

おはようございます。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「猫の高血圧症|最初の症状が、失明のことがあります」です。ではどうぞ!
猫の高血圧には、ほかの病気と大きく違うところがあります。単独で起こることが、ほとんどありません。
腎臓や甲状腺の病気に続いて起こる——つまり「高血圧が見つかった」ということは、「その裏に何かある」ということです。
そしてこの病気は、症状を出さないまま進みます。最初の症状が、突然の失明だった——そういうことが、起こりえます。
結論
猫の高血圧症は他の病気に続いて起こる「二次性」のものがほとんどです。一般的には慢性腎不全にともなう二次性高血圧症が多く、次いで甲状腺機能亢進症でも認められます。血圧の目安は収縮期血圧で140以下が正常、160以上で治療を検討し、180以上では重篤な状態になる可能性があるとされます。こわいのは症状が出ないまま進むこと——そして網膜剥離を起こして突然失明することがあることです。治療が遅れると失明に至りますが、早く血圧を下げられれば見え方が戻る場合もあります。治療は原因となっている病気の治療と、血圧を下げる薬の二本立て。見つける方法は、測ることだけです。
この記事でわかること
- ✓これは、単独で起きる病気ではありません
- ✓最初の症状が、失明のことがあります
- ✓数字で見る、猫の血圧
- ✓症状が出ないまま、削られていきます
- ✓測らなければ、分かりません
- ✓治療は、二段構えになります
- ✓見えなくなったあとの暮らし
- ✓見つかったあと、見ていくこと
これは、単独で起きる病気ではありません

人の高血圧と猫の高血圧は、同じことばで呼ばれていても意味が違います。
人ではこれといった原因がないまま高くなることが多く、それ自体が「病名」として扱われます。けれど猫では、そのほとんどがほかの病気に続いて起こります。
| 背景にある病気 | どうつながるか |
|---|---|
| 慢性腎臓病 | いちばん多い。腎臓が血圧の調節に関わるため |
| 甲状腺機能亢進症 | 次いで多い。代謝が上がり、心臓と血管に負担がかかる |
| 糖尿病 | 血管が傷み、圧が上がりやすくなる |
| 心臓の病気 | 互いに悪くし合う関係になる |
| 肥満 | 血圧を押し上げる要因のひとつ |
| 副腎の病気 | まれだが、ホルモンの異常から起こる |
だから「高血圧」は、答えではありません
血圧が高いと分かったとき、そこで話は終わりません。「なぜ高いのか」を探すことになります。
血液検査で腎臓を確かめ、甲状腺ホルモンも測る——その両方が、高血圧の二大原因だからです。
慢性腎臓病と甲状腺機能亢進症。どちらも高齢の猫に多い病気で、血圧のほうから先に見つかることもあります。
見つかったのは、むしろ手がかりです
「高血圧です」と言われると、気持ちは沈みます。
けれどそれは、裏にある病気への入口でもあります。血圧の異常から腎臓の病気が見つかる——そういう順番も、めずらしくありません。
最初の症状が、失明のことがあります

この病気でいちばん知っておいていただきたいのが、目のことです。
高い圧は、細い血管を傷めます。そして目の奥には、とても細い血管が集まっています。そこに圧がかかり続けると、網膜——光を受け取る膜が、はがれてしまいます。
猫の高血圧症は網膜剥離をおこし、突然失明することがあります。
「ぶつかるようになった」が、合図です
猫は、見えにくくなったことを訴えません。ですから、行動で気づくことになります。
- 壁や家具に、ぶつかるようになった
- 明るい場所なのに、瞳孔が開きっぱなし
- 目の焦点が、合っていないように見える
- 高い所へ、登らなくなった
- 足元を探るような、慎重な歩き方になった
- 目の中が、赤く見えることがある
- 呼んでも、こちらを見ない
とくに瞳孔は、顔を見るだけで分かります。明るい部屋なのに黒目が大きく開いたままなら、光を受け取れていないのかもしれません。
⚠ その日のうちに、受診してください
目が見えていないと感じたのなら、様子を見ないでください。
網膜剥離は、治療が遅れると失明に至ります。けれど早く血圧を下げられれば、見え方が戻る場合もあります。ここは、時間がすべてを分けるところです。
見えなくなる前に、見つけられます
失明は、ある日とつぜん起こるように見えます。けれど目の奥では、その前から変化が始まっています。
眼底検査をすれば、血管の傷みやにじみ出た水が見えます。高血圧と分かったときに目の奥も見てもらう——それが、失明を遠ざけます。
数字で見る、猫の血圧

血圧には、はっきりした目安があります。見るのは上の血圧——収縮期血圧と呼ばれるものです。
| 数値 | どう考えるか | そのとき |
|---|---|---|
| 140以下 | 正常とされる範囲 | 定期的に測っていく |
| 140〜160 | やや高い | 原因を探し、間を置いて測り直す |
| 160以上 | 治療を検討する水準 | 降圧薬と、原因の治療を考える |
| 180以上 | 重篤な状態になる可能性 | 急いで下げる必要がある |
一度の測定では、決めません
猫は緊張で血圧が上がります。キャリー、車、知らない場所——それだけで数字は高く出ます。
ですから正確な結果を得るためには、猫がリラックスした状態であることが重要です。静かな環境に置き、ストレスを最小限に抑えながら測っていきます。
何度か測って、落ち着いたところの数字を見る。一度だけの数値では、判断しません。
🩺 獣医療の現場では
診察室でいきなり測るのではなく、しばらく待ってから測る——その一手間で数字は変わります。
「時間がかかる検査」だと思っておいてください。急かさずに待てるかどうかが、そのまま精度になります。
症状が出ないまま、削られていきます
高血圧がこわいのは、痛くもかゆくもないことです。猫は、頭が痛いとも、めまいがするとも言えません。
そのあいだに、体じゅうの細い血管が傷んでいきます。
| どこに | 起きること |
|---|---|
| 目 | 網膜がはがれ、突然見えなくなる |
| 腎臓 | 高い圧が、残っている働きをさらに削る |
| 心臓 | 強く押し出し続け、筋肉が厚くなっていく |
| 脳 | ふらつき、けいれん、様子の変化が出ることも |
| 血管そのもの | もろくなり、出血しやすくなる |
腎臓とのあいだで、悪循環になります
腎臓は、血圧を調節する役割をもっています。その腎臓が傷むと、血圧が上がります。そして上がった血圧が、腎臓をさらに傷めます。
ぐるぐると回り続ける関係です。だから、どこかで断ち切る必要があります。
血圧を下げることは、目を守るだけでなく、腎臓の残りを守ることでもあります。
様子の変化として出ることもあります
高い圧は、脳にも届きます。ふらつく、まっすぐ歩けない、頭を傾ける——そうした変化が出ることがあります。
けれど飼い主から見ると、「歳を取って、おとなしくなった」としか映らないことも少なくありません。鳴き方が変わった、呼んでも来なくなった、そういう形で現れることもあります。
重くなると、けいれんを起こすこともあります。高齢だからと片づける前に、一度血圧を測ってみてください。行動の変化が、血圧のせいだったという例はめずらしくありません。
測らなければ、分かりません

この病気には、早期に気づける症状がほとんどありません。見つける方法は、測ることだけです。
| 検査 | 分かること |
|---|---|
| 血圧測定 | いま、高くなっているかどうか |
| 血液検査 | 腎臓や甲状腺の状態を確かめる |
| 尿検査 | たんぱくの漏れ、尿の濃さを見る |
| 眼底検査 | 目の奥の血管に、変化が出ていないか |
| 心電図 | 心臓の働きへの影響を評価する |
| 超音波検査 | 心臓の厚み、腎臓のかたちを確かめる |
こんな猫は、測っておいてください
すべての猫に毎回測るのは現実的ではありません。けれど、次のような場合はお願いしておきたいところです。
- 7歳を過ぎている
- 腎臓の数値に、動きがあると言われた
- 甲状腺の病気が見つかっている
- 糖尿病の治療をしている
- 心臓に雑音があると言われた
- 目の様子に、気になるところがある
- 水を飲む量が増えてきた
血圧の測定には、採血のような痛みがありません。足やしっぽに帯を巻くだけで、猫への負担は小さいものです。
健康診断のついでに、頼んでおいてください。この病気は、その一手間でしか見つかりません。
治療は、二段構えになります
治療は二本立てです。ひとつは血圧そのものを下げること、もうひとつは原因となっている病気を治療すること。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| 降圧薬 | 血管を広げ、圧を下げる薬を飲ませる |
| 原因の治療 | 腎臓病、甲状腺の病気などに対応する |
| 食事の管理 | 塩分をひかえた食事に切り替える |
| 体重の管理 | 肥満があれば、ゆっくり落としていく |
| 環境 | ストレスを減らし、落ち着ける場所をつくる |
| 定期測定 | 下がりすぎていないかも、あわせて確かめる |
薬は、続けるものになります
降圧薬は、飲んでいるあいだ血圧を下げています。やめれば、また戻ります。
「調子がよさそうだから」とやめてしまうのは危険です。もともと症状の出ない病気ですから、「調子がよい」ことは、下がった証拠になりません。
確かめる方法は、やはり測ることだけです。
下げすぎにも、気をつけます
血圧は、低ければ低いほどよいものではありません。下がりすぎると腎臓に流れる血が減り、かえって負担になります。
ふらつく、ぐったりする、食欲が落ちる——薬を始めたあとにそうした変化があれば、量の見直しが必要かもしれません。
この治療もまた、「どこで止めるか」を探していくものです。
見えなくなったあとの暮らし
残念ながら、間に合わないこともあります。けれど、目が見えなくなった猫が暮らせなくなるわけではありません。
猫は、においと音とひげで、驚くほどふつうに動きます。
家のほうを、変えてあげてください
- 家具の配置を、変えないでおく
- トイレと水と食器の場所を動かさない
- 階段や段差には、近づけない工夫をする
- 高い所からの落下を防ぐ
- 近づくときは、先に声をかける
- 急に抱き上げず、驚かせない
- 外には出さない
いちばん大事なのは、「動かさない」ことです。猫は家の中の地図を覚えています。模様替えをしなければ、その地図で歩けます。
声をかけてから触るのも、驚かせないための大切な習慣です。見えていない猫にとって、突然の接触はこわいものになります。
見つかったあと、見ていくこと
高血圧と分かったあと、追いかけるものはふたつです。血圧の数字と、裏にある病気。
| 見ること | どう役立つか |
|---|---|
| 定期的な血圧測定 | 薬が効いているか、下げすぎていないか |
| 腎臓の数値 | 裏にある病気の進み方が分かる |
| 甲状腺ホルモン | そちらが原因なら、あわせて追っていく |
| 目の様子 | 瞳孔の開き方、ぶつかっていないか |
| 体重と食欲 | 全体の調子と、薬の影響を見る |
| 水を飲む量 | 腎臓の変化を、家で先に拾える |
とくに目は、毎日見ていてください。顔を見るときに瞳孔の大きさを確かめる——それだけで、異変に早く気づけます。
そして気づいたのなら、その日のうちに受診してください。
水を飲む量は、家で拾える手がかりです
高血圧そのものは、家では見えません。けれどその裏にある腎臓の変化は、水の量に出ます。
水入れの減りが早くなった、尿の固まりが大きくなった——そうした変化は、血液検査より先に家で見えることがあります。
腎臓の働きが落ちてきたときの合図は、たいてい生活の中に先に現れます。気づいたら、次の受診で伝えてください。
よくある質問
Q. 猫の高血圧症とは、どんな病気ですか?
A. 血液が血管を押す力が、正常より高くなる状態です。猫の場合は他の病気に続いて起こることがほとんどで、それ自体が独立した病名というより「結果」として現れます。
Q. 何が原因で起こりますか?
A. 一般的には、慢性腎不全にともなう二次性高血圧症が多く、次いで甲状腺機能亢進症でも認められます。肥満や糖尿病が背景にあることもあります。
Q. 血圧はいくつから高いのですか?
