

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の急性腎不全|こちらは、戻る可能性があります」です。ではどうぞ!
昨日までふつうだったのに
急に食べなくなった——
よだれを垂らしている——
何度も吐いている——
そして、トイレの固まりが小さい——
あるいは、尿がまったくない——
そういうときには急いでください。
急性腎不全——
腎臓の働きが急に失われる状態です。
けれど、この病気にはひとつの希望があります。
慢性腎臓病と違って
初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性がある——
だから、時間がそのまま結果になります。
結論
急性腎不全では体の老廃物が尿として排泄できなくなることにより、よだれを垂らす、強い吐き気、繰り返す嘔吐、下痢、脱水、尿量が減るまたは尿が出なくなる、元気消失、食欲廃絶、意識が朦朧とする、けいれん発作などの症状を示します。ユリは、猫が花粉を舐める、葉、茎、花びらをかじる、ユリを挿していた水を舐めるだけで急性腎不全が起こる可能性があります。また尿路の結石や結晶尿による尿道閉塞、栓子と呼ばれる組織による閉塞、腫瘍による尿道閉塞が起こると、尿が生成されても排泄できないことによって急性腎不全を起こします。主な治療は輸液療法で、尿量が異常に少ない、あるいはない状態になった場合は尿カテーテルを設置し、尿量を管理しながら利尿剤などを使用します。症状は急速に進行するので命に関わる危険性が高い病気ですが、初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性があります。
この記事でわかること
- ✓慢性とは、一点だけ決定的に違います
- ✓尿が「減る」——慢性とは逆です
- ✓ユリは、家に置かないでください
- ✓尿を出せないことでも、起こります
- ✓症状は、急速に進みます
- ✓治療は、輸液と尿量の管理です
- ✓早さが、そのまま結果になります
慢性とは、一点だけ決定的に違います

同じ「腎不全」ということばでも
急性と慢性はまったく別の病気だと考えてください。
| 急性腎不全 | 慢性腎臓病 | |
|---|---|---|
| 起き方 | 急に、数日のうちに | 年単位で、ゆっくり |
| 尿の量 | 減る、出なくなる | 増える |
| 水を飲む量 | 飲めなくなることも | 増える |
| 回復 | 初期なら、可能性がある | 失われた機能は戻らない |
| 目標 | 戻すこと | 減らさないこと |
| 時間 | 一刻を争う | 年単位で付き合う |
慢性腎臓病では壊れた腎臓は戻りません。
けれど、こちらは違います。
初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性がある——
「戻せるかもしれない」という病気は
腎臓ではめずらしいことです。
だからこそ、その「初期」を逃さないでほしいのです。
そして、この2つはつながることもあります。
もともと慢性の腎臓病があった猫に
脱水や別の負担が重なって
急に悪くなる——
そういう起き方もあるのです。
⚠ 様子を見る時間がありません
この病気でいちばん避けたいことは
「明日、様子を見て」という判断です。
症状は急速に進行するため命に関わる危険性が高い病気です。
そして、戻せる時間は限られています。
吐き続けている尿が出ていないぐったりしている——
そのどれかがあるならその日のうちに向かってください。
尿が「減る」——慢性とは逆です

見分けの軸としていちばん分かりやすいのが尿の量です。
慢性腎臓病では尿が増えます。
けれど、急性では尿量が減る、または尿が出なくなります。
- トイレの固まりが、明らかに小さくなった
- 固まりの数が減った
- 今日はまだ、一度も尿をしていない
- トイレに行くのに、何も出ていない
- トイレの前で、うずくまっている
- 鳴きながら、いきんでいる
「尿が出ていない」——
これは、猫でいちばん急ぐ症状のひとつです。
体の老廃物が尿としては排泄できなくなる——
それが、この病気の体のなかで起きていることです。
捨てられなくなった老廃物が体にたまり
全身の症状を引き起こします。
トイレの固まりを、見る習慣を
猫の体調はトイレにいちばん早く出ます。
固まりの大きさと数——
これを見ておくだけで変化に気づけます。
大きくなってきたなら慢性の腎臓病を——
