

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の尿管結石|詰まっているのに、尿は出続けます」です。ではどうぞ!
尿道閉塞という病気には
はっきりしたサインがあります。
「尿が出ていない」——
トイレを見れば分かります。
けれど、この病気は違います。
尿管結石——
腎臓から膀胱へ尿を運ぶ管が詰まる病気です。
そして、片側だけなら
尿は出続けます。
反対側のもう片方の腎臓が変わらず働いているからです。
だから、見ている飼い主にはほとんど気づけません。
そのあいだに詰まったほうの腎臓が
黙って失われていきます。
結論
尿管結石では症状が非特異的で、嘔吐や元気がないといった形で現れます。片側が狭窄・閉塞している場合は尿は排泄されるため、体調に変動があっても飼い主が気づきにくいのが特徴です。閉塞により腎臓と尿管に尿が逆流してたまると、画像診断で水腎症として確認されます。内科的治療では点滴と、尿管を弛緩させる薬で結石を膀胱へ押し流すことを試みますが、猫は尿管が非常に細いため成功率は高くありません。SUBシステムは、専用の器具を用いて尿管を迂回し腎臓と膀胱を直接つなぐ手術で、結石が複数ある場合、狭窄が広範囲の場合、急性尿毒症が重度で手術時間が限られる場合などに用いられます。
この記事でわかること
- ✓尿は、出続けます
- ✓症状は「吐く」「元気がない」だけです
- ✓片方が黙って、壊れていきます
- ✓画像でしか、見つかりません
- ✓猫の尿管は、細すぎます
- ✓押し流すか、迂回させるか
- ✓見つけるには、先に見に行くしかありません
尿は、出続けます

同じ「詰まる」でも
場所が違うと見え方がまったく変わります。
| 尿道閉塞 | 尿管結石 | |
|---|---|---|
| 詰まる場所 | 膀胱から外への出口 | 腎臓から膀胱への管 |
| 尿は出るか | まったく出なくなる | 片側なら、出続ける |
| 気づけるか | トイレで分かる | ほとんど気づけない |
| 症状 | いきむ、鳴く、ぐったり | 嘔吐、元気がない |
| 進み方 | 1〜2日で命に関わる | じわじわ腎臓が失われる |
| 見つかり方 | 症状で受診する | 別の検査で偶然、または進んでから |
片側が狭窄・閉塞している場合は
尿は排泄されるため
体調に変動があっても飼い主が気づきにくいのです。
「トイレにはふつうに行っています」——
それが、この病気では安心材料になりません。
腎臓が2つあることが
ここでは裏目に出てしまうのです。
予備があることはふだんはありがたい——
けれど、この病気では
その予備が異変を隠してしまいます。
症状は「吐く」「元気がない」だけです

この病気で出てくる症状は
非特異的——
つまり、「その病気らしさ」がないということです。
- 嘔吐——泌尿器の病気には見えない
- 元気がない——はっきりしない
- 食欲が落ちる——ほかの病気でも起きる
- 体調に波がある——よくなったり悪くなったり
- 腰のあたりを触ると嫌がることがある
- どれも「尿の病気」を思わせない
「吐いている」と聞けば
まず胃腸を思い浮かべます。
「元気がない」だけでは
どこを調べればよいかも分かりません。
だから、この病気は
症状からたどり着くことが難しいのです。
「吐き止めをもらって落ち着いた」——
そうやって何度かやり過ごしてしまうことがあります。
そのあいだにも詰まりはそのままです。
「波がある」ことを、伝えてください
体調に変動がある——
よくなったり悪くなったり——
これは、伝える価値のある情報です。
「先週も同じように吐いていました」
「月に何度かこうなります」——
繰り返しているということが調べる理由になります。
片方が黙って、壊れていきます

ここが、この病気でいちばんつらいところです。
閉塞により腎臓と尿管に尿が逆流してたまると
画像診断で水腎症として確認されます。
| 段階 | 起きていること |
|---|---|
| 尿管が詰まる | 腎臓でつくった尿が、流れなくなる |
| 逆流する | 腎臓と尿管に、尿がたまっていく |
| 水腎症 | 腎臓が、たまった尿で膨らむ |
