ネコの病気    猫の三叉神経麻痺|口が閉じなくても、多くは治ります

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猫の三叉神経麻痺|口が閉じなくても、多くは治ります
三叉神経麻痺
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の三叉神経麻痺|口が閉じなくても、多くは治ります」です。ではどうぞ!

口が、あんぐり開いたままになっている。

よだれが垂れ、食べようとしてもこぼしてしまう。

この見た目には、驚かれると思います。

けれど三叉神経麻痺の多くは、2〜4週間ほどで自然に治ります。効く薬はありませんが、そのあいだ食べさせてあげられれば、乗り越えられる病気です。

結論

三叉神経麻痺が起こると下顎を自分で閉じることができなくなり、口が開きっぱなしになります。主な症状は常に口が開いている(下顎下垂)、涎を垂らす、食事や飲水が困難になること、頭の筋肉が痩せることです。三叉神経麻痺に対する効果的な治療方法はなく、ステロイド剤などの消炎剤を投与しても効果が見られないことから、無治療で経過観察をしつつ、食事の補助などを行います。顎を閉じることができなくなるため自分で食事を摂ることは難しくなりますが、舌は動かせるため、飼い主さんが補助してあげることで摂食は可能になります。食事はドライフードのままよりも、ふやかしたりウェットタイプにして小さな団子状にすることで食べこぼしが減り、口の奥へ運びやすくなります。脱水や体の痩せ具合がひどくなる場合には、食道チューブや胃チューブなどを設置してチューブから食事を入れることも視野に入れなければなりません。多くの場合は食事の補助で対応でき、2〜4週間ほどで自然に症状が改善します。

この記事でわかること

  • 口が、閉じられなくなります
  • 顔面神経麻痺とは、別のものです
  • 効く薬は、ありません
  • けれど、多くは自然に治ります
  • その間、食べさせることが仕事です
  • 水分を、切らさないでください
  • 目にも、気をつけてください
  • こんなときは、別の病気を考えます

口が、閉じられなくなります

どんな症状か
あごが、閉じられません。

まず、何が起きているのかから。

あごを持ち上げる力が、失われます

三叉神経麻痺が起こると、下顎を自分で閉じることができなくなり、口が開きっぱなしになります。

あごを閉じる筋肉は、三叉神経が動かしています。

その指令が届かなくなると、あごが重力で下がったままになります。

よだれと、食べにくさが出ます

主な症状は常に口が開いている(下顎下垂)、涎を垂らす、食事や飲水が困難になること、頭の筋肉が痩せることです。

口が閉じないので、よだれが垂れ続けます。

食べ物をくわえられないので、こぼしてしまいます。

そして噛む筋肉が使われないため、頭の横が痩せてきます。

元気は、あります

ここが大事なところです。

意識も、元気も、ふつうにあります。

歩けますし、遊ぼうともします。

食べたいのに食べられない——それが、この猫の状態です。

顔面神経麻痺とは、別のものです

よく混同されるものがあります。

動かす場所が、違います

顔面神経麻痺顔の表情をつくる筋肉が動かなくなる病気です。

まばたき、耳の動き、口の端——そういう細かい動きが止まります。

いっぽう三叉神経はあごを閉じる、噛むという力の要る動きを担当しています。

どちらも自然に治ることが多い点は共通しています
三叉神経麻痺 顔面神経麻痺
いちばんの症状 口が閉じられない まばたきができない
左右 両側に出ることが多い 片側に出ることが多い
食べられるか くわえられず、補助が要る 食べられるが、こぼしやすい
顔つき 口が開いたまま 耳が垂れ、口の端が下がる
見通し 多くは2〜4週間で改善 多くは2〜6週間で改善

感覚も、担当しています

三叉神経は顔の感覚も運んでいます。

だから、麻痺すると顔の感覚も鈍くなります。

そこには、目の表面の感覚も含まれます。

これがのちのち、問題になることがあります。

効く薬は、ありません

正直に書きます。

消炎剤も、効きません

三叉神経麻痺に対する効果的な治療方法はなく、ステロイド剤などの消炎剤を投与しても効果が見られないとされています。

薬で治す病気ではないということです。

「何もしてくれないのか」と思われるかもしれません。

けれど、することはあります

無治療で経過観察をしつつ、食事の補助などを行います。

薬はないけれど、やることはある——そういう病気です。

そして、その「やること」が結果を決めます。

飼い主さんの手が、いちばんの治療になります。

けれど、多くは自然に治ります

見た目と予後
驚くほど、予後はよいのです。

ここが、いちばん伝えたいことです。

二週間から四週間です

多くの場合は食事の補助で対応でき、2〜4週間ほどで自然に症状が改善します。

一か月かからずに戻ることが多いということです。

見た目の衝撃とは、ずいぶん違う見通しです。

だから、支えることに集中します

治るまでのあいだ、体を保たせる——

それが、この病気での目標になります。

痩せさせない、脱水させない。

その二つを守れば、時間が解決してくれます。

回復の目印になること

戻ってきているかどうかは、こんなところに現れます。

よだれの量が、減ってきた。

食べこぼしが、少なくなってきた。

口が、以前より閉じている時間が増えた。

自分で食べようとする回数が、増えてきた。

戻ってくるのは、少しずつです

ある日突然、閉じるようになるわけではありません。

だんだん、閉じる力が戻ってきます。

よだれが減ってきた、こぼす量が減ってきた——

そういう小さな変化が、回復の印です。

その間、食べさせることが仕事です

食べさせ方
舌は、動いています。

ここからは、具体的な方法です。

舌は、動いています

顎を閉じることができなくなるため自分で食事を摂ることは難しくなりますが、舌は動かせるため、飼い主さんが補助してあげることで摂食は可能になります。

これは、大きな救いです。

口の奥まで運んでやれば、あとは自分で飲み込めます。

形を、変えてください

食事はドライフードのままよりも、ふやかしたりウェットタイプにして小さな団子状にすることで食べこぼしが減り、口の奥へ運びやすくなります。

粒のままでは、こぼれてしまいます。

まとまった団子にするのがこつです。

  • ドライフードは、ぬるま湯でふやかす
  • あるいは、ウェットタイプに替える
  • 小さな団子状に、まとめる
  • 舌が届く、口の奥に置く
  • あわてず、飲み込むのを待つ
  • 一度に多くせず、少しずつ何度も

量と回数を、記録してください

どれだけ食べられたかを書いておいてください。

「食べた気がする」では、足りているか分かりません。

体重も、毎日はかってください。

減り続けるなら、相談する材料になります。

難しければ、チューブという方法もあります

脱水や体の痩せ具合がひどくなる場合には、食道チューブや胃チューブなどを設置してチューブから食事を入れることも視野に入れなければなりません。

チューブと聞くと、重い処置に思えると思います。

けれど数週間を乗り切るための、確実な方法でもあります。

無理に口から入れて疲れさせるより、そのほうが猫も楽なことがあります。

食べさせるときの姿勢

やり方しだいで、ずいぶん楽になります。

一日に何度も行うので、疲れない形を見つけてください
こうする なぜか
猫を、しゃがませた姿勢で あお向けにすると、むせやすい
後ろから、そっと頭を支える 正面からだと、猫が身構える
口の横から、奥へ入れる 正面より、横のほうが入れやすい
一度に少しずつ 多いと、こぼれてむせる
終わったら、口を拭く 汚れが残ると、皮膚が荒れる

猫が嫌がるなら、無理をしないでください。

回数を増やして、一回を短くするほうが続けられます。

水分を、切らさないでください

食べることと同じくらい、水が大事です。

水は、すくえません

猫は舌で水をすくって飲みます。

けれど口が閉じられないと、その動きがうまくいきません。

飲んでいるように見えて、入っていないことがあります。

だから、こちらから入れます

シリンジ(針のない注射器)を使う方法があります。

少量ずつ、口の横から入れてあげてください。

一気に入れると、むせます。

そしてウェットフードには水分が含まれています。食事から取れる分も、大きいものです。

脱水のサインを、覚えておいてください

脱水は、食べられないこと以上に急ぎます
確かめ方 こうなっていたら
尿の量 減っている、色が濃い
歯ぐき 乾いて、べたついている
背中の皮膚 つまんで戻るのが遅い
元気 ぐったりして、動かなくなる
落ちくぼんで見える

これらが出たら、その日のうちに受診してください。

点滴で、立て直せます。

目にも、気をつけてください

見落とされやすい点です。

顔の感覚が、鈍くなります

三叉神経は顔の感覚も運んでいます。

目の表面の感覚も、この神経が担当しています。

だから、麻痺すると目の異常に気づけなくなります。

痛みを、感じません

ごみが入っても、傷ができても、痛がりません。

猫が気にしていないから大丈夫——とは言えなくなるのです。

そして角膜潰瘍気づかれないまま進むことがあります。

あわせて、口の中も見てください

口が開いたままだと、口の中も乾きます。

  • 舌や歯ぐきが、乾いていないか
  • 口の中に、食べ物が残っていないか
  • 口のまわりの皮膚が、荒れていないか
  • においが、強くなっていないか
  • 舌の色が、白っぽくなっていないか

食後に口のまわりを拭き、残ったものを取ってあげてください。

よだれで濡れたままだと、皮膚が荒れます。

だから、こちらから見てください

毎日、黒目を見てください。

濁っていないか、目やにが増えていないか。

受診のときにも、目を診てもらってください。

「痛がらないから平気」ではない——この病気では、そこが逆になります。

⚠ こんなときは、受診してください

水が飲めず、尿が減っている。

体重が、どんどん減っている。

ぐったりして、動かなくなった。

黒目が、白く濁ってきた。

自然に治るのを待つあいだも、この四つは待たないでください。

こんなときは、別の病気を考えます

見ておくこと
待つあいだも、見ることがあります。

最後に、注意しておきたいことです。

片側だけなら、話が変わります

この病気は両側に出ることが多いものです。

両方のあごの筋肉が同時に弱るから、口が閉じられなくなります。

片側だけで、そちら側の頭の筋肉だけが痩せていく場合は、別の原因を考えることになります。

進行するなら、調べます

2〜4週間で改善するのが、この病気の経過です。

よくならない、むしろ進んでいる——

そのときは、画像検査などで調べてもらってください。

神経を圧迫しているものがないかを確かめることになります。

ほかの症状があれば、伝えてください

  • 頭が傾いている、ふらついている
  • まばたきができない
  • 片方の瞳だけ、小さい
  • けいれんしたことがある
  • ものにぶつかるようになった
  • 体重が、この病気の前から減っていた

