

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「犬の回虫症|子犬は生まれる前から持っている」です。ではどうぞ!
「まだ一度も外に出していないのに、寄生虫がいると言われた」——
子犬を迎えたばかりの方からよく聞く話です。
けれど、犬回虫についてはそれが当たり前です。
この寄生虫は、母犬のお腹の中にいるうちに胎盤を通って子犬に移ります。
そして、生まれたあとは母乳からも移ります。
つまり、外の世界に触れる前から持っている——
だから動物病院では、「子犬には回虫がいるもの」という前提で駆虫を行います。
そして、この寄生虫にはもうひとつ知っておくべき側面があります。
人にも感染する——しかも、幼い子どもで報告が多いのです。
結論
犬回虫は母犬から子犬へ、胎盤と母乳を通じて移ります。「外に出していないから大丈夫」という理屈が通じません。6か月未満の子犬は高い割合で持っているとされ、8週齢までに2回は駆虫することがすすめられます。症状はお腹だけが膨らむ・体重が増えない・下痢——ただし、少ない数では無症状のこともあります。そして人にも感染し、幼虫が体内を移動する幼虫移行症を起こします。目に入れば視力に影響することもある——便の処理と手洗いが家族を守ります。
この記事でわかること
- ✓生まれる前から、持っている
- ✓子犬に現れるサイン
- ✓人にうつる——幼虫移行症
- ✓駆虫は、1回では終わらない
- ✓家庭でできる、広げない工夫
生まれる前から、持っている

犬回虫は、白く細長いミミズのような形をした寄生虫です。
成犬では腸に住みつきますが、この寄生虫の本当の特徴は子犬への移り方にあります。
| 経路 | 起きること |
|---|---|
| 胎盤感染 | 母犬のお腹の中で、子犬に移る |
| 経乳感染 | 母乳を通じて移る |
| 口から | 便で汚れた地面をなめる |
| 他の動物を介して | ネズミなどを食べることで |
| 結果 | 6か月未満の子犬は高い割合で持つ |
母犬の体の中では、幼虫が眠っている状態でとどまっていることがあります。
そして妊娠すると、その幼虫が目覚めて動き出す——
胎盤を通って生まれる前の子犬に届き、生まれたあとは母乳を通じて届く。
母犬が健康そうに見えても、この経路は成立します。
だから「いるもの」として扱います
動物病院で「まず駆虫しましょう」と言われるのは、
検査で見つかったからではなく「子犬にはいるものと考えるべきだから」という理由であることがあります。
8週齢までに2回は駆虫を——そうした目安が示されています。
「検査で出なかったからしなくていい」とはならない、ということです。
子犬に現れるサイン

まず知っておきたいのは、少ない数の感染ではほとんど症状が出ないということです。
元気で、食欲もあって、便もふつう——それでも持っていることがあります。
数が増えてくると、こうした症状が現れます。
- お腹だけがぽっこり膨らむ(痩せているのに)
- 体重が増えない。食べているのに育たない
- 毛づやが悪い
- 下痢、嘔吐
- 便や吐いたものに、白く細長いものが出る
- 貧血。歯ぐきの色が白っぽい
「お腹だけが膨らむ」——これが、回虫を疑う分かりやすいサインです。
体は細いのに、お腹だけが張っている——そうした体つきに見えることがあります。
そして、「よく食べているのに太らない」。
これは、見落とされやすいサインです。食欲があることを「元気な証拠」と受け取ってしまうためです。
子犬の体重は週単位ではっきり増えていくのがふつうです。週に一度、同じ日に体重を測って記録しておくと、その記録が異変に気づく手がかりになります。
