

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「イングリッシュポインター|散歩では足りない犬の現実」です。ではどうぞ!
1日2回、合計90分から2時間。
イングリッシュポインターに必要とされる運動量です。
そして、これは「理想」ではなく「最低条件」だと言われます。
家庭犬として飼われる犬種のなかで、最大級の要求だと言っていいでしょう。
この犬種は、一日中フィールドを走り続ける持久型の猟犬です。
短時間の激しい運動では満たされません。
「長く動き続けること」そのものがこの犬の体に組み込まれているのです。
この記事では、その運動量をどう確保するかと、ポインティングというこの犬種特有の本能について書いていきます。
結論
イングリッシュポインターは1日合計90分〜2時間の運動を必要とする持久型の猟犬です。これは理想ではなく最低条件——散歩だけで満たすのは現実的ではありません。自由に走れる場所を、週に数回でも確保できるかがこの犬種を飼えるかどうかの分かれ目になります。気質は穏やかで、ほとんど吠えず、攻撃性もありません——難しいのは性格ではなく、生活の条件です。
この記事でわかること
- ✓持久型という、運動の質
- ✓散歩だけでは足りない理由
- ✓運動をどう確保するか
- ✓ポインティングという本能
- ✓気質は、驚くほど穏やか
持久型という、運動の質

「運動量が多い犬種」とひとくくりにされがちですが、その中身は犬種によって違います。
| タイプ | 代表的な犬種 | 運動の質 |
|---|---|---|
| 持久型 | ポインター・セター | 長時間、動き続ける |
| 瞬発型 | ウィペット・グレーハウンド | 短時間、全力で走る |
| 牧羊型 | ボーダーコリー | 方向転換を繰り返す |
| 護畜型 | グレートピレニーズ | 見張る時間が長い |
| 愛玩型 | マルチーズ・狆 | 短時間で足りる |
ポインターは、持久型です。
猟の現場では、何時間もフィールドを走り回り、鳥の匂いを探し続けます。
そのために作られた心肺機能と筋肉を持っています。
15分のボール遊びで満足する体ではない——これが、この犬種のいちばんの前提です。
逆に言えば、長時間の運動に付き合える体を持っているということでもあります。
山歩きや長距離のジョギングに疲れずについてくる——そういう相棒を求めている方には、これ以上ない犬種だと言えます。要求の高さは、そのまま能力の高さでもあります。
散歩だけでは、足りない理由
「1日2時間歩けばいいのか」——
それでも足りないことがあります。
問題は、時間だけでなく「質」にあるためです。
| 項目 | 散歩だけの場合 | 必要なこと |
|---|---|---|
| 速度 | 人の歩く速さ | 速歩や走る時間を混ぜる |
| 自由度 | リードの範囲内 | 自由に走れる時間 |
| 頭の使用 | 同じルートでは刺激が少ない | においを使う遊びを入れる |
| 本能の充足 | ほとんど満たされない | 探す・追うという要素 |
| 結果 | エネルギーが余る | 落ち着いて過ごせる |
この犬種にとって、リードにつながれてゆっくり歩く時間は「運動」というより「移動」に近いものです。
だから、時間を伸ばしても満足度は上がりにくい——
必要なのは、走れる時間と、鼻を使う時間です。
⚠ 運動不足は、必ず行動に出ます
物を壊す。掘る。落ち着きがなくなる。同じ場所を往復し続ける——
これらは、しつけの問題ではありません。エネルギーの行き場がないだけです。
叱っても解決しません。生活のほうを見直すべきサインだと受け止めてください。
運動を、どう確保するか

現実的な方法を考えていきます。
- 朝晩の散歩を、それぞれ45〜60分確保する
- だらだら歩かず、速歩を混ぜる
- 週に数回でも、自由に走れる場所へ連れて行く
- ドッグランや、広い河川敷などを探しておく
- においを使って探す遊びを、毎日10〜15分
- 雨の日は、室内で頭を使う遊びに切り替える
もっとも重要なのが、「自由に走れる場所」です。
リードを外して全力で走れる時間は、この犬種にとって何よりの満足になります。
そういう場所が近くにあるかどうか——
それが、この犬種を飼えるかどうかを決める大きな要素になります。
毎日でなくて構いません。週に2〜3回でも、全力で走れる日があるかどうかで犬の落ち着きははっきり変わります。
ドッグラン、広い河川敷、早朝の公園——迎える前に、候補をいくつか見つけておいてください。
呼び戻しは、必須の条件
ただし、リードを外すには条件があります。
確実な呼び戻しです。
この犬種は、鳥の匂いを追う本能を持っています。
匂いに集中すると、周りが見えなくなることがあります。
- 子犬のうちから、呼び戻しを徹底して教える
- 呼んで来たら、必ず良いことがあるようにする
- 呼んでから叱る、を絶対にしない
- 最初は長いリードをつけた状態で練習する
- できていない段階で、リードを外さない
- 交通量のある場所では、絶対に外さない
「呼んでから叱る」——
これは、呼び戻しを確実に壊す行為です。
犬は「戻ったら嫌なことが起きた」と学びます。
どんなに腹が立っても、戻ってきたときはほめてください。
そして、呼び戻しは「使わないと錆びる」技術です。
できるようになったあとも、散歩のたびに何度か呼んでほめる——この積み重ねが、いざというときに効いてきます。
ポインティングという、本能

この犬種の名前の由来がポインティングです。
獲物の匂いを捉えると、全身が固まり、鼻先でその方向を示す——
片足を上げ、尾をまっすぐ伸ばした姿勢で静止します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 獲物の位置を猟師に知らせる |
| 行動 | 体を固め、鼻先を向けて静止する |
| 教えたものか | 本能。子犬でも自然に出る |
| 家庭での場面 | 散歩中に鳥や猫を見つけたとき |
| 持続時間 | 数秒から、数分に及ぶことも |
興味深いのは、これが教えられた行動ではないという点です。
猟をしたことのない子犬でも、自然にこの姿勢を取ります。
家庭のなかでも、散歩中に鳥を見つけたときや庭に猫が入ってきたときに見られます。
この姿勢を見たら、この犬種を飼っている実感が湧く瞬間かもしれません。
この犬種が作られた背景
イングリッシュポインターは、銃猟の普及とともに発展した犬種だとされています。
猟師が撃つ前に、鳥がどこにいるかを知らせる必要があった——
そのために、「見つけて、静止して、示す」という一連の行動が選抜されてきました。
自分で獲物に飛びかからないことも重要な条件でした。
飛びかかれば、鳥は逃げます。
「見つけても、我慢する」——この自制心が、この犬種の穏やかさの土台になっているのかもしれません。
本能を、遊びに変える
この本能は、運動の質を上げるのにも使えます。
探す・見つける・知らせる——
この流れを遊びに組み込むと、この犬種はよく満足します。
- おやつを庭や部屋に隠して、探させる
- におい付きのおもちゃを使う
- 見つけたらほめて、次を隠す
- 難易度を少しずつ上げる
- 10〜15分でも、満足度は高い
- 雨の日の代替としても有効
鼻を使う活動は、犬にとって運動と同じくらい頭を消耗するとされています。
散歩に行けない日の代替としても、この犬種にはとくに向いた遊びです。
1日のスケジュールを、組んでみる
「90分から2時間」と言われても、具体的にどう組むかは見えにくいものです。
一例を挙げてみます。
| 時間帯 | 内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 朝 | 速歩を混ぜた散歩 | 45〜60分 |
| 日中 | 知育トイ・においで探す遊び | 10〜15分 |
| 夕方 | 散歩+自由運動 | 45〜60分 |
| 夜 | 短い訓練の時間 | 5〜10分 |
| 週末 | 広い場所で自由に走らせる | 1〜2時間 |
これを見て「無理だ」と感じるなら——
それは、正直な判断だと思います。
この犬種は、生活そのものを変えることを求めます。
- 朝と夕方の時間を、確実に確保できるか
- 雨の日でも、代替の手段があるか
- 家族で分担できる体制があるか
- 自分の運動習慣と組み合わせられるか
- 週末に、遠出できる余裕があるか
- 10年以上、それを続けられるか
ジョギングやサイクリングが習慣にある方には、この犬種はきわめて良い相棒になります。
犬の運動と、自分の運動を同時に満たせる——そういう組み合わせが成り立つ犬種です。
しつけと、社会化
この犬種のしつけは、難しくありません。
賢く、人に従いたがる気質を持っています。
| 項目 | 内容 | 時期 |
|---|---|---|
| 呼び戻し | 最優先。自由運動の前提になる | 子犬期から徹底 |
| 引っぱらずに歩く | 25〜34kgの力を管理する | 体が小さいうちから |
| 社会化 | 人・犬・音・場所に慣らす | 生後4か月まで |
| 落ち着く練習 | 興奮のスイッチを切る | 通年 |
| 体を触られる | 耳・足の確認に必要 | 子犬期から |
とくに「落ち着く練習」は、この犬種で意識しておきたい点です。
興奮しやすく、スイッチが入ると止まらなくなることがあります。
遊びを途中で区切る、落ち着いたらほめる——
この繰り返しで、自分でスイッチを切る力が育っていきます。
叱って止めるのではなく、落ち着けたことをほめる——その順番が大切です。
気質は、驚くほど穏やか

ここまで、厳しい条件ばかり書いてきました。
けれど、気質そのものは非常に穏やかな犬種です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体重 | オス25〜34kg/メス20〜30kg |
| 平均寿命 | 12〜15年 |
| 性格 | 穏やか・人懐こい・攻撃性がない |
| 吠え | 非常に少ない |
| 被毛 | 短毛。手入れは楽 |
| 運動量 | 1日合計90分〜2時間 |
この犬種は、自分で獲物を仕留める犬ではありません。
猟師に位置を知らせるサポート役として作られてきました。
だから、攻撃性がほとんどない——
そして、無駄に吠えません。
子どもにも他の犬にも寛容で、家庭犬としての気質は非常に優れています。
難しいのは性格ではなく、生活の条件——それが、この犬種のいちばん正確な説明だと思います。
寒さに弱いという、注意点
短毛で下毛がほとんどないため、寒さには弱い犬種です。
皮下脂肪も少なく、断熱の層を持っていません。
- 冬の散歩には、服を着せることを検討する
- 屋外での飼育には向かない
- 寝床は、厚めのマットにする
- 室内は、寒すぎない温度を保つ
- 暑さには比較的強いが、熱中症対策は必要
- 短毛なので、体表のしこりは触れば分かる
手入れそのものは楽です。
ブラッシングは週1〜2回、トリミングは不要——
その時間を、体を触ってしこりを探す時間にしてください。
注意しておきたい病気
比較的丈夫な犬種ですが、知っておきたい病気はあります。
| 病気 | 内容 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 股関節形成不全 | 中型犬以上に見られる | 腰を振って歩く |
| 外耳炎 | 垂れ耳で蒸れやすい | 頭を振る・耳を掻く |
| 皮膚のトラブル | 短毛で皮膚が露出している | 赤み・かさぶた |
| 甲状腺機能低下症 | 元気がなくなり、太る | 血液検査で分かる |
| アカラス(毛包虫症) | 若齢期に出ることがある | 脱毛・赤み |
とくに耳は、この犬種で見ておきたい場所です。
垂れ耳で通気が悪く、そのうえフィールドを走れば草や土が入ります。
週に一度、めくって中を見ることを習慣にしてください。
においがする、赤い、しきりに頭を振る——これらは受診のサインです。
そして、フィールドで走らせたあとは足の裏や指のあいだも確認してください。
日本での入手と、迎え方
イングリッシュポインターは、日本では流通の少ない犬種です。
一般のペットショップで見かけることは、まずありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手経路 | 専門の繁殖者に直接問い合わせる |
