

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の気管支炎|夜と明け方の咳を、聞き逃さないでください」です。ではどうぞ!
昼間は、いつもどおり元気なのに——
夜中や明け方になると咳をしている。
起きて動き出すと治まってしまう——
だから、「大したことはないだろう」と受け取られやすいのです。
けれど、「夜と明け方に強くなる咳」には理由があります。
そして、その理由はひとつではありません。
気管支炎——のどより下、細く枝分かれした気道で炎症が起きている状態——
あるいは、心臓の病気——
どちらも夜と明け方に咳が強くなります。
だから、この症状は調べてもらう価値があるのです。
結論
気管支炎はのどより下、枝分かれした細い気道で炎症が起きる病気です。慢性の気管支炎では咳が長期間続きます——乾いた咳のことも、痰がからむこともあり、夜間や早朝に悪化する、運動後や興奮時に増える、呼吸が浅く苦しそうに見えるといった特徴があります。はっきりとした原因が特定できないことも多く、とくにシニア犬に発症しやすいとされています。治療は、細菌感染が疑われれば抗生物質、真菌が原因なら抗真菌薬、アレルギー性が疑われるときには少量のステロイドが使われます。慢性の場合は気管支拡張剤の継続使用も有効とされ、ネブライザーを使った吸入療法は薬剤や湿気を直接気管支に届け、炎症を和らげ、粘液の排出を助けます。
この記事でわかること
- ✓気管支は、もっと下にあります
- ✓夜と明け方に、ひどくなる理由
- ✓高齢なら、まず心臓を確かめます
- ✓咳の出どころを、整理します
- ✓原因が分からないことも、あります
- ✓治療——薬と、吸入
- ✓暮らしのなかで、できること
気管支は、もっと下にあります

空気の通り道はのどから肺へ向かってだんだん細く枝分かれしていきます。
| 場所 | どこか | 起きる病気 |
|---|---|---|
| 咽頭・喉頭 | のどの奥 | 咽頭炎、喉頭麻痺 |
| 気管 | のどから胸へ向かう、太い管 | 気管虚脱、気管炎 |
| 気管支 | 気管が枝分かれした先 | 気管支炎 |
| 細気管支 | さらに細かく分かれた先 | より奥の炎症 |
| 肺 | いちばん奥 | 肺炎、肺水腫 |
木の枝を思い浮かべてください。
幹が気管、そこから分かれた枝が気管支——
そして、その先の葉にあたる部分で酸素の受け渡しが行われています。
気管支で炎症が起きると粘膜が腫れ、粘液が増えます。
- 細い道が、さらに狭くなる
- 増えた粘液が、たまっていく
- それを出そうとして、咳が出る
- 咳がまた粘膜を刺激する
- 長引けば、気道の壁そのものが変化していく
- 慢性化すると、元に戻りにくくなる
気管支炎の咳が湿った音になりやすいのはこの粘液のためです。
「カハッ、カハッ」という吐き出すような咳や痰がからむような音——
そして、咳のあとに何かを飲み込むような仕草をすることがあります。
出てきた粘液をそのまま飲み込んでいる——そういう動きです。吐いたように見えなくても咳は出ている——そこを見落とさないでください。
夜と明け方に、ひどくなる理由

この病気の特徴として覚えておいてほしいのが時間帯です。
夜間や早朝に咳が悪化する——
なぜ、そうなるのかを説明します。
| 起きること | その影響 |
|---|---|
| 横になる | 粘液が流れず、気道にたまりやすい |
| 動かない時間が続く | 出す機会がなく、少しずつ蓄積する |
| 明け方の冷え込み | 冷たい空気が、気道を刺激する |
| 空気の乾燥 | 暖房のきいた部屋では、とくに乾く |
| 起き上がる | たまったものが動き、まとめて咳が出る |
| 動き出したあと | 出しきると、いったん治まる |
「起きて動き出すと治まる」——
この経過が「大したことはない」という受け取り方をつくってしまいます。
けれど、治まっているのはたまったものを出しきったからであって炎症が消えたわけではありません。
夜の咳を、数えてみてください
「ときどき咳をします」——
そう伝えられることが多いのですがその「ときどき」がどれくらいなのかは案外分からないものです。
数日でよいので回数を数えてみてください。
「夜中に3回、明け方に5回」と伝えられればそれは確かな情報です。
そして、治療が始まったあとにも効いているかどうかが分かるようになります。
高齢なら、まず心臓を確かめます

ここは、とても大切な部分です。
高齢の犬が夜間や明け方に咳をする——
この症状は心臓の病気でも起こります。
