気や食欲が、落ちていないか
- 体のどこかに、しこりがないか
- リンパ節が、腫れていないか
- 呼吸が、速くなっていないか
- お腹が、張っていないか
目の腫瘍が全身から来ていることも、全身へ広がっていることもあります。
どちらの向きもありうる——だから、両方を調べます。
転移してくることも、あります
ほかの臓器のがんが、目に及ぶこともあります。
目の変化から、全身の病気が見つかる——そういうことが起こりえます。
目の腫瘍が疑われたら、全身の検査もあわせて行われるのはそのためです。
| 目の中の腫瘍 | 見え方の特徴 |
|---|---|
| 虹彩のメラノーマ | 目の色にシミができ、広がっていく |
| リンパ腫 | 炎症のように見える。全身の症状を伴うことも |
| けがのあとの腫瘍 | 過去に外傷を受けた目に、何年も後に出る |
| 転移してきたもの | ほかの臓器に、原発の病気がある |
| 共通して | 炎症と区別しにくい。検査で確かめる |
写真を、撮っておいてください

最後に、家からできる、いちばん大事なことです。
記憶では、比べられません
この病気の判断は、変化の速さで決まります。
けれど毎日見ている飼い主さんほど、変化に気づきにくいものです。
だから、写真が要ります。
撮り方のこつ
明るい場所で、正面から撮ってください。
フラッシュは使わないでください。目に光が反射して、色が変わって写ります。
同じ場所、同じ明るさで撮ると比べやすくなります。
そしていつの、どちらの目かを分かるようにしておいてください。
撮る間隔の目安
| 状況 | どのくらいの間隔で撮るか |
|---|---|
| 見つけたとき | まず一枚。そして受診する |
| 安定していると言われた | 三か月ごとに一枚 |
| 変化が気になる | 一か月ごとに一枚 |
| 広がってきた | 撮って、その足で受診する |
| 反対の目も | 一緒に撮っておく |
受診のときに、持っていってください
「半年前はこうでした」という写真は、診察でとても役に立ちます。
変わっていないことを示せるのも、同じくらい大事な情報です。
それが「今は様子を見ましょう」の根拠になります。
🩺 慌てず、けれど放っておかず
目の色のシミは、猫ではめずらしくありません。
見つけただけで、慌てる必要はありません。
けれど放っておかず、記録を始めてください。
変化の速さが、すべてを決めます。
この記事の要点
猫の目の色の変化は、虹彩で色素細胞が増殖することで起こり、良性から悪性まで含まれます。
虹彩メラノーシス(良性)は数年単位でゆっくり拡大し、それほど危険性はありません。
短期間で拡大する、盛り上がる、瞳孔の形が変わる場合は悪性メラノーマの可能性があります。
虹彩に限局していれば、眼球摘出後の生存期間は正常猫と同等といわれています。
Q. 猫の目にシミができました
A. 虹彩で色素細胞が増殖している状態です。良性の変化から悪性腫瘍まで含まれるため、経過を見ていくことになります。
Q. すぐに、がんを疑うべきですか?
A. 慌てる必要はありません。虹彩メラノーシス(良性)は進行速度が遅く、数年単位でゆっくり拡大し、それほど危険性はないとされています。
Q. 良性と悪性は、どう見分けますか?
A. 拡大の速さ、盛り上がり、瞳孔の形の変化です。短期間で拡大する場合、盛り上がりがある場合、瞳孔の形に変化がみられた場合は悪性メラノーマの可能性があります。
Q. 良性なら、放っておいてよいですか?
A. 見続けてください。進行が遅い腫瘍ですが、徐々に悪性転換するとされています。
Q. 検査で確かめられませんか?
A. 確定診断のためには、眼球摘出後の病理組織検査が必要です。目の中は生検が難しく、針を刺せば腫瘍を散らすおそれもあります。
Q. 放っておくと、どうなりますか?
A. 病期が進んだ段階では、リンパ節、脾臓、肺、肝臓、腎臓などに転移する危険性が高くなります。
Q. 治療法は何ですか?
A. 現時点で推奨されているのは、適切なタイミングでの眼球摘出手術です。進行や転移を未然に防ぐための、命を守るための予防的処置とされています。
Q. 目を取ったら、寿命はどうなりますか?
A. メラノーマが虹彩に限局していた場合、眼球摘出後の生存期間は正常猫と同等といわれています。
Q. いつ手術するか、どう決めますか?
A. 経過を見ながら判断します。早すぎれば不要な摘出になり、遅すぎれば転移の危険が高まります。だから記録を残し、変化の速さを見ることが大事になります。
Q. ほかの腫瘍もありますか?
A. あります。リンパ腫が目に出ることや、過去にけがをした目に何年もたってから腫瘍ができることもあります。
Q. 炎症と、区別できますか?
A. 見た目では区別しにくいことがあります。目の中の腫瘍は、ブドウ膜炎のように見えることがあります。だから血液検査や全身の検査もあわせて行われます。
Q. 見えなくなった目も、診てもらうべきですか?
A. 診てもらってください。過去に大きなけがをした目には、何年もたってから腫瘍ができることがあります。
Q. 写真は、どう撮ればよいですか?
A. 明るい場所で、正面から、フラッシュを使わずに撮ってください。同じ条件で撮ると比べやすくなります。いつの、どちらの目かを分かるようにしておいてください。
Q. 予防できますか?
A. 予防法はありません。できるのは、早く気づくことです。月に一度、左右の目を見比べる習慣が、いちばんの備えになります。
まとめ|シミそのものより、変化を見てください
猫の目に茶色いシミを見つけたとき、それだけで慌てる必要はありません。
良性の変化であることも、多いからです。
けれど、放っておいてよいものでもありません。
見るべきなのは、シミそのものではなく、その変化です。
数年かけてゆっくりなら、良性を思わせます。
数か月で広がる、盛り上がる、瞳孔の形が変わる——そのときは、相談してください。
そして、この病気には救いになる事実があります。
虹彩の中にとどまっているうちに手を打てば、寿命は変わらないとされています。
だからこそ、記録を残してください。写真一枚が、その判断を支えます。
今日できる3つ
- 1明るい場所で、正面から目の写真を撮って日付を残す
- 2左右の瞳孔の形をそろえて見比べる
- 3シミがあるなら、次に撮る日を決めておく
見るべきなのは、シミの有無ではなく変化の速さです。記録があれば、それが分かります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の眼球の腫瘍|目のシミが、広がっていませんか」でした。
下記の#タグキーワードからも、関連記事を検索できます。
Others 同じカテゴリの記事 |

猫の眼球摘出|見た目より、痛みを見てあげてください |
猫のブドウ膜炎|目なのに、血液検査をする理由 |
猫の角膜黒色壊死症|待つか、削るかの選び方 |
猫のコクシジウム症|消毒液では、死にません |
猫の膝蓋骨脱臼|スキップするような歩き方をしませんか |
猫の股関節形成不全|症状が出るのは、三割ほどです |