| 圧がかかる | 腎臓の組織が押しつぶされていく |
| 働けなくなる | その腎臓の機能が、失われていく |
| そのあいだ | もう片方が支えるので、症状は出ない |
腎臓は2つあります。
だから、片方が止まっても
もう片方が働き続けます。
体は困りません。
けれど、詰まったほうの腎臓は
その間ずっと押しつぶされ続けているのです。
そして、一度失われた腎臓は
詰まりを取っても元には戻りません。
だから、早さがそのまま残る機能になります。
⚠ 片方が終わってから、症状が出ます
この病気で症状が出るのは
両方が詰まったとき——
あるいは、片方がすでに失われているところに
もう片方が詰まったとき——
そのときには急性の腎不全になります。
「急に悪くなった」ように見えて実は長く進んでいた——
そういう病気です。
画像でしか、見つかりません
この病気を見つけるには
画像検査が必要になります。
| 調べること | 分かること |
|---|---|
| 超音波(エコー) | 腎臓が膨らんでいないか(水腎症) |
| レントゲン | 石が写ることがある |
| 血液検査 | 腎臓の数値が上がっていないか |
| 尿検査 | 結晶や血が出ていないか |
| 組み合わせて | 詰まっている場所と程度を判断する |
| 片側だけなら | 血液の数値は正常なこともある |
とくに覚えておいてほしいのが
「片側だけなら血液検査は正常なことがある」という点です。
もう片方が頑張っているので
全体としては足りている——
だから、数値に出てこないことがあります。
血液検査で問題なしと言われても
この病気が否定されたわけではありません。
見るなら、画像です。
偶然、見つかることがあります
この病気は別の理由で受けた検査から
見つかることがあります。
- 健康診断のエコーで、腎臓の膨らみが見つかった
- 別の病気を調べていて、石が写った
- 手術前の検査で、分かった
- 腎臓の左右の大きさが違うことから疑われた
- いずれも、症状で受診したわけではない
- つまり、見に行かなければ見つからなかった
「たまたま見つかった」——
それは、運がよかったということです。
そして、その運は
「検査を受けた」という行動がつくったものです。
症状のない病気を見つける方法は
それしかありません。
だから、健康診断でお腹を見てもらうことには
この病気を見つけるという意味もあります。
猫の尿管は、細すぎます
治療を難しくしている理由がひとつあります。
猫は尿管が非常に細い——
内科的治療では点滴と、尿管を弛緩させる薬で
結石を膀胱へ押し流すことを試みます。
けれど、猫は尿管が非常に細いため成功率は高くありません。
- 細い管を、石が通り抜けるのは難しい
- 薬で広げようとしても、限りがある
- 待っているあいだにも、腎臓は傷んでいく
- だから、外科的な方法が選ばれることが多い
- ただし、手術も簡単ではない
- 細い管を扱う、負担の大きな処置になる
「まず薬で試しましょう」と
言われることもあります。
それは、手術を避けられるならそのほうがよいからです。
けれど、待てる時間には限りがあります。
「いつまで様子を見ますか」——
それも、聞いておきたいことです。
待てる時間には、限りがあります
「様子を見ましょう」と言われたときに
確かめておきたいのが「どこまで待つか」です。
- 詰まっているあいだ、その腎臓は傷み続ける
- 待った時間は、そのまま失われた機能になる
- けれど、手術にも負担がある
- だから、期限を決めて様子を見る
- 「いつ再検査しますか」を聞いておく
- その日に、必ず行く
この病気でいちばん避けたいことは
「様子を見る」がそのまま忘れられることです。
猫が元気そうだと
再検査に行かなくなってしまいます。
けれど、元気なのはもう片方が支えているから——
その裏で進んでいます。
カレンダーに再検査の日を書いておいてください。
それだけで忘れずに済みます。
押し流すか、迂回させるか

治療にはいくつかの方向があります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 内科的治療 | 点滴と薬で、石を膀胱へ押し流すことを試みる |