心臓の働きが落ちると肺のほうに水分がたまりやすくなり、咳として現れることがあるからです。
| 確かめること | 意味 |
|---|---|
| 安静時の呼吸数 | 寝ているときの数が増えていないか |
| 運動を嫌がるか | すぐ疲れる、途中で座り込む |
| 咳のあと | 痰を出すような仕草があるか |
| 舌の色 | 青みがかっていないか |
| お腹 | 膨らんできていないか |
| 聴診 | 心臓の雑音がないかを確かめてもらう |
自宅で確かめられるいちばん有効なものが安静時の呼吸数です。
眠っているとき、静かに横になっているときに胸が上下する回数を15秒数えて4倍する——
それを、何日か続けて記録してみてください。
ふだんよりはっきり多くなっているならそれは受診の理由になります。
気道の問題だけなら安静にしているときの呼吸数はふつう変わりません。
「咳だから、気道だろう」と決めつけない——
そこが、高齢の犬の咳でいちばん大切な点です。
両方あることも、あります
そして、やっかいなことに心臓の問題と気道の問題が同時にあることも珍しくありません。
高齢になればどちらも起こりやすくなるのですから当然といえば当然です。
そうなると「どちらが咳の主な原因か」を見極めることが必要になります。
心臓の薬を使ってみて咳が減るかどうかを見る——そうした進め方がとられることもあります。
だからこそ、咳の回数を記録しておくことに意味があります。
「なんとなく減った気がする」では判断できないからです。
咳の出どころを、整理します
ここまで、のどと気道の病気をいくつか見てきました。
咳という同じ症状でも出どころによって特徴が違います。
| 特徴 | 考えられること |
|---|---|
| 吸うときにゼーゼー、声が変わる | 喉頭麻痺(大型犬に多い) |
| 吐くときにガーガー | 気管虚脱(小型犬に多い) |
| えずいて、白い泡を出す | 咽頭炎 |
| 湿った咳が続く、痰がからむ | 気管支炎 |
| 他の犬と接触後、急に始まった | ケンネルコフなどの感染症 |
| 夜間・明け方に強く、疲れやすい | 心臓の病気も考える |
それぞれ詳しく解説しています。
- 吸うときに鳴るなら——喉頭麻痺の記事
- 吐くときにガーガー鳴るなら——気管虚脱の記事
- えずきや飲み込みにくさなら——咽頭炎の記事
- 他の犬と接触したあとなら——ケンネルコフの記事
- 鼻水も続いているなら——副鼻腔炎の記事
- いずれも、動画があると判断が早まります
そして、これらは重なることもあります。
気管虚脱のある犬が気管支炎も起こしている——
そういう場合には両方に手を打つ必要が出てきます。
気道が狭い犬はもともと粘液を出しにくい——
だから、気管支炎も長引きやすくなります。
逆に、気管支炎で咳が増えれば気管への負担も増える——
ここでも、互いを悪くする関係ができてしまうのです。
「どちらの病気か」ではなく「両方あるかもしれない」という見方を持っておいてください。
原因が分からないことも、あります
この病気で正直に書いておきたいことがあります。
慢性の気管支炎でははっきりとした原因が特定できないことも多いとされています。
調べても「これが原因です」と言えないまま治療を始めることがある——
- 細菌やウイルスの感染が背景にあることがある
- アレルギーが関わっていることもある
- 煙やホコリなど、環境からの刺激の積み重ね
- 気管虚脱など、もともとの気道の問題
- 心臓や、ほかの病気が背景にあることも
- そして、特定できないことも少なくない
「原因が分からない」と聞くと不安になられると思います。
けれど、それは「打つ手がない」という意味ではありません。
炎症を抑え、気道を広げ、粘液を出しやすくする——
そうした治療で咳を減らすことはできます。
とくに、シニア犬に発症しやすいとされており年齢とともに気道が変化していくこと自体が背景にあると考えられています。
そして、原因が特定できない場合にもやるべき検査はあります。
ほかの重い病気を除いておくためです。
- レントゲンで、肺や心臓の大きさを見る
- 血液検査で、炎症や全身の状態を調べる
- フィラリアの予防をしているか確認する
- 必要なら、気道の中を内視鏡で見る
- 採取した液を培養して、菌を調べる
- 心臓の雑音がないか、聴診で確かめる
「原因は分かりませんでした」という結論にも「重い病気ではなかった」という意味が含まれています。
そこが確かめられていれば落ち着いて管理していけます。
治療——薬と、吸入