腸の中で栄養が奪われているためです。子犬の時期は体を作る大事な期間ですから、そのまま成長への影響につながります。
便や吐いたものに出てきたとき
白く細長いものが出てきた——驚かれることが多い場面です。
これは、成虫が出てきたものです。
大量に感染している場合、吐いたものの中に混じることもあります。
- あわてず、その日のうちに動物病院に連絡する
- 可能なら、便や虫を持参する(写真でも可)
- 素手で触らない。手袋か、袋越しに扱う
- 処理したあとは、石けんでしっかり手を洗う
- その場所を清掃する
- 同居犬がいれば、そちらも相談する
素手で触らない——これは、人への感染を防ぐためです。
そして、1匹出てきたということは他にもいると考えたほうが安全です。
なお、回虫と条虫は見た目で見分けられます。
| 見え方 | 疑うもの |
|---|---|
| 白く細長い、ミミズのような形 | 回虫 |
| 白い米粒状。動くこともある | 条虫の一部 |
| 目に見えない | 鉤虫・鞭虫・原虫など |
| 共通 | 写真を撮って持参すると確実 |
米粒状のものが出ていたなら条虫の可能性があります。
こちらはノミが媒介するため、ノミ対策も同時に必要になります。
人にうつる——幼虫移行症

犬回虫は人にも感染します。
ただし、人の体の中では成虫になることができません。
その代わりに、幼虫のまま体内を移動し、臓器に入り込みます。
これを幼虫移行症と呼びます。
| 型 | 入る場所 | 現れうること |
|---|---|---|
| 内臓移行型 | 肝臓、肺など | 発熱、咳、肝臓の腫れ |
| 眼移行型 | 目 | 斜視、視力の低下、失明することも |
| その他 | 体内のさまざまな場所 | けいれんなどが報告される |
| 報告が多いのは | 2歳前後の子ども | 土や砂を口にする年齢 |
2歳くらいの子どもに報告が多い——これには理由があります。
土や砂を触った手を口に持っていく年齢だからです。
犬の便で汚れた土や砂場に回虫の卵があり、それが手について、口に入る——
犬に直接触らなくても起こりうるのがこの経路です。
つまり、「犬を飼っていない家庭の子ども」にも起こりうるということでもあります。
公園の砂場、散歩道の土——そこに野良犬や野良猫の便があれば、同じことが成り立ちます。
だからこそ、飼い主が便をきちんと持ち帰ることには自分の犬を超えた意味があります。
散歩中の便を必ず持ち帰る——
これは、マナーの問題であると同時に公衆衛生の問題でもあるのです。
⚠ 防ぎ方は、驚くほど基本的なことです
犬の便をすぐ片づける
片づけたあと、石けんで手を洗う
子どもが土や砂で遊んだあとも、手を洗う
犬に口や顔をなめさせない
定期的に駆虫する
この5つで、ほとんどが防げます。特別なことは何も要りません。
駆虫は、1回では終わらない

治療は駆虫薬で行います。
ここで知っておきたいのが、1回で終わらないという点です。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 卵には効かない | 薬の多くは成虫を対象にしている |
| 体内に残る幼虫 | 組織の中の幼虫には届きにくい |
| だから | 数週間あけて、もう一度 |
| 子犬では | 8週齢までに2回は行う |
| 確認 | 便検査で、効いたかを見る |
| 母犬 | 次の世代のために、駆虫の相談を |
「1回飲ませたから終わり」と考えていると、残った卵からまた成虫が育ちます。
数週間あけて、もう一度——この間隔にも意味があります。
そして、効いたかどうかを便検査で確認するところまでがひとつの流れです。