小さくなった、減ったなら急ぐ話を——
同じ「トイレ」から逆の情報が読めます。
ユリは、家に置かないでください

この病気の原因でもっとも防げるものがこれです。
ユリは猫が花粉を舐める、葉、茎、花びらをかじる、ユリを挿していた水を舐めるだけで
急性腎不全が起こる可能性があります。
| こんなことで | 起こりうる |
|---|---|
| 花粉を舐める | 体についた花粉を、毛づくろいで舐めても |
| 葉をかじる | 花だけでなく、葉も危険 |
| 茎をかじる | 同じく危険 |
| 花びらをかじる | 同じく危険 |
| 活けていた水を舐める | 水を舐めるだけでも起こりうる |
| だから | 「届かない場所に置く」では足りない |
「高いところに置けば大丈夫」——
そうとは言えません。
花粉は落ちます。
落ちた花粉が体につけば毛づくろいで口に入ります。
活けていた水も同じです。
だから、猫のいる家には
そもそも持ち込まない——
それがいちばん確実です。
もらった花束に入っていたということもあります。
贈られたときに中身を確かめてください。
詳しくはユリ中毒の記事もあわせてご覧ください。
尿を出せないことでも、起こります
もうひとつの大きな原因——
尿路の結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)や
結晶尿による尿道閉塞栓子と呼ばれる弾力性のある組織による閉塞
腫瘍による尿道閉塞が起こると
尿が生成されても排泄できないことによって急性腎不全を起こします。
- 腎臓は尿をつくっている
- けれど、出口が詰まっている
- 出せないので、体にたまる
- 結果として、腎臓が働けなくなる
- とくにオス猫は、尿道が細く詰まりやすい
- 「トイレに行くのに出ない」が最大のサイン
この場合腎臓そのものが最初に壊れたのではありません。
出口が塞がった結果腎臓が巻き込まれた——
だから、詰まりを取り除ければ
戻る可能性があります。
「トイレに何度も行くのに何も出ていない」——
これは、尿道閉塞を強く疑う場面です。
その日のうちに受診してください。
オス猫が、とくに危ない理由
閉塞という起き方には大きなかたよりがあります。
| オス猫 | メス猫 | |
|---|---|---|
| 尿道の形 | 細く、長い | 太く、短い |
| 詰まりやすさ | 詰まりやすい | 詰まりにくい |
| 結晶や栓子 | 途中で引っかかる | 通り抜けやすい |
| だから | 閉塞は圧倒的にオスに多い | 膀胱炎として出ることが多い |
| 見ておくこと | 尿が出ているかどうか | 血尿や頻尿 |
| 急ぐ度合い | 出ていないなら、その日のうちに | 続くなら、早めに |
オス猫を飼っているのなら
「トイレに行くのに出ていない」という場面を
覚えておいてください。
便秘だと思われることが多いのですが
尿のほうだった場合はまったく別の急ぎ方になります。
症状は、急速に進みます
この病気の症状は全身に出ます。
| 症状 | 起きていること |
|---|---|
| よだれを垂らす | 強い吐き気が出ている |
| 繰り返す嘔吐 | 老廃物がたまっている |
| 下痢 | 消化管も影響を受ける |
| 脱水 | 水分を保てなくなる |
| 尿量が減る・出ない | この病気の中心的な症状 |
| 元気消失、食欲廃絶 | まったく食べなくなる |
さらに進むと意識が朦朧とするけいれん発作などの症状が出てきます。
「よだれ」——
猫がよだれを垂らすのはふつうのことではありません。
強い吐き気や口のなかの痛みがあるときに出ます。
この病気ではたまった老廃物が口のなかにも影響します。
その先で起きてくることは尿毒症の記事にまとめています。
食べないことが、別の問題を呼びます
食欲廃絶——
まったく食べなくなるという症状には
それ自体の危険もあります。
- 猫は、数日食べないだけで肝臓に負担がかかる
- とくに、太っていた猫では起きやすい
- そこから、別の病気につながることがある
- だから「食べていない」も重要な情報
- 何日食べていないかを、数えておく
- 受診のときに、必ず伝える
「そのうち食べるだろう」——
猫ではこの考え方が通じません。
食べない日が続くこと自体が体を追いつめます。
だから、この病気では
「腎臓のこと」と「食べていないこと」の両方を診てもらうことになります。
治療は、輸液と尿量の管理です

