

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「シーズーの飼い方|皮膚トラブルと毎日のブラッシング」です。ではどうぞ!
抱き上げたとき、毛がベタついている。
顔を近づけると、脂っぽいにおいがする。
シーズーを飼っている方なら、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
「体質だから」と片づけてしまいがちな変化ですが——
実はそれ、皮膚トラブルの始まりかもしれません。
シーズーはアトピー性皮膚炎の好発犬種です。そしてアトピーは、脂漏症を招き、脂漏症はマラセチアという菌の増殖を招きます。
この連鎖が、この犬種の皮膚トラブルの正体です。
この記事では、その連鎖がどう進むのか、どこで止められるのか、そして毎日の手入れで何ができるのかを書いていきます。
結論
シーズーの皮膚トラブルは、アトピー体質→脂漏症→マラセチア皮膚炎という連鎖で進みます。最初のサインは脂っぽいにおいと、毛のベタつき——この段階で受診すれば、治療は短くて済みます。手入れの要は毎日のブラッシングとシャンプー後に完全に乾かすこと。生乾きが、すべてのトラブルの入り口です。
この記事でわかること
- ✓ベタつきとにおいが意味すること
- ✓アトピーから始まる連鎖
- ✓毎日のブラッシングという土台
- ✓シャンプーは乾かし方で決まる
- ✓目・耳・腎臓も見ておく
ベタつきとにおいが、意味すること

健康な犬の被毛は、触ってもベタつきません。
そして、においもほとんどしません。
「犬のにおい」と呼ばれるものの多くは、実は皮膚の状態を反映しています。
| 変化 | 何を意味するか | 対応 |
|---|---|---|
| 毛がベタつく | 皮脂が過剰に出ている | 脂漏症の可能性 |
| 脂っぽいにおい | マラセチアが増えている | 受診の目安 |
| 皮膚が赤い | 炎症が起きている | 掻く前に対処する |
| 皮膚が黒ずむ | 慢性化している | 長期の治療が必要 |
| フケが多い | 乾燥性の脂漏症 | 保湿の方針に変わる |
脂漏症には、2つのタイプがあります。
脂っぽくベタつくタイプと、乾燥してフケが出るタイプです。
この2つは、対応の方向がまったく違います。自己判断でシャンプーを選ぶと、悪化させることがあります。
「犬のにおい」は、当たり前ではない
「犬だからにおうもの」——そう思われがちですが、健康な皮膚は、それほどにおいません。
強いにおいがあるということは、皮膚の上で何かが増えているということです。
とくに脂っぽい、湿った雑巾のようなにおいは、マラセチアが増えているときの特徴的なにおいとされています。
飼い主は毎日そばにいるため、においの変化に気づきにくいという難しさがあります。
久しぶりに会った家族や友人に「においが強くなった?」と言われたら——それは受診を考える理由になります。
よく見る場所は決まっている
トラブルが出やすいのは、皮脂が多く、蒸れやすい場所です。
- 脇の下——こすれて蒸れる
- 内股・お腹——毛が薄く、湿りやすい
- 耳の中——垂れ耳で通気がない
- 指のあいだ——舐めて湿る
- 顔のシワと口のまわり——食べかすが残る
- しっぽの根元——見落とされやすい
被毛に覆われているため、目で見ただけでは分かりません。
毛を分けて、皮膚を直接見る——これを、毎日のブラッシングのときに習慣にしてください。
アトピーから始まる、連鎖

なぜ、シーズーで皮膚トラブルが多いのか。
出発点は、アトピー体質です。
1. アトピー性皮膚炎という土台
犬アトピー性皮膚炎は、ハウスダスト、花粉、カビなどに過剰に反応してしまう体質です。
シーズーは、この好発犬種とされています。
生まれつき、皮膚のバリア機能が弱い——そこに刺激が入りやすく、炎症が起こりやすくなります。
2. 脂漏症へ
炎症が続くと、皮脂の分泌が乱れます。
皮脂が過剰に出る——これが脂漏症です。
毛がベタつき、においが出てくるのはこの段階になります。