治療は原因の見立てに応じて組み立てられます。
| 方法 | 使う場面 |
|---|---|
| 抗生物質 | 細菌感染が疑われる場合 |
| 抗真菌薬 | 真菌が原因の場合 |
| 少量のステロイド | アレルギー性が疑われる場合に有効 |
| 気管支拡張剤 | 慢性では、継続して使うことも有効 |
| 咳止め | 咳による刺激を抑える |
| 吸入療法 | 薬剤や湿気を、直接気管支へ届ける |
吸入療法——ネブライザーと呼ばれる機器を使います。
薬剤や湿気を細かい霧にして直接気管支に届ける——
気管支の炎症を和らげ、粘液の排出を助けるという働きがあります。
飲み薬は血液に乗って全身をめぐったうえで気道に届きます。
一方、吸入ならその場所へまっすぐ届く——
全身への影響を抑えながら必要な場所に効かせられる——そこが、この方法の利点です。
🩺 治しきるより、抑えて過ごす
慢性の気管支炎は「治しきる」というより「うまく付き合う」病気です。
薬を続けているあいだ咳が減り、やめると戻ってくる——
そういう経過をたどることが少なくありません。
「なかなか治りませんね」ではなく「この量で、この程度に抑えられている」ととらえてください。
咳の回数を記録しておくとその判断がしやすくなります。
暮らしのなかで、できること
環境を整えることがこの病気でも大きく効きます。
| 項目 | 工夫 |
|---|---|
| 湿度 | 加湿する。乾いた空気は咳を強くする |
| 温度 | 明け方の冷え込みを避ける |
| 煙・香り | たばこ、スプレー、アロマを遠ざける |
| ホコリ | 寝床をこまめに洗う。掃除を丁寧に |
| 散歩の道具 | 首輪をやめ、ハーネスにする |
| 体重 | 増えているなら、落とす |
とくに、夜の環境を見直してみてください。
寝る場所が床に近く、冷たい空気がたまる位置にないでしょうか。
暖房で空気が乾ききっていないでしょうか。
加湿器を置く、寝床を少し高くする、明け方に暖房が入るようにしておく——
そうした調整で夜の咳が減ることがあります。
そして、たばこの煙——
同じ部屋で吸わなくても衣類や髪についた成分が犬の気道を刺激すると考えられています。
慢性の咳が続いているならそこも見直す価値があります。
掃除の仕方にも工夫の余地があります。
掃除機をかけるとその瞬間はホコリが舞い上がります。
犬を別の部屋へ移してからかける、そのあとしばらく空けてから戻す——
そうした順番だけでも吸い込む量が変わります。
そして、寝床——
顔を埋めて眠る場所ですからいちばん近くで空気を吸っていることになります。
こまめに洗い、干して乾かす——地味ですが効く工夫です。
急ぐべきサイン
次のような状態はすぐに受診してください。
- 舌や歯ぐきが、青紫や白っぽい
- 安静にしているのに、呼吸が速く浅い
- 座ったまま、首を伸ばして呼吸している
- 咳が止まらず、ぐったりしている
- 熱があり、食欲がない
- ピンク色の泡を吐いた
とくに、ピンク色の泡——
肺に水がたまっている可能性を示す、急を要するサインです。
夜間でも受診してください。
運ぶときには首を締めず、興奮させず、静かに——
呼吸が苦しい犬は自分でいちばん楽な姿勢を選んでいます。
無理に抱きかかえて体勢を変えないようにしてください。
よくある質問
Q. 気管支炎とはどんな病気ですか?