急性腎不全の主な治療は輸液療法です。
ただし、重症度により行われる治療は異なります。
| 状況 | 行われること |
|---|---|
| 基本 | 輸液療法で、体を支える |
| 尿が出ている | 量を見ながら、輸液を進める |
| 尿が異常に少ない | 尿カテーテルを設置する |
| まったく出ない | 尿量を管理しながら、利尿剤などを使用 |
| 閉塞がある | 詰まりを取り除く処置が必要になる |
| いずれも | 入院での管理になることが多い |
重度の急性腎不全で尿が腎臓でほとんど作られなくなり
尿量が異常に少ない、あるいはない状態になった場合は
尿道から膀胱に尿カテーテルという管を設置し
尿量を管理しながら利尿剤などを使用します。
「いま、尿がどれだけつくられているか」——
それが、腎臓が働いているかどうかのいちばん確かな手がかりだからです。
🩺 入院をすすめられる理由
入院をすすめられることが多い病気です。
「連れて帰りたい」と思われるかもしれません。
けれど、この病気では尿量を見続けることが治療の一部です。
家ではできません。
そして、最初の数日が回復するかどうかを分けます。
そこをしっかり管理するための入院だと考えてください。
早さが、そのまま結果になります
この記事でいちばん伝えたいことは
「戻せる病気だから、急いでほしい」ということです。
症状は急速に進行するので命に関わる危険性が高い病気ですが
慢性腎臓病と違って初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性があります。
- 吐き続けている
- よだれを垂らしている
- 尿が出ていない、または明らかに少ない
- まったく食べない
- ぐったりして動かない
- ユリに触れた可能性がある
このどれかがあるなら
「明日まで様子を見る」をやめてください。
その一日が戻せるかどうかを分けることがあります。
受診のときに、伝えてほしいこと
原因を早く絞れると治療も早く始まります。
| 伝えること | なぜ大事か |
|---|---|
| いつから、どんな様子か | 急性かどうかの判断材料になる |
| 最後に尿を見たのはいつか | どれだけ出ていないかが分かる |
| ユリなどの植物が家にあるか | 原因が特定できることがある |
| 花束をもらわなかったか | 思い当たらない侵入経路になる |
| 薬や新しいものを与えたか | 薬剤が関わることもある |
| これまでの腎臓の数値 | もともと悪かったかが分かる |
とくに、「ユリが家にあったか」——
この一言で診断が大きく近づきます。
「かじったところは見ていない」としても
家にあったのなら伝えてください。
舐めるだけで起こりうるのですから
目撃していなくても起きていることがあります。
回復したあとに、見ていくこと
治療がうまくいって数値が戻った——
それで終わりとは限りません。
| そのあと | 考えること |
|---|---|
| 数値が戻った | まずは、いちばんよい結果 |
| ただし | 完全に元通りとは限らない |
| だから | その後も定期的に測っていく |
| 慢性へ移ることも | 傷んだ部分が残ることがある |
| 食事 | 腎臓に配慮した内容をすすめられることも |
| 再発の予防 | 原因が分かっているなら、そこを断つ |
一度大きく傷んだ腎臓は
そのぶん余力が減っていることがあります。
だから、そのあとは慢性腎臓病と同じ見方で付き合っていくことになります。
「治ったからもう来なくてよい」ではなく
「戻ったところから守っていく」——
そういう続き方をする病気です。
よくある質問
Q. 急性腎不全とは、どんな状態ですか?