ほかの神経の症状が重なっているなら、もっと広い範囲を調べる理由になります。

🩺 待つことの意味

「様子を見ましょう」と言われても、見捨てられたわけではありません。

この病気には、効く薬がないのです。

そして、多くは時間が治します。

そのあいだ体を保たせることが、治療そのものです。

この記事の要点

下顎を自分で閉じられなくなり、口が開きっぱなしになります。

効果的な治療方法はなく、消炎剤も効果が見られません。無治療で経過を見ながら、食事の補助を行います。

舌は動かせるため、補助してあげれば摂食は可能です。ふやかして小さな団子状にすると運びやすくなります。

多くの場合、2〜4週間ほどで自然に症状が改善します。

Q. 三叉神経麻痺とは、どんな病気ですか?

A. 下顎を自分で閉じることができなくなり、口が開きっぱなしになる病気です。涎を垂らす、食事や飲水が困難になる、頭の筋肉が痩せるといった症状が出ます。

Q. 元気はありますか?

A. 意識も元気もふつうにあります。歩けますし、食べたい気持ちもあります。食べたいのに食べられない、という状態です。

Q. 治療法はありますか?

A. 効果的な治療方法はありません。ステロイド剤などの消炎剤を投与しても効果が見られないため、無治療で経過観察をしつつ、食事の補助などを行います。

Q. 治りますか?

A. 多くの場合、2〜4週間ほどで自然に症状が改善します。見た目は衝撃的ですが、見通しは悪くありません。

Q. どうやって食べさせますか?

A. 舌は動かせるため、補助してあげれば摂食は可能です。ふやかしたりウェットタイプにして小さな団子状にすると、食べこぼしが減り、口の奥へ運びやすくなります。

Q. ドライフードのままではだめですか?

A. こぼれてしまいます。ぬるま湯でふやかすか、ウェットタイプに替えてまとまった団子状にしてください。

Q. 水はどうしますか?

A. シリンジで少量ずつ入れる方法があります。口が閉じられないと舌で水をすくえないため、飲んでいるように見えて入っていないことがあります。

Q. 食べさせられないときは?

A. チューブという方法があります。脱水や痩せ具合がひどくなる場合には、食道チューブや胃チューブを設置することも視野に入れます。

Q. チューブは、かわいそうではありませんか?

A. 数週間を乗り切るための確実な方法です。無理に口から入れて疲れさせるより、猫にとって楽なことがあります。

Q. よだれが多くて困ります

A. 口が閉じられないためです。口のまわりを拭き、皮膚が荒れないようにしてください。回復とともに、減っていきます。

Q. 顔面神経麻痺とは違いますか?

A. 別のものです。顔面神経麻痺ではまばたきができなくなりますが、三叉神経麻痺では口が閉じられなくなります。

Q. 目にも影響しますか?

A. 顔の感覚が鈍くなります。目の表面の感覚も含まれるため、傷ができても痛がらないことがあります。毎日、黒目を見てください。

Q. よくならないのですが

A. 2〜4週間で改善しない場合は、調べてもらってください。とくに片側だけで進行する場合は、別の原因を考えることになります。

Q. 何を見ておけばよいですか?

A. 体重、水分、尿の量、そして目の状態です。毎日はかって記録しておくと、相談の材料になります。

Q. 再発しますか?

A. 一度治れば、くり返すことは多くありません。ただし気になることがあれば、そのつど相談してください。

Q. 回復してきたか、どう分かりますか?

A. よだれと食べこぼしが減ってきます。口が閉じている時間が増え、自分で食べようとする回数が増えてくるのも回復の印です。

まとめ|見た目に驚いても、乗り越えられます

口が閉じられず、よだれが垂れ続ける——

この見た目は、飼い主さんを不安にさせます。

けれど、三叉神経麻痺の多くは2〜4週間で自然に治ります。

効く薬はありません。けれど、それは打つ手がないという意味ではありません。

舌は動いています。

ふやかして、団子にして、口の奥へ運んであげれば、猫は自分で飲み込めます。

水を切らさず、体重を落とさない。

その二つを守ることが、この病気での治療です。

飼い主さんの手が、いちばんの薬になります。数週間だけのことです。支えてあげてください。

今日できる3つ

  • 1フードをふやかして、小さな団子状にしてみる
  • 2毎日、体重をはかって記録する
  • 3黒目に濁りがないか、あわせて確かめる

薬はなくても、できることがあります。食べさせることが、そのまま治療になります。

モフ@ペット好き

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