

こんばんは。
今回「犬猫の悩みを即解決!」が自信を持ってお届けする記事は「ブリティッシュショートヘアの飼い方|心臓の検査と抱っこ嫌い」です。ではどうぞ!
まるいほっぺに、まるい目。ビロードのような手触りの青灰色の毛。ブリティッシュショートヘアは、「ぬいぐるみのような猫」と表現されることの多い猫種です。
『不思議の国のアリス』に登場するチェシャ猫のモデルとも言われ、イギリスでは古くから親しまれてきました。おっとりとした表情と、どっしりした体つき。見た目の安心感は、猫種のなかでも屈指です。
ただし、迎える前に知っておきたいことが2つあります。ひとつは、この猫は抱っこを好まないということ。「ぬいぐるみのよう」に見えても、抱きしめられることを喜ぶ猫ではありません。
もうひとつは、肥大型心筋症(HCM)という心臓の病気の発症率が高いという点です。とくにオスでは、他の猫種と比べても高い割合が報告されています。この記事では、その両方について具体的に書いていきます。
結論
ブリティッシュショートヘアは独立心が強く、抱っこを好まない猫です。距離を守れる人にこそ、よく懐きます。健康面では肥大型心筋症(HCM)の発症率が高く、迎えるときは両親の心臓検査と遺伝子検査を確認してください。そして太らせないこと。がっしりした体型は、肥満を見えにくくします。
この記事でわかること
- ✓ブリティッシュショートヘアの体重・寿命・価格の目安
- ✓肥大型心筋症(HCM)の発症率と、気づけるサイン
- ✓多発性嚢胞腎(PKD)という、もうひとつの遺伝性疾患
- ✓抱っこを嫌がