犬の種類と特徴    ボーダーコリーの飼い方|賢さは、飼いやすさではない

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ボーダーコリーの飼い方|賢さは、飼いやすさではない
ボーダーコリーの飼い方
モフ@ペット好き

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ボーダーコリーの飼い方|賢さは、飼いやすさではない」です。ではどうぞ!

「犬種のなかで、もっとも賢い」——

ボーダーコリーは、そう紹介されることの多い犬種です。

そして、その言葉を「飼いやすい」という意味だと受け取ってしまう——

そこに、この犬種のいちばん大きな誤解があります。

賢いということは、「考える力が強い」ということ。

その力に使い道がなければ、どうなるか——

壁紙を剥がす。家具を噛み砕く。自分の尻尾を追い続ける——

「問題行動」と呼ばれるものの多くは、知的な飢餓から来ています。

この記事では、その飢えをどう満たすかと、牧羊本能との付き合い方を書いていきます。

結論

ボーダーコリーは常に「仕事」を求めている犬種です。その欲求が満たされないと、破壊行動や、同じ動作を繰り返す常同障害として現れます。運動だけでは足りません——頭を使う時間が必要です。そして牧羊本能——走る子どもや自転車を追うという形で出ることがあります。叱るより、別の出口を用意するほうが確実に効きます。

この記事でわかること

  • 賢さは、飼いやすさではない
  • 知的飢餓が生む、行動
  • 家庭でできる「仕事」の作り方
  • 牧羊本能が、家庭で出るとき
  • この犬種に、向いている人

賢さは、飼いやすさではない

まず、この誤解を解いておきたいと思います。

「賢い」ということの中身
「賢い」の意味 実際に起こること
覚えが早い 良いことも悪いこともすぐ覚える
考える力が強い 使い道がないと自分で探す
観察力が高い 家族の対応の違いを見抜く
集中力がある ひとつのことに執着しやすい
指示を理解する 教える側の一貫性が問われる

「覚えが早い」というのは、教えたいことだけを早く覚えるという意味ではありません。

教えたくないこと同じ速さで覚えます。

「吠えたら遊んでもらえた」「ここを噛んだら反応があった」——

一度の成功で、しっかり学習します。

⚠ 賢い犬ほど、退屈に弱いのです

考える力が強いということは、その力を使わない時間が苦痛だということでもあります。

人間でも、何もすることのない部屋に一日中いるのはつらい——それと同じことです。

この犬種にとって、「退屈」はもっとも大きなストレスになります。

知的飢餓が生む、行動

知的飢餓が生む行動
「賢い犬」は、使い道がないと壊れます。

頭を使う機会がないと、何が起きるのか——

知的飢餓の現れ方
段階 現れる行動 対応
初期 落ち着きがない・うろうろする 運動と刺激を増やす
進行 物を壊す・壁紙を剥がす 生活を見直す
執着 影や光を追い続ける 早めに専門家へ相談
常同障害 自分の尻尾を追い続ける 行動診療の対象になる
共通点 叱っても止まらない 原因は退屈にある

「自分の尻尾を追い続ける」「影を追い続ける」——

これらは、常同障害と呼ばれる状態になっていることがあります。

やめさせようとしても止まらない。何時間も繰り返す——

そこまで進むと、行動診療の対象になります。

「かわいい癖」だと思っているうちに手を打つことが大切です。

そして、これらの行動は定着すると戻すのが難しくなります。

「最近、影を追うようになった」と気づいた段階で、生活を見直してみてください。

その時点なら、運動と刺激を増やすだけで収まることも多くあります。

叱っても、止まりません

これらの行動を叱る——

この対応は、うまくいきません。

賢い犬にとって、叱られることも「反応がある」という刺激になりうるからです。

何も起きない時間より、怒られる時間のほうがまだ面白い——

そう判断されてしまえば、行動は増えます。

対策は「叱る」ではなく「退屈をなくす」ほうにあります。

家庭でできる「仕事」の作り方

家庭でできる「仕事」
特別な訓練でなくて構いません。考える時間があるかどうかです。

「仕事を与える」と聞くと、牧羊やドッグスポーツを想像するかもしれません。

そこまでの必要はありません。

家庭でできる「仕事」
やること 内容 時間
おやつ探し 部屋に隠して、においで探させる 10分
おもちゃの名前当て 名前を呼んで持ってこさせる 10分
新しい芸を教える 覚える過程そのものが報酬 5分を数回
室内の障害物遊び クッションでコースを作る 10分
課題を与える 「持ってくる」「待つ」など 散歩のなかで