A. のどより下、枝分かれした細い気道で炎症が起きる病気です。粘膜が腫れて粘液が増えるため、湿った咳や痰がからむ音が出やすくなります。咳のあと、飲み込むような仕草をすることもあります。
Q. なぜ夜と明け方にひどくなるのですか?
A. 横になっているあいだ、粘液がたまりやすくなるためです。明け方の冷え込みや、暖房による空気の乾燥も重なります。起きて動き出すと治まるのは、たまったものを出しきったからで、炎症が消えたわけではありません。
Q. 高齢の犬の咳で、注意することはありますか?
A. まず、心臓の病気でないかを確かめることが大切です。心臓の働きが落ちると肺に水分がたまりやすくなり、咳として現れることがあります。安静時の呼吸数を数えて記録しておくと、有力な手がかりになります。
Q. 安静時の呼吸数は、どう数えますか?
A. 眠っているときや静かに横になっているときに、胸が上下する回数を数えます。15秒数えて4倍すれば1分あたりの数になります。何日か続けて記録し、ふだんより明らかに多くなっていれば受診の理由になります。
Q. 原因は特定できるのですか?
A. 慢性の気管支炎では、はっきりした原因が特定できないことも多いとされています。ただし、それは打つ手がないという意味ではありません。炎症を抑え、気道を広げ、粘液を出しやすくすることで咳は減らせます。
Q. 吸入療法とは何ですか?
A. ネブライザーで薬剤や湿気を霧にして、直接気管支へ届ける方法です。気管支の炎症を和らげ、粘液の排出を助けます。全身への影響を抑えながら、必要な場所に効かせられるのが利点です。
Q. 薬をやめると、また咳が出ます
A. 慢性の気管支炎は「治しきる」より「うまく付き合う」病気です。「治りませんね」ではなく「この量で、この程度に抑えられている」ととらえてください。咳の回数を記録しておくと、その判断がしやすくなります。
まとめ|夜の咳を、数えてください
気管支炎の咳は夜と明け方に強くなります。
そして、起きて動き出すと治まる——
だから、「大したことはない」と受け取られやすいのです。
けれど、治まっているのはたまったものを出しきったからであって炎症は続いています。
そして、高齢の犬では同じ症状が心臓の病気でも起こります。
「咳だから、のどだろう」と決めつけないでください。
眠っているときの呼吸数を数える——
それだけのことでも大きな手がかりになります。
この病気は治しきるというより抑えて過ごしていくものです。
だからこそ、咳の回数を記録しておいてください。
「効いているのか、変わらないのか」が見えるようになります。
数えるのは数日でかまいません。
「夜中に3回、明け方に5回」——
それだけの情報が「ときどき咳をします」よりずっと役に立ちます。
そして、眠っているときの呼吸数もあわせて記録しておいてください。
今日できる3つ
- 1今夜、咳の回数を数えて記録する
- 2眠っているときの呼吸数を、15秒数えて4倍する
- 3寝床の温度と湿度を見直す
夜の咳は、朝には治まります。治まったから大丈夫、ではありません。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の気管支炎|夜と明け方の咳を、聞き逃さないでください」でした。
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