| その限界 | 猫は尿管が非常に細く、成功率は高くない |
| 外科手術 | 石を取り出す、尿管をつなぎ直すなど |
| SUBシステム | 尿管を迂回し、腎臓と膀胱を直接つなぐ |
| 選ばれる場面 | 石が複数、狭窄が広範囲、急性尿毒症が重度のとき |
| そのあと | 定期的な管理が必要になる |
SUBシステムは専用の器具を用いて
尿管を迂回し腎臓と膀胱を直接つなぐ手術です。
詰まった管を通そうとするのではなく
別の道をつくってしまう——
そういう考え方です。
細い管を無理に通そうとするより
確実に尿を流せる——
そこに意味があります。
結石が複数ある場合狭窄が広範囲の場合
急性尿毒症が重度で手術時間が限られる場合などに
用いられます。
🩺 紹介になることがあります
この病気の手術はどこでもできるものではありません。
細い管を扱う専用の器具が要る——
だから、紹介という形になることがあります。
「うちではできないので」と言われたとしても
見放されたのではありません。
できる場所へつないでもらえるということです。
手術のあとも、続きます
石を取ったあるいは迂回路をつくった——
それで終わりではありません。
| そのあと | 必要になること |
|---|---|
| 定期的な検査 | 再発していないか、画像で見ていく |
| 腎臓の数値 | どこまで戻ったかを確かめる |
| 器具を入れた場合 | 詰まりや感染がないか、管理していく |
| 食事 | 石の種類に合った内容を続ける |
| 水分 | 新しい石をつくらせないために |
| もう片方 | そちらに石ができないか、見ていく |
石ができやすい体質は残っています。
片方を治したとしても
もう片方にできることがあります。
だから、そのあとも見ていくことになります。
見つけるには、先に見に行くしかありません
この病気は症状で気づけません。
ならば、どうするのか——
先に見ておくしかありません。
- 健康診断で、腹部のエコーを受ける
- 結石ができたことがあるなら、とくに
- 高齢になったら、検査の間隔を見直す
- 「吐く」が続くなら、腎臓も調べてもらう
- 体調に波があるなら、そのことを伝える
- 血液検査が正常でも、画像は別に見る
とくに、一度でも膀胱結石ができた猫では
石ができやすい体質があるということです。
膀胱だけではなく尿管にもできうる——
だから、定期的に見ておく価値があります。
「膀胱の石は溶けました」で
終わりにしないでください。
石をつくる体質はそのまま残っています。
そして、水分——
石をつくらせないことが
いちばんの予防です。
水を増やすことが、なぜ効くのか
「水を飲ませて」と言われるのには
はっきりした理由があります。
| 起きること | 効果 |
|---|---|
| 尿が薄くなる | 成分が溶けきり、結晶ができにくい |
| 尿の量が増える | 小さな結晶が、流されていく |
| ためこまない | とどまる時間が短くなる |
| 結果として | 石になる前に、外へ出ていく |
| 方法 | ウェットフードで、食事から入れるのが確実 |
| あわせて | 器の数と場所を見直す |
石はある日突然できるものではありません。
小さな結晶が集まって大きくなっていく——
その途中で流してしまえば
石にはなりません。
だから、毎日の水が効くのです。
よく吐くことを、当たり前にしない
猫はよく吐く動物だと思われています。
けれど、それがこの病気を隠してしまいます。
| こんな吐き方 | 考えること |
|---|---|
| 毛玉を吐く | 吐いたあと、けろりとしている |
| 吐いたあとも元気がない | 体のなかに原因がある |
| 週に何度も吐く | 回数を数えて、伝える |
| 食欲も落ちている | 受診したい状態 |
| 体重が減ってきた | 調べてもらう理由になる |
| 波がある | 繰り返していることを、必ず伝える |