駆虫薬の選び方や全体の考え方については犬の寄生虫の記事でまとめています。
市販の薬を、自己判断で使わない
「虫が出たから、市販の駆虫薬を買ってきた」——
これは避けてください。
- 何がいるか分からなければ、効かない薬を選ぶことがある
- 体重に対して量が合わなければ危険
- 子犬では、体力に対する負担も考える必要がある
- 大量に感染している場合、一気に死ぬと問題が起きることも
- 効いたかどうかを確認できない
- 他の寄生虫が隠れている可能性を見逃す
「大量に感染している場合、一気に死ぬと問題が起きることも」——
これは、あまり知られていない点です。
腸の中に大量の虫がいる状態で一度に駆虫すると、死んだ虫が腸を詰まらせることがあります。
そのため、状態を見ながら進め方を決める必要があります。
駆虫のあと、便に虫が出てくることがあります。
これは、薬が効いている証拠です。驚かれることが多い場面ですが、悪いことが起きているわけではありません。
ただし、そのあとに元気がなくなる、何度も吐く、お腹が張ってくる——
そうした様子があればすぐに連絡してください。
そして、出てきた虫は素手で触らずに片づけ、そのあと手を洗ってください。
成犬になってからの回虫
回虫は子犬の病気と思われがちですが、成犬でも感染します。
ただし、現れ方が少し違います。
| 子犬 | 成犬 | |
|---|---|---|
| 感染経路 | 母子感染が中心 | 口から入ることが中心 |
| 虫の行き先 | 腸で成虫になる | 組織にとどまることも |
| 症状 | 出やすい | 出にくいことが多い |
| 便検査 | 見つかりやすい | 卵が出ないこともある |
| 意味 | 成長への影響が大きい | 次の世代へ受け継がれる |
成犬では、体に入った幼虫が腸まで行かずに組織の中でとどまることがあります。
この状態では症状も出ませんし、便に卵も出ません。
けれど、いる——
そして、メス犬が妊娠するとその幼虫が動き出し、子犬に移ります。
繁殖を考えている場合、母犬の駆虫について獣医師に相談する価値があるのはこのためです。
そして、成犬でも便検査を受ける意味は十分にあります。
症状が出ていなくても卵を環境に出しているなら、他の犬や、人にとっての感染源になりうるからです。
年1回の健康診断に便検査を含めてもらう——
それが、成犬になってからの現実的な備えになります。
家庭でできる、広げない工夫
回虫の卵は環境の中でかなり長く生き残ります。
だからこそ、便を残さないことが決定的に重要になります。
- 便は、その場ですぐ片づける
- 庭に便を残さない。土が汚染される
- 散歩中も、必ず持ち帰る
- トイレをこまめに清潔にする
- 拾い食いをさせない。「放す」を教えておく
- 他の犬の便のにおいを嗅ぎすぎないようにする
「庭に便を残さない」——土に卵が入ってしまうと、そこは長く感染源になり続けます。
そして、子どもが遊ぶ場所と犬のトイレを分けておくことも考えてみてください。
砂場にはカバーをかける——これは野良猫や野良犬の便から子どもを守る方法としても知られています。
そして、犬に顔や口をなめさせないこと。
犬は自分のお尻をなめ、地面のにおいを嗅ぎます。
その口が人の顔に触れる——経路としてはそこでつながってしまいます。
愛情表現を全部やめる必要はありません。
ただ、小さな子どもの顔については線を引いておくほうが安全です。
新しく子犬を迎えたら
子犬を迎えたときの流れを整理しておきます。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 迎えてすぐ | 健康診断。便を持参する |