A. 収縮期血圧で140以下が正常とされ、160以上で治療を検討します。180以上は重篤な状態になる可能性があります。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 初期には、ほとんど症状が出ません。進むと目の問題や腎臓の損傷が現れ、突然見えなくなって初めて気づかれることがあります。
Q. 失明することがあると聞きました
A. 網膜剥離をおこし、突然失明することがあります。治療が遅れると失明に至りますが、早く血圧を下げられれば見え方が戻る場合もあります。目の異変は、その日のうちに受診してください。
Q. 目が見えているか、家で分かりますか?
A. 瞳孔を見てください。明るい場所なのに黒目が開きっぱなしなら、光を受け取れていない可能性があります。壁や家具にぶつかる、高い所へ登らなくなった、という変化も手がかりです。
Q. どうやって診断しますか?
A. 専用の血圧計で測定します。正確な結果を得るには猫がリラックスしていることが重要なため、静かな環境でストレスを抑えながら、何度か測っていきます。あわせて血液検査・尿検査・眼底検査などを行います。
Q. 治療にはどんな方法がありますか?
A. 血圧を下げる薬と、原因になっている病気の治療の二本立てです。あわせて、塩分をひかえた食事や体重の管理、ストレスの少ない環境づくりも役立ちます。
Q. 薬は、いつまで飲みますか?
A. 基本的には、続けるものになります。薬は飲んでいるあいだ血圧を下げているだけで、やめれば戻ります。もともと症状の出ない病気なので、「調子がよい」ことは下がった証拠になりません。
Q. 血圧は、低ければ低いほどよいのですか?
A. そうではありません。下がりすぎると腎臓に流れる血が減り、かえって負担になります。薬を始めたあとにふらつきや食欲の低下があれば、量の見直しが必要かもしれません。
Q. 放っておくと、どうなりますか?
A. 目、腎臓、心臓、脳が少しずつ傷んでいきます。とくに腎臓とは悪循環になり、血圧が腎臓を傷め、傷んだ腎臓がさらに血圧を上げる、という繰り返しになります。
Q. 目が見えなくなったら、どうすればよいですか?
A. 家具の配置を変えないでください。猫は家の中の地図を覚えているため、動かさなければ歩けます。トイレ・水・食器の位置もそのままにし、近づくときは先に声をかけて驚かせないようにしてください。
まとめ|この病気は、測る以外に見つかりません
猫の高血圧には、早く気づける症状がありません。痛がりもしない、ぐったりもしない——そのあいだに、目と腎臓と心臓が削られていきます。
そしてある日とつぜん、見えなくなります。
けれど、測るだけなら痛みもなく、すぐに終わります。腎臓や甲状腺を指摘されたのなら、そのとき血圧もお願いしてください。
症状を待っていては、間に合わないことがある病気です。だからこの病気だけは、症状より先に測ってください。
今日できる3つ
- 1明るい場所で、猫の瞳孔の大きさを見てみる
- 2壁や家具にぶつかっていないか、歩き方を見ておく
- 37歳以上・腎臓や甲状腺を指摘されているなら、次の受診で血圧を頼む
症状が出てからでは、目は戻らないことがあります。この病気だけは、症状より先に測ってください。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「猫の高血圧症|最初の症状が、失明のことがあります」でした。
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