犬の病気    犬の血管肉腫|一度倒れて、また元気になったなら

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犬の血管肉腫|一度倒れて、また元気になったなら
犬の血管肉腫
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の血管肉腫|一度倒れて、また元気になったなら」です。ではどうぞ!

昨日まで元気だったのに

急にぐったりして倒れた——

そして、しばらくするとまた起き上がった——

ごはんも食べる歩きもするいつも通りに見える——

「疲れていただけかな」——

そう思って受診を見送ってしまう——

それが、この病気でいちばんこわいことです。

血管肉腫——

脾臓や肝臓、心臓などにできる腫瘍です。

そして、この病気にはひとつの残酷な性質あります。

破裂するまで症状が出にくい——

だから、気づいたときには急変しているのです。

結論

血管肉腫は高齢犬(8〜10歳)での発症が多く好発犬種はジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、ボクサーなどです。脾臓や肝臓、心臓など臓器にできる血管肉腫は、腫瘍が大きくなって破裂する末期まで症状が出にくく、重い症状が急に現れるケースが少なくありません。腫瘍破裂により腹腔内出血が起こり、粘膜蒼白、頻脈、不整脈、意識レベルの低下、触知可能な腹部腫瘤と腹水(血腹)等が認められ急死してしまうこともあります。予後は厳しく、脾臓摘出のみで平均生存期間中央値が約1〜2か月、脾臓摘出+化学療法を実施した場合は約6か月と報告されており、化学療法を実施しても1年生存率は10%未満とされています。

この記事でわかること

  • 症状が出ないことが、この病気の性質です
  • 破裂したとき、何が起きるか
  • 「倒れて、また元気になった」が危険信号です
  • 高齢の犬と、大型犬に多い病気です
  • 破裂する前に見つける、唯一の道
  • 予後について、正直に書きます
  • 限られた時間で、決めること

症状が出ないことが、この病気の性質です

気づけないまま進む
症状が出ないまま、大きくなっていきます。

ほとんどの病気何かの症状教えてくれます。

痒み下痢元気のなさ——

けれど、この病気教えてくれません。

脾臓や肝臓、心臓など臓器にできる血管肉腫

腫瘍が大きくなって破裂する末期まで症状が出にくく

重い症状が急に現れるケース少なくありません。

この病気の進み方
段階 見えること
できたころ 何も見えない
育っていくあいだ 症状が出にくい
かなり大きくなっても 元気に見えることがある
破裂したとき 重い症状が、突然現れる
そのとき すでに末期のことが多い
だから 症状を待っていては間に合わない

「元気だったのに」——

この病気いちばん多く聞かれる言葉です。

けれど、本当に元気だったのではありません。

元気に見えていただけ——

その違いこの病気すべてです。

なぜ、症状が出ないのか

不思議に思われるかもしれません。

お腹のなか大きなものできているのに

なぜ気づけないのか——

  • 脾臓は、なくても生きていける臓器
  • だから、働きが落ちても症状が出にくい
  • 痛みの出にくい場所でもある
  • お腹のなかは、外から見えない
  • 大型犬なら、多少大きくなっても分かりにくい
  • 結果として、破裂まで気づけない

「痛がっていないから大丈夫」——

この病気には通じません。

痛みで教えてくれる病気のほうが

ある意味では親切なのです。

だからこそ、この病気「見に行く」しかありません。

破裂したとき、何が起きるか

破裂したときのサイン
どれも、急いで受診すべきものです。

腫瘍破裂により腹腔内出血起こります。

お腹のなか出血する——

外からは見えません。

  • 粘膜蒼白——歯ぐきが白くなる
  • 頻脈——脈が速くなる
  • 不整脈——脈が乱れる
  • 意識レベルの低下——ぐったりする、反応が鈍い
  • 触知可能な腹部腫瘤——お腹にしこりが触れる
  • 腹水(血腹)——お腹に血がたまる

そして、急死してしまうことあります。

いちばん早く気づけるのは歯ぐきの色です。

白い血の気がない——

それは、体のどこかで血が失われているしるしです。

⚠ 歯ぐきが白いなら、その場で向かってください

お腹のなかの出血外から見えません。

けれど、歯ぐきの色には出ます。

唇をめくって白い感じたなら

「様子を見る」という選択肢はありません。

夜間でも連絡して向かってください。

この病気では時間がそのまま命に関わります。

血が失われるというでは自己免疫性疾患による貧血とも見た目が重なります。

どちらにしても歯ぐきが白いのなら急ぐべき状態です。

「倒れて、また元気になった」が危険信号です

一度倒れて、回復したとき
よくなったように見えても、終わっていません。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

この病気ではこういう経過たどることがあります。

見逃されやすい経過
起きること 見え方
少量の出血が起きる 急にぐったりする、倒れる
出血が自然に止まる しばらくすると、元気になる
体が血を吸収する 見た目は、すっかりいつも通り
飼い主は 「疲れていただけ」と思ってしまう
けれど 腫瘍は、そのまま残っている
次に破裂したとき 止まらないことがある

「一度倒れたけれど、元気になった」——

これは、安心材料ではありません。

むしろ、受診すべき理由です。

体が一度は持ちこたえた——

けれど、その原因そこに残っています。

そして、その「持ちこたえた時間」こそが

調べるための時間なのです。

見逃したくない場面
こんなことがあったら すること
急にぐったりして、倒れた 元気に戻っても、受診する
ふらついて、座り込んだ その日のうちに相談する
歯ぐきが白かった すぐに向かう
散歩の途中で動けなくなった いつのことか、記録して伝える
お腹が張ってきた 受診する
何度か繰り返している 回数と時期を、必ず伝える

とくに、何度か繰り返しているなら——

それは、偶然ではありません。

元気に戻っても、必ず伝えてください

受診したときにはもう元気になっている——

それでもかまいません。

「昨日、急にぐったりして倒れました」伝えてください。

いま元気だから言わずに帰ってしまうことがいちばん惜しいのです。

その一言お腹のなかを見てもらえることになります。

それが、この病気を破裂前に見つける道です。

高齢の犬と、大型犬に多い病気です

この病気にははっきりしたかたよりあります。

高齢犬(8〜10歳)での発症が多く

好発犬種はジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、ボクサーなどです。

発症しやすい条件
条件 内容
年齢 8〜10歳での発症が多い
犬種 ジャーマン・シェパード
犬種 ゴールデン・レトリーバー
犬種 ボクサー
できる場所 脾臓、肝臓、心臓など
だから この条件に当てはまるなら、意識しておく

当てはまるからといって必ず起きるわけではありません。

けれど、「知っておく」ことには意味があります。

8歳を過ぎた大型犬急にぐったりしたとき——

この病気思い浮かべられるかどうかで

動き方が変わります。

できる場所によって、出方が変わります

この病気いくつかの臓器できます。

できる場所ごとの違い
できる場所 起きること
脾臓 破裂すると、お腹のなかで出血する
肝臓 同じく、腹腔内出血につながる
心臓 心臓のまわりに血がたまることがある
皮膚 できものとして、気づかれることもある
共通すること 血管からできる腫瘍のため、出血しやすい
だから 破裂という形で、急に現れる

心臓のまわり血がたまる

心臓がふくらめなくなり血を送り出せなくなります。

呼吸が苦しそうぐったりするお腹が張ってくる——

いずれも急いで受診してほしいサインです。

皮膚にできたものなら目で気づけることもあります。

赤黒いできものあれば見てもらってください。

破裂する前に見つける、唯一の道

破裂前に見つけるために
症状で気づくことは、できません。

症状で気づくことできません。

では、どうすればよいのか——

先に見ておくしかありません。

  • 健康診断のときに、腹部の画像検査を相談する
  • 高齢になったら、検査の間隔を考え直す
  • 好発犬種なら、とくに意識する
  • 一度でも倒れたなら、元気に戻っても受診する
  • お腹が張ってきていないか、触ってみる
  • 歯ぐきの色を、ときどき見ておく

「元気なのに検査をするのか」思われるかもしれません。

けれど、この病気元気なうちにしか見つけられないのです。

症状が出たときにはすでに破裂している——

その順番変えられるのが健康診断です。

そして、見つかったとしても

それがこの病気だとは限りません。

脾臓のできものには良性のものあります。

調べてみたら心配のないものだった——

そういう結果じゅうぶんありえます。

それが分かることにも意味があります。

🩺 受けるかどうかは、相談して決めてください

すべての犬毎年腹部の検査が必要というわけではありません。

年齢、犬種、これまでの経過見て判断されます。

「うちの子には必要でしょうか」聞いてみてください。

そのうえで受けるかどうか決めればよいのです。

大事なのは選択肢を知っておくこと——

知らないままでは選べません。

予後について、正直に書きます

ここは、書くのがつらいところです。

けれど、知らないまま決断を迫られるほうが

つらい思うので書いておきます。

報告されている予後
治療 報告されている数字
脾臓摘出のみ 平均生存期間中央値が約1〜2か月
脾臓摘出+化学療法 約6か月
1年生存率 化学療法を実施しても10%未満
つまり 非常に厳しい予後とされている
ただし 状態や広がりによって、経過は変わる
だから 目の前の子については、獣医師に聞いてください

厳しい数字です。

それでも、この数字知っていることで

できることがあります。

残された時間どう過ごすか考えられる——

そして、治療をどこまでするか納得して決められる——

それは、とても大切なことです。

厳しい数字読むことはつらいものです。

けれど、知らないまま「なんとかなる」思って過ごし

あとで後悔するほうが

もっとつらいはずです。

数字は、目安です

「中央値」という言葉には意味があります。

真ん中の値ということですから

それより短い子長い子います。

  • どこにできているか
  • すでに広がっているか
  • 年齢と、体力
  • ほかの病気があるか
  • 治療にどう反応するか
  • これらで、経過は変わってくる

統計の数字目の前の子説明するものではありません。

「うちの子の場合はどうですか」聞いてください。

その答えのほうがずっと確かです。

限られた時間で、決めること

この病気では決断までの時間とても短くなります。

破裂して運び込まれたその日に

手術をするかどうか決めなければならない——

考えなければならないこと
決めること 考えたいこと
手術をするか 出血を止めるために必要になることがある
そのあとの治療 化学療法を行うかどうか
年齢と体力 手術に耐えられるかどうか
どう過ごしたいか 治療の負担と、残る時間のバランス
家族の考え できれば、事前に話しておきたい
迷ったら 「決めるための情報」を聞いてよい

正解ありません。

治療することも治療しないこともどちらも選択です。

大事なのは納得して決めること——

そのために聞きたいことは聞いてください。

「どうすればよいですか」ではなく

「それぞれの場合、どうなりますか」聞く選びやすくなります。

家族と、話しておいてください

その場決めなければならないときに

家族の意見分かれることがあります。

  • 治療をどこまでするか
  • 手術に耐えられる年齢かどうか
  • 費用のこと
  • 看護できる体制があるか
  • どう過ごさせてあげたいか
  • これらを、あらかじめ話しておく

「縁起でもない」思われるかもしれません。

けれど、決断を迫られた場面初めて話すのは

とてもつらいことです。

高齢になってきたなら一度落ち着いているとき

話しておいてください。

それは、この病気かぎった話でもありません。

よくある質問

Q. 血管肉腫とは、どんな病気ですか?

A. 脾臓や肝臓、心臓など臓器にできる腫瘍です。腫瘍が大きくなって破裂する末期まで症状が出にくく、重い症状が急に現れるケースが少なくありません。

Q. どんな症状が出ますか?

A. 破裂するまでは、症状が出にくい病気です。腫瘍破裂により腹腔内出血が起こると、粘膜蒼白、頻脈、不整脈、意識レベルの低下、触知可能な腹部腫瘤と腹水(血腹)などが認められます。

Q. 倒れたのに、また元気になりました

A. いちばん見逃してほしくない経過です。少量の出血が起きて自然に止まると、いったん元気に戻ることがあります。けれど腫瘍はそのまま残っており、次に破裂したときは止まらないことがあります。元気に戻っていても、必ず受診してください。

Q. どんな犬に多いですか?

A. 高齢犬(8〜10歳)での発症が多いとされています。好発犬種は、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、ボクサーなどです。

Q. 早く見つける方法はありますか?

A. 症状で気づくことは難しいため、先に見ておくしかありません。健康診断のときに、腹部の画像検査を受けられるか相談してみてください。この病気は、元気なうちにしか見つけられません。

Q. 歯ぐきが白いのですが

A. その場で向かってください。粘膜蒼白は、体のどこかで血が失われているしるしです。お腹のなかの出血は外から見えませんが、歯ぐきの色には出ます。

Q. 予後はどうなのでしょうか?

A. 非常に厳しいとされています。脾臓摘出のみで平均生存期間中央値が約1〜2か月、脾臓摘出+化学療法を実施した場合は約6か月と報告されており、化学療法を実施しても1年生存率は10%未満とされています。

Q. その数字は、うちの子にも当てはまりますか?

A. 中央値は、あくまで目安です。どこにできているか、広がっているか、年齢や体力、ほかの病気があるかによって経過は変わります。目の前の子については、獣医師に聞いてください。

Q. 痛がっていないので、大丈夫ではないですか?

A. この病気では、痛みで教えてくれません。脾臓はなくても生きていける臓器で、症状が出にくい場所でもあります。痛みがないことは、この病気を否定する理由になりません。

Q. 脾臓に何か見つかったら、必ずこの病気ですか?

A. そうとは限りません。脾臓のできものには、良性のものもあります。調べてみたら心配のないものだった、という結果もじゅうぶんありえます。それが分かること自体にも意味があります。

Q. 手術をするかどうか、迷っています

A. 「それぞれの場合、どうなりますか」と聞いてみてください。治療することも、治療しないことも、どちらも選択です。大事なのは、納得して決めることです。

まとめ|倒れたことは、必ず伝えてください

この病気でいちばん伝えたかったことひとつです。

一度でも急にぐったりしたのなら

そのあと元気になっても受診してください。

「もう元気だから」見送った時間

この病気では取り返しのつかないものなりえます。

そして、高齢の大型犬なら

症状がないうちに一度見ておくこと相談してみてください。

それが、この病気に対してできる数少ないことです。

静かに進む病気気づけるのは

症状を待つことではありません。

先に見に行くことだけです。

今日できる3つ

  • 1歯ぐきの色を見て、いつもの色を覚えておく
  • 2過去に急にぐったりしたことがなかったか、思い出す
  • 3健康診断で腹部を見てもらえるか、相談してみる

症状を待っていては、間に合わないことがあります。元気なうちにしか、見つけられない病気です。

モフ@ペット好き

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