A. 腎臓の働きが急に失われ、体の老廃物を尿として排泄できなくなる状態です。症状は急速に進行するため、命に関わる危険性が高い病気です。
Q. 慢性腎臓病とは、どう違うのですか?
A. 回復の可能性があるかどうかが、決定的に違います。慢性腎臓病では失われた機能は戻りませんが、急性腎不全は初期の段階で治療を行えば腎機能が回復する可能性があります。また、慢性では尿が増えますが、急性では減る・出なくなります。
Q. どんな症状が出ますか?
A. よだれを垂らす、強い吐き気、繰り返す嘔吐、下痢、脱水、尿量が減るまたは尿が出なくなる、元気消失、食欲廃絶などです。さらに進むと、意識が朦朧とする、けいれん発作といった症状も出ます。
Q. ユリは、そんなに危ないのですか?
A. 舐めるだけで起こりうるとされています。猫が花粉を舐める、葉、茎、花びらをかじる、ユリを挿していた水を舐めるだけで急性腎不全が起こる可能性があります。
Q. 高いところに置けば大丈夫ですか?
A. それでは足りません。花粉は落ちますし、落ちた花粉が体につけば毛づくろいで口に入ります。猫のいる家には持ち込まないことが、いちばん確実です。
Q. 尿が出ないのも、この病気ですか?
A. 閉塞から起こることがあります。尿路の結石や結晶尿による尿道閉塞、栓子による閉塞、腫瘍による尿道閉塞が起こると、尿が生成されても排泄できないことによって急性腎不全を起こします。
Q. 治療では何をしますか?
A. 主な治療は輸液療法です。尿量が異常に少ない、あるいはない状態になった場合は、尿道から膀胱に尿カテーテルを設置し、尿量を管理しながら利尿剤などを使用します。
Q. 入院が必要と言われました
A. 尿量を見続けることが、治療の一部だからです。家ではできません。最初の数日が回復するかどうかを分けるため、その期間をしっかり管理するための入院になります。
Q. オス猫のほうが危ないと聞きました
A. 閉塞から起きる場合は、圧倒的にオスに多くなります。オス猫の尿道は細く長いため、結晶や栓子が途中で引っかかりやすいからです。「トイレに行くのに出ていない」場面は、とくに注意してください。
Q. 治療で数値が戻れば、もう大丈夫ですか?
A. 完全に元通りとは限りません。一度大きく傷んだ腎臓は、余力が減っていることがあります。その後も定期的に測り、慢性腎臓病と同じ見方で付き合っていくことになります。
Q. 様子を見てもよいですか?
A. やめてください。症状は急速に進行し、戻せる時間は限られています。吐き続けている、尿が出ていない、ぐったりしているなら、その日のうちに受診してください。
まとめ|尿が出ていないなら、今日です
この病気で覚えておいてほしいことは2つです。
ひとつは「戻る可能性がある」ということ——
腎臓の病気でこれが言えることは多くありません。
もうひとつは「だから、急いでほしい」ということ——
戻せる時間は限られています。
そして、予防できる原因がひとつ——
ユリを、家に持ち込まないことです。
それだけで防げるのなら
今日からできます。
そして、オス猫を飼っているのなら
「トイレに行くのに出ていない」という場面を
頭の隅に置いておいてください。
その一場面が命につながることがあります。
今日できる3つ
- 1家にユリがないか、いま確かめる
- 2トイレの固まりの大きさと数を、見る習慣をつける
- 3「尿が出ていない」ときの連絡先を、調べておく
戻せる病気だからこそ、時間が惜しいのです。迷ったら、今日のうちに向かってください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の急性腎不全|こちらは、戻る可能性があります」でした。
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