| 待ち期間 | 出産を待つことが多い |
| 猟犬としての系統 | 実猟に使われている系統もある |
| 確認したいこと | 両親の股関節の評価・気質 |
| 待つ期間の使い方 | 走らせる場所を探しておく |
猟犬として使われている系統から迎える場合、運動欲求がさらに高いことがあります。
「家庭犬として飼いたい」と率直に伝えて、相談してみてください。
- 両親に会い、体格と気質を確認する
- 両親の股関節の評価結果を聞く
- 家庭犬として飼う旨を、先に伝える
- 待つ期間に、走らせる場所を探しておく
- 受け入れてくれる動物病院も調べておく
- 生後56日を過ぎているか確認する
「走らせる場所を先に探しておく」——
これは、この犬種ではとくに実務的な準備になります。
迎えてから探し始めると、見つからないまま運動不足が続くことになりかねません。
よくある質問
Q. 散歩はどれくらい必要ですか?
A. 1日合計90分から2時間が目安です。しかもこれは理想ではなく最低条件だとされています。一日中フィールドを走り続ける持久型の猟犬で、短時間の激しい運動では満たされません。
Q. 散歩の時間さえ確保すれば大丈夫ですか?
A. 時間だけでなく、質も問われます。リードにつながれてゆっくり歩く時間は、この犬種には「移動」に近いものです。速歩を混ぜること、自由に走れる時間を作ること、においを使う遊びを入れることが必要になります。
Q. リードを外して走らせてもいいですか?
A. 確実な呼び戻しができていることが条件です。この犬種は鳥の匂いを追う本能を持ち、匂いに集中すると周りが見えなくなることがあります。できていない段階では、絶対に外さないでください。
Q. 片足を上げて固まります。何をしているのですか?
A. ポインティングという本能行動です。獲物の匂いを捉えると、体を固めて鼻先で方向を示します。教えられた行動ではなく、猟をしたことのない子犬でも自然に出ます。
Q. マンションでも飼えますか?
A. 体重制限がなく、運動を確保できるなら可能です。この犬種はほとんど吠えず、攻撃性もありません。問題になるのは吠え声ではなく、運動量を満たせるかどうかです。
Q. 屋外で飼えますか?
A. 向きません。短毛で下毛がほとんどなく、皮下脂肪も少ないため寒さに弱い犬種です。そして人と一緒に働いてきた犬で、家族のそばで過ごすほうが安定します。
Q. 初めて犬を飼うのですが、向いていますか?
A. 気質は穏やかで、しつけもしやすい犬種です。難しいのは性格ではなく、生活の条件になります。毎日2時間の運動と、自由に走れる場所を確保できるかを先に確かめてください。
まとめ|難しいのは性格ではなく、生活の条件
イングリッシュポインターは、1日合計90分から2時間の運動を必要とする犬種です。
しかも、それは最低条件だとされます。
散歩の時間を伸ばすだけでは足りません。
速歩を混ぜること。自由に走れる時間を作ること。鼻を使う遊びを入れること——
この3つが揃って、ようやく満たされます。
一方で、気質は驚くほど穏やかです。
ほとんど吠えず、攻撃性もなく、子どもにも他の犬にも寛容——
難しいのは性格ではなく、生活の条件です。
その条件を満たせるなら、これほど付き合いやすい犬種もそう多くありません。
走ることが好きな人にとっては、これ以上ない相棒になります。
自分の運動習慣と、犬の運動欲求が同じ方向を向いている——
そういう組み合わせが成り立つ数少ない犬種だと言えます。
迎える前に、この3つを
- 1毎日2時間、外に出られる生活かどうかを確かめる
- 2自由に走れる場所が、近くにあるかを調べておく
- 3子犬のうちから、呼び戻しを徹底して教える計画を立てる
この犬種の課題は、しつけでも気質でもありません。走れる時間を用意できるかどうか、その一点にあります。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「イングリッシュポインター|散歩では足りない犬の現実」でした。
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