「うちの子はよく吐くから」——
その一言で片づけないでください。
回数を数えてみると
思っていたより多いことがあります。
その数字が受診の理由になります。
「週に2回は吐いています」と言えれば
調べる方向が決まりやすくなります。
感覚を数字に——
それが、この病気でできるいちばんのことです。
よくある質問
Q. 尿管結石とは、どんな病気ですか?
A. 腎臓から膀胱へ尿を運ぶ管が、結石で詰まる病気です。詰まると腎臓と尿管に尿が逆流してたまり、画像診断で水腎症として確認されます。
Q. 尿は出なくなりますか?
A. 片側だけなら、出続けます。片側が狭窄・閉塞している場合は尿が排泄されるため、体調に変動があっても飼い主が気づきにくいのが特徴です。
Q. 尿道閉塞とは、どう違うのですか?
A. 詰まる場所が違い、見え方が正反対になります。尿道閉塞ではまったく尿が出なくなり、トイレで分かります。尿管結石では片側なら尿が出続けるため、ほとんど気づけません。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 症状は非特異的で、嘔吐や元気がないといった形で現れます。泌尿器の病気らしさがないため、症状からたどり着くことが難しい病気です。
Q. 血液検査で分かりますか?
A. 片側だけなら、正常なこともあります。もう片方の腎臓が働いているため、全体としては足りてしまうからです。見つけるには画像検査が必要になります。
Q. 薬で溶かせませんか?
A. 内科的治療では、点滴と尿管を弛緩させる薬で膀胱へ押し流すことを試みます。ただし、猫は尿管が非常に細いため、成功率は高くありません。
Q. SUBシステムとは何ですか?
A. 専用の器具を用いて、尿管を迂回し腎臓と膀胱を直接つなぐ手術です。結石が複数ある場合、狭窄が広範囲の場合、急性尿毒症が重度で手術時間が限られる場合などに用いられます。
Q. 紹介すると言われました
A. 細い管を扱う手術で、専用の器具が必要になるためです。見放されたのではなく、できる場所へつないでもらえるということです。
Q. 「様子を見ましょう」と言われました
A. 「いつ再検査しますか」を必ず聞いてください。詰まっているあいだ、その腎臓は傷み続けます。猫が元気そうに見えるのは、もう片方が支えているからです。期限を決めて、その日に必ず行ってください。
Q. 手術のあとは、もう安心ですか?
A. 石ができやすい体質は残ります。もう片方に石ができることもあるため、定期的な検査と、水分・食事の管理を続けることになります。
Q. どうすれば早く見つけられますか?
A. 症状では気づけないため、先に見ておくしかありません。健康診断で腹部のエコーを受けること、とくに一度でも結石ができたことがある猫では、定期的に見ておく価値があります。
まとめ|トイレがふつうでも、安心できません
この病気でいちばん伝えたかったことは
「尿が出ているから大丈夫」が通じないということです。
片側が詰まっていてももう片方が支えます。
そのあいだに詰まったほうの腎臓が
誰にも気づかれないまま静かに失われていきます。
だから、この病気だけは
症状を待たずに見に行ってください。
「よく吐く」のならなおさらです。
そして、見つかったとしても
それは遅かったということではありません。
もう片方を守れるということです。
そこに大きな意味があります。
残っている腎臓を守れるのなら
そのためにできることがまだあります。
今日できる3つ
- 1吐いた回数を、1か月数えてみる
- 2健康診断で「腎臓のエコーもお願いします」と伝える
- 3過去に結石ができたことがあるか、記録を確かめる
トイレでは分からない詰まりがあります。だからこそ、先に見に行ってください。

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