3. マラセチアが増える
マラセチアは、健康な犬の皮膚にも普通にいる酵母菌です。
ふだんは何の悪さもしません。
ただしこの菌は、皮脂を栄養にします。
脂漏症で皮脂が増えれば、マラセチアも一気に増えます。
そして増えたマラセチアに対してアレルギー反応を起こす——これが強い痒みの正体です。
⚠ 痒みを止めないと、掻いてさらに悪化します
痒い→掻く→皮膚が傷つく→細菌も入る→もっと痒くなる——
この循環に入ると、治療は長期化します。
「掻いているな」と思ったら、その時点で受診してください。痒みを抑えることは、悪化を止める治療の一部です。
毎日のブラッシングという、土台
シーズーは、抜け毛の少ない犬種です。
これは長所のように聞こえますが、手入れの面では逆になります。
抜けた毛が、自然に落ちずに被毛のなかに残るのです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 被毛のタイプ | 長く伸び続けるシングルコートに近い毛質 |
| 抜け毛 | 少ない。ただし被毛内に絡まる |
| ブラッシング | 毎日が基本 |
| 放置すると | 毛玉になり、その下の皮膚が蒸れる |
| トリミング | 4〜6週に1回必要 |
毛玉は、皮膚トラブルの直接の原因になります。
毛が固まると、その下の皮膚は通気を失います。湿気がこもり、マラセチアにとって格好の環境ができあがります。
- コームで、毛を分けながら根元まで通す
- 耳のうしろ・脇・内股を重点的に
- 毛玉を見つけたら、無理に引っぱらない
- 指でほぐしてから、少しずつとかす
- ブラッシングのたびに、皮膚の色を見る
- 嫌がるなら、短時間を数回に分ける
毎日5分——これが、この犬種を飼ううえでの前提です。
そしてブラッシングは、手入れであると同時に健康チェックでもあります。
毛を分けて皮膚を見るという行為を毎日続けている飼い主は、変化にいちばん早く気づけます。
サマーカットという選択
被毛を短く刈るという選択肢もあります。
毛玉のリスクが下がり、皮膚の状態も確認しやすくなる——皮膚トラブルを抱えている犬では、治療上も有利になります。
ただし、極端に短くしすぎないようにしてください。被毛は、直射日光から皮膚を守る役割も持っています。
担当のトリマーと獣医師に相談しながら長さを決めるのが確実です。
シャンプーは、乾かし方で決まる

皮膚トラブルのある犬にとって、シャンプーは治療の一部です。
ただし、やり方を間違えると逆効果になります。
| 項目 | 推奨 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 頻度 | 2〜4週に1回(指示があればそれに従う) | 自己判断で毎週洗う |
| シャンプー剤 | 症状に合わせて処方されたもの | 人間用・香りの強いもの |
| お湯の温度 | 36〜38度のぬるま湯 | 熱いお湯 |
| 洗い方 | 指の腹で、泡を皮膚になじませる | 爪を立ててこする |
| すすぎ | 時間をかけて完全に | 泡が残る |
| 乾燥 | 根元まで完全に乾かす | 自然乾燥にまかせる |
薬用シャンプーには、「置き時間」が指定されているものがあります。
泡を乗せてすぐ流してしまうと、効果が出ません。処方されたときは、何分置くのかを必ず確認してください。
そして乾かし方。
ここが、この犬種でもっとも重要な工程です。
- タオルで、押さえるように水分を吸い取る
- ドライヤーは弱風で、離して当てる
- コームで毛を分けながら、根元に風を送る
- 脇・内股・指のあいだを忘れずに
- 耳の中に水が残っていないか確認する
- 生乾きは、菌を増やすだけ
表面が乾いていても、根元が湿っていることがあります。
洗う時間より、乾かす時間を長く取ってください。
目・耳・腎臓も、見ておく

皮膚のほかにも、この犬種で見ておきたい場所があります。