1日15〜20分——

それだけで、この犬種の落ち着きははっきり変わります。

重要なのは、「犬が考える時間」があるかどうかです。

ただ走らせるだけでは、頭は使われません。

そして、この犬種は教えられること自体を喜びます。

「何かをやらせてもらえる」ことが報酬になる——

そういう犬種です。

だから、教える側にとっても楽しい時間になります。

「おすわり」で止めてしまうのは、この能力にはもったいない——

そう感じられるはずです。この犬種には、もっと難しいことを教える余地が十分に残されています。

留守番の時間を、どう使わせるか

知的飢餓がもっとも起こりやすいのが、留守番中です。

何もすることがない時間何時間も続く——

この犬種にとっては、大きな負担になります。

  • 知育トイにフードを詰めて置いておく
  • そのトイは、留守番のときだけ出す
  • 冷凍しておくと、時間がかかって長持ちする
  • 出かける前に、頭を使う遊びをしておく
  • 安心して過ごせる場所を作っておく
  • 長時間になる日は、預けることも検討する

「出かける前に、頭を使う遊びをしておく」——

これは、意外に効きます。

頭を使ったあとの犬は、満足して眠ります。

運動で疲れさせるより、頭を使わせるほうがこの犬種には効果的だと感じる飼い主も多いようです。

運動も、質が問われる

もちろん、運動も必要です。

1日2回、各1時間程度が目安になります。

  • ただ歩くだけでは、この犬種は満たされない
  • 速歩を混ぜる
  • 自由に走れる時間を作る
  • 散歩のルートを変えて、情報を増やす
  • におい嗅ぎの時間を、十分に取る
  • 運動と頭を使う時間の、両方が要る

ボール投げには注意点があります。

この犬種は、延々と追い続けます。

疲れていても、自分では止まりません。

そして、繰り返しすぎるとボールへの執着強くなりすぎることもあります。

回数を決めて、こちらから区切ってください。

牧羊本能が、家庭で出るとき

牧羊本能が家庭で出るとき
動くものを追うのは、この犬の仕事そのものです。

もうひとつの課題牧羊本能です。

動くものを見つけ、回り込み、方向をコントロールする——

それが、この犬の仕事でした。

牧羊本能が現れる場面
場面 起きること 対応
子どもが走る 回り込んで止めようとする 「呼び戻し」を確実にする
自転車・車 追いかける リードを絶対に外さない
他の犬 追い回して嫌われる ドッグランでは様子を見る
掃除機 執着して吠える 別室に入れておく
影・光 追い続けて止まらない 早めに専門家へ相談

とくに注意したいのが「走る子どもを追う」ことです。

回り込んで止めようとする——

犬にとっては「羊を誘導している」だけですが、

子どもは驚いて転びます。

ときには、軽く咬んで方向を変えようとすることもあります。

これは攻撃ではなく牧羊の動作ですが、咬まれた側にとっては同じことです。

本能を、遊びに変える

本能そのものを消すことはできません。

できるのは、別の出口を用意することです。

  • ボールやフリスビーで、追う欲求を満たす
  • ただし、回数を決めて区切る
  • 「持ってくる」までをセットで教える
  • 子どもと遊ばせるときは、必ず大人が見ている
  • 「呼び戻し」と「止まれ」を徹底する
  • ドッグスポーツという選択肢もある