| 便検査 | 回虫だけでなく、他の寄生虫も調べる |
| 駆虫 | 8週齢までに2回が目安 |
| 数週間後 | 再度の駆虫と、確認の便検査 |
| その後 | 年1回の健康診断に便検査を含める |
| 並行して | 混合ワクチンのスケジュールも進める |
便を持参するときは、できるだけ新しいものを乾かさないように持って行ってください。
ラップやビニール袋に包み、暑い時期は保冷して——そのほうが見つかりやすくなります。
そして、ワクチンと駆虫は別の話です。
混合ワクチンについてはこちらの記事で解説していますが、どちらも必要だと覚えておいてください。
卵は、環境の中で長く残ります
回虫の卵には厚い殻があります。
そのため、乾燥にも、多くの消毒薬にも強く、土の中で長く生き残ります。
| 場所 | 対応 |
|---|---|
| 土・砂 | 消毒が難しい。便を残さないことが基本 |
| コンクリート・タイル | 洗い流せる。熱湯も選択肢 |
| トイレシート | こまめに交換する |
| ケージ・トレー | 洗って、しっかり乾かす |
| 布類 | 洗濯し、高温で乾燥させる |
| 共通 | 卵が落ちる前に、便を片づける |
「消毒でなんとかする」のではなく「そもそも卵を落とさない」——
それが、この寄生虫に対する現実的な考え方です。
便が地面に残っている時間が短ければ、卵が環境に散らばる量も減ります。
そして、回虫の卵は出てすぐには感染力を持ちません。
環境の中で数日から数週間かけて感染できる状態に育つ——
だからこそ、「すぐ片づける」ことにはっきりした意味があるのです。
時間が経ってから片づけるのでは遅い、ということでもあります。
逆に言えば、出したその場で片づけている限り、感染力を持つ卵はほとんど環境に残りません。
散歩のたびに袋を持っていく——
その習慣が、そのまま予防になっていると考えてください。
よくある質問
Q. 外に出していないのに、なぜ感染するのですか?
A. 母犬から移るためです。母犬のお腹の中にいるうちに胎盤を通って移り、生まれたあとは母乳からも移ります。外の世界に触れる前から持っているのです。
Q. 症状がなければ、いないということですか?
A. いいえ。少ない数の感染では、ほとんど症状が出ないことがあります。元気で食欲もあって便もふつう——それでも持っていることがあります。だから便検査に意味があります。
Q. どんな症状が出ますか?
A. お腹だけがぽっこり膨らむ、体重が増えない、毛づやが悪い、下痢——これらが代表的です。便や吐いたものに、白く細長いものが出てくることもあります。
Q. 人にもうつりますか?
A. うつります。人の体内では成虫になれず、幼虫のまま移動して臓器に入る幼虫移行症を起こします。土や砂を口にする年齢——2歳前後の子どもで報告が多いとされています。
Q. どうやって防げばいいですか?
A. 便をすぐ片づけること、そのあと石けんで手を洗うことです。子どもが土や砂で遊んだあとも手を洗う。犬に口をなめさせない。そして定期的に駆虫する——この5つでほとんどが防げます。
Q. 駆虫は1回でいいですか?
A. 1回では終わりません。薬の多くは成虫に効いても卵には効かないため、数週間あけてもう一度行います。子犬では8週齢までに2回が目安とされています。
Q. 市販の駆虫薬を使ってもいいですか?
A. 自己判断での使用は避けてください。何がいるか分からなければ効かない薬を選ぶことになりますし、大量に感染している場合、一気に駆虫すると腸が詰まることもあります。
まとめ|「いるもの」として、始める
犬回虫について覚えておいてほしいのは、子犬は生まれる前から持っていることがあるという事実です。
胎盤から、母乳から——
だから、「外に出していないから大丈夫」とはなりません。
動物病院が「子犬にはいるもの」という前提で駆虫をすすめるのは、そのためです。
そして、人にもうつります。
幼い子どもがいる家庭では、とくに知っておいてください。
けれど、防ぎ方は驚くほど基本的なことです。
便をすぐ片づける。手を洗う。定期的に駆虫する。
それだけで、犬も家族も守れます。
そして、散歩のときにきちんと袋を持って出るという当たり前の習慣が、
自分の犬だけでなく、その道を歩くすべての犬と、そこで遊ぶ子どもたちを守っています。
今日できる3つ
- 1子犬を迎えたなら、次の受診で便を持参して検査を受ける
- 2便を片づけたあと、石けんで手を洗う習慣を家族で共有する
- 3庭や散歩先に便を残さない——それが土の汚染を防ぐ
この寄生虫は、家族の健康にも関わります。手を洗うという基本が、いちばんよく効きます。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「犬の回虫症|子犬は生まれる前から持っている」でした。
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