| 部位 | 起きやすいこと | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 目 | 角膜潰瘍・乾性角結膜炎 | 白い濁りがないか毎日見る |
| 耳 | 外耳炎(垂れ耳で蒸れる) | においと赤みを週1回 |
| 腎臓 | 若齢でも異常が出ることがある | 健康診断の血液検査で見る |
| 膝 | 膝蓋骨脱臼 | スキップするような歩き方 |
| 歯 | 短いあごで歯並びが乱れる | 毎日の歯みがき |
目については、シーズーも眼球が前に出た短頭種です。
目が白く濁って見えたら、その日のうちに受診してください。角膜の傷は数日で深くなることがあります。
耳は、垂れ耳+被毛というもっとも蒸れやすい構造です。
皮膚が弱い犬種では、外耳炎も繰り返しやすくなります。週1回、めくって中を見ることを習慣にしてください。
そして腎臓。
この犬種では、比較的若い時期から腎臓の数値に注意しておく価値があります。
水を飲む量が増えた、おしっこの量が増えた——こうした変化は、年齢を問わず受診の理由になります。
食事とアレルギーの、見直し方
皮膚のトラブルが繰り返し起こる場合、食べているものを疑うという段階に進むことがあります。
ただし、順番があります。
| 原因 | 特徴 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| アトピー性皮膚炎 | 季節で変動することが多い | 症状の出た時期を記録する |
| 食物アレルギー | 季節に関係なく続く | 除去食で確かめる |
| ノミアレルギー | 腰やしっぽの根元に集中 | 予防薬を切らさない |
| マラセチア過敏 | 脂っぽく、においが強い | 皮膚の検査で分かる |
フードを次々と変えるのは、おすすめできません。
何に反応しているのかが分からなくなるためです。
- 症状が出た日と部位を、写真つきで記録する
- 季節との関係を見る——春だけなら花粉の可能性
- フードを変えた時期と、症状の変化を照らし合わせる
- おやつも含めて、口に入れたものをすべて書き出す
- 除去食は、獣医師の指導のもとで行う
- ノミ・ダニの予防薬を年間通して続ける
「いつ、どこが、どのくらい」——この記録が、診断を大きく助けます。
スマートフォンで撮った写真が何より確かな資料になります。受診の日には、その履歴を見せてください。
短頭種としては、比較的恵まれている
シーズーも短頭種です。
ただしパグやブルドッグほど極端ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | 4〜8kg |
| 平均寿命 | 13〜16年 |
| 性格 | 穏やか・人懐こい・マイペース |
| 運動量 | 1日2回、各20分程度 |
| 吠え | 比較的少ない |
| 起源 | チベット・中国の宮廷で愛された犬 |
平均寿命13〜16年——短頭種としては長い部類に入ります。
それでも暑さには弱いことに変わりはありません。
夏は室温28度以下、散歩は早朝と日没後——この基本は守ってください。
性格は穏やかで、人懐こく、マイペース。
激しい運動を求めず、あまり吠えず、誰に対しても愛想がいい——集合住宅でも、はじめて犬を飼う方にも向いている犬種だと言えます。
唯一にして最大の課題が、皮膚と被毛の手入れ——そこさえ引き受けられるなら、非常に飼いやすい犬種です。
もともとはチベットから中国の宮廷に贈られ、そこで愛玩犬として作り上げられた犬種だと伝えられています。
「獅子狗(シーズーゴウ)」——ライオンのような犬という意味の名前です。
働くためではなく、人のそばで過ごすために選ばれ続けてきた犬——だからこそ、あの落ち着きと寛容さが備わっているのでしょう。
トリミング代という、続く出費
この犬種を迎えるなら、知っておきたい費用があります。
トリミング代です。
| 項目 | 頻度 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| トリミング | 4〜6週に1回 | 1回6,000〜10,000円 |