「止まれ」教えておくことこの犬種ではとくに有用です。

牧羊犬は、もともと「動きを止める」指示に従うよう訓練されてきました。

その素質があります。

走り出す前に止められる——それが、安全を守る力になります。

そして、この指示は遊びのなかで教えられます。

ボールを追わせている途中で「止まれ」をかけ、止まれたらほめる——

楽しい場面のなかで教えるほうが確実に身につきます。

この犬種に、向いている人

向いている家庭と、難しい家庭
能力の高さは、そのまま要求の高さです。

正直に書けば、この犬種は人を選びます。

相性の目安
条件 向いている 難しい
時間 毎日、犬と向き合える 日中ずっと留守
運動 1日2時間確保できる 散歩だけで済ませたい
関わり方 教えることを楽しめる 手をかけずに飼いたい
経験 犬を飼った経験がある 初めて犬を飼う
求めるもの 一緒に何かをしたい 静かに寝ている犬がいい

「賢いから飼いやすい」という理由で迎えると、ほぼ確実に苦労します。

逆に、「一緒に何かをしたい」と考えている方には——

これ以上ない相棒になります。

アジリティ、フリスビー、ノーズワーク、訓練競技——

どの分野でも、この犬種は際立った能力を見せます。

教えれば教えるほど応えてくれる——

その楽しさを味わえる犬種です。

暮らしの基本と、被毛の手入れ

この犬種の基本をまとめておきます。

ボーダーコリーの基本
項目 内容
体重 オス14〜20kg/メス12〜19kg
体高 オス53cm前後/メスはやや小さい
平均寿命 12〜15年
運動 1日2回、各1時間+頭を使う時間
被毛 ダブルコート。長毛と短毛がある
年間の飼育費 12〜25万円

被毛には、2つのタイプがあります。

  • ラフ(長毛)——飾り毛があり、絡みやすい
  • スムース(短毛)——手入れは比較的楽
  • どちらもダブルコートで、換毛期は抜ける
  • 通常期は週2〜3回のブラッシング
  • 換毛期は毎日
  • トリミングは不要

長毛タイプでは耳のうしろ・脇の下・内股・尾の飾り毛絡みやすくなります。

コームを根元まで通して確認してください。

体重は14〜20kg程度——

中型犬として、扱いやすい大きさです。

力の面での不安は少ないのがこの犬種の利点だと言えます。

ドッグスポーツという、選択肢

この犬種の能力をいちばん活かせる場ドッグスポーツです。

ドッグスポーツの種類
競技 内容 この犬種との相性
アジリティ 障害物のコースを走る きわめて高い
ディスク フリスビーをキャッチする 高い。追う本能に合う
ノーズワーク においで対象を探す 室内でもできる
訓練競技 指示への正確さを競う この犬種の得意分野
ヒールワーク 音楽に合わせて動く 覚えの早さが活きる

「競技に出る」必要はありません。

練習そのものが、この犬種にとっては「仕事」になります。

そして、飼い主にとっても楽しい時間になるはずです。

  • 教室に通うと、教え方も学べる
  • ほかの飼い主との情報交換ができる
  • 犬にとっては、最高の「仕事」になる
  • 成長期は、激しいジャンプを避ける
  • 1歳半までは、本格的な練習を控える
  • 関節に負担のかからない範囲で進める

成長期の注意だけは守ってください。

骨と関節が完成する1歳半ごろまで激しいジャンプや急な方向転換を繰り返させないようにしてください。

注意しておきたい病気

知っておきたい病気を挙げておきます。

注意したい病気
病気 内容 気づき方
コリー眼異常 遺伝性。網膜や視神経の発達異常 子犬期の眼科検査
進行性網膜萎縮 遺伝性。失明に至る 暗い場所でぶつかる
MDR1遺伝子変異 薬に強く反応する体質 遺伝子検査で分かる
股関節形成不全 中型犬に見られる 腰を振って歩く
てんかん 報告のある犬種のひとつ けいれん発作

コリー眼異常は、この系統の犬種で知られている遺伝性の疾患です。

軽度なら症状が出ないことも多いものの、重度になると網膜剥離から失明に至ることがあります。

子犬のうちに眼科検査を受けることで状態を把握できます。

そしてMDR1

この犬種でも報告されている体質です。

詳しくはシェルティの記事まとめてあります。コリー系の犬種に共通する内容です。

迎える前に、確認したいこと

遺伝性の疾患が複数ある犬種ですから、迎える前の確認が重要になります。

  • 両親のコリー眼異常の検査結果を確認する
  • MDR1遺伝子検査の結果も聞く
  • 両親の股関節の評価結果を確認する
  • 「検査済み」ではなく、結果の内容まで聞く
  • 書面で受け取っておく
  • 両親の気質も見せてもらう

「両親の気質を見る」ことも意味があります。

作業意欲の強さには個体差があり、その傾向は親から受け継がれる部分があるためです。

「家庭犬として迎えたい」と率直に伝えて、相談してみてください。

よくある質問

Q. 賢いから、飼いやすいのでは?

A. 賢さは、飼いやすさとは別のものです。考える力が強いということは、その力に使い道がないと苦痛だということでもあります。教えたくないことも同じ速さで覚えるため、飼い主の一貫性が問われます。

Q. 散歩だけでは足りませんか?

A. 足りません。1日2回各1時間の運動に加えて、頭を使う時間が15〜20分必要です。ただ走らせるだけでは、この犬種の頭は使われません。

Q. 自分の尻尾を追い続けます。

A. 常同障害になっている可能性があります。やめさせようとしても止まらない、何時間も繰り返すという状態なら、行動診療を扱う獣医師に相談してください。原因は退屈にあることが多くなります。

Q. 走る子どもを追いかけて、回り込みます。

A. 牧羊本能が出ています。犬にとっては「羊を誘導している」だけですが、子どもは驚いて転びます。「呼び戻し」と「止まれ」を確実にし、遊ばせるときは必ず大人が見ていてください。

Q. ボール遊びは、どれくらいさせていいですか?

A. 回数を決めて、こちらから区切ってください。この犬種は疲れていても自分では止まりません。繰り返しすぎると、ボールへの執着が強くなりすぎることもあります。

Q. 初めて犬を飼うのですが、向いていますか?

A. おすすめしません。毎日の運動、頭を使う時間、そして一貫したしつけ——求められることが多い犬種です。「賢いから飼いやすい」という理由で迎えると、ほぼ確実に苦労します。

Q. 迎える前に、何を確認すればいいですか?

A. 両親のコリー眼異常・MDR1・股関節の検査結果を書面で確認してください。遺伝性の疾患が複数ある犬種です。あわせて、両親の気質も見せてもらうと、作業意欲の強さの見当がつきます。

まとめ|使い道を、用意する

ボーダーコリーは、常に「仕事」を求めている犬種です。

その欲求が満たされないと、破壊行動や常同障害として現れます。

「問題行動」と呼ばれるものの多くは、知的な飢餓から来ています。

叱っても、止まりません。

必要なのは、その力の使い道を用意すること——

1日15〜20分、頭を使う時間を作るだけで落ち着きははっきり変わります。

そして牧羊本能

走るものを追うのは、この犬の仕事そのものです。

消すのではなく、別の出口を用意する——

そこまで引き受けられるなら、これほど応えてくれる犬種はほかにありません。

教えたことを、驚くほど正確に理解する——

そして、こちらの意図を先読みしようとする——

その感覚は、この犬種と暮らした人にしか分からないものだと思います。

「一緒に何かをする」ことが好きな方にとっては、最高の相棒になります。

今日から始める3つ

  • 1部屋におやつを隠して、においで探させる遊びを15分やってみる
  • 2ボール遊びは回数を決め、こちらから区切る習慣をつくる
  • 3「止まれ」を教える——走り出す前に止められる力が安全を守ります

この犬種の賢さは、使わなければ問題行動に変わります。使い道を用意することが、そのまま最良のしつけになります。

モフ@ペット好き

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ボーダーコリーの飼い方|賢さは、飼いやすさではない」でした。
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