| 年間のトリミング代 | 年8〜12回 | 5〜12万円 |
| 薬用シャンプー | 症状があるとき | 1本3,000〜6,000円 |
| 皮膚科の継続治療 | 状態による | 月5,000〜15,000円 |
| 年間の飼育費(総額) | —— | 15〜28万円 |
トリミングは、おしゃれのためではありません。
毛が伸び続ける犬種ですから、放置すれば目に毛が入り、足裏で滑り、肛門まわりが汚れます。
生活のために必要な出費だと考えてください。
- 足裏の毛——滑って転ぶ原因になる
- 目の周りの毛——角膜に触れて刺激になる
- 肛門まわり——排泄物が付着する
- 耳の中の毛——通気を妨げる
- 指のあいだ——湿気がこもる
- これらは、家庭でも部分的に整えられる
全身のカットはサロンに任せ、足裏と目の周りだけ家庭で整える——この組み合わせにすると、間隔を少し空けられます。
皮膚に持病がある場合は、担当のトリマーにその旨を伝えておいてください。使うシャンプーや扱い方を配慮してもらえます。
よくある質問
Q. 毛がベタついてにおいます。
A. 脂漏症とマラセチアの増殖が起きている可能性があります。シーズーではよく見られる状態ですが、体質だからと放置しないでください。この段階で受診すれば、治療は短くて済みます。
Q. シャンプーの回数を増やせばいいですか?
A. 自己判断で増やさないでください。脂漏症には脂っぽいタイプと乾燥するタイプがあり、対応の方向が逆になります。薬用シャンプーには置き時間が指定されているものもあるため、獣医師の指示に従ってください。
Q. ブラッシングは毎日必要ですか?
A. 毎日が基本です。この犬種は抜け毛が少ない反面、抜けた毛が被毛のなかに残って毛玉になります。毛玉ができると、その下の皮膚が蒸れて炎症の原因になります。
Q. サマーカットにしてもいいですか?
A. 皮膚トラブルがある場合はむしろ有利です。毛玉のリスクが下がり、皮膚の状態も確認しやすくなります。ただし極端に短くしすぎないでください。被毛には日光から皮膚を守る役割もあります。
Q. 足先をずっと舐めています。
A. 痒みのサインです。アトピー性皮膚炎では、足先を舐め続ける行動がよく見られます。舐め続けると湿って菌が増え、さらに痒くなる循環に入ります。早めに受診してください。
Q. 耳のケアはどうすればいいですか?
A. 週1回、めくって中を見てください。垂れ耳と被毛で、非常に蒸れやすい構造です。においがする、赤い、しきりに頭を振るといった変化は外耳炎のサインです。綿棒を奥まで入れるのは避けてください。
Q. シーズーは飼いやすい犬種ですか?
A. 皮膚と被毛の手入れを引き受けられるなら、非常に飼いやすい犬種です。穏やかで人懐こく、運動量も多くを求めず、あまり吠えません。課題は毎日のブラッシングと、4〜6週ごとのトリミング代です。
まとめ|においとベタつきが、最初の合図
シーズーの皮膚トラブルは、アトピー体質→脂漏症→マラセチア皮膚炎という順番で進みます。
最初のサインは、脂っぽいにおいと、毛のベタつき。
「体質だから」で片づけないでください。この段階で受診すれば、治療は短くて済みます。
そして毎日のブラッシング。
毛玉を防ぐためだけではありません。毛を分けて皮膚を見るという行為が、変化に気づく力を育てます。
シャンプーは、洗い方より乾かし方。生乾きが、すべてのトラブルの入り口です。
そして耳と目。垂れ耳と、前に出た眼球——どちらも週1回のぞくだけで早期発見につながります。習慣にしてしまえば、手間はほとんどかかりません。
手入れは、確かに手間です。けれどそれさえ引き受けられれば、これほど穏やかで付き合いやすい犬種は多くありません。
今日から始める3つ
- 1毎日5分、コームで毛を分けながら皮膚の色を見る
- 2脂っぽいにおいとベタつきに気づいたら、その週のうちに受診する
- 3シャンプー後は、根元まで完全に乾かす時間を確保する
この犬種の皮膚は、毎日の5分で守れます。ブラッシングは手入れであると同時に、いちばん確かな健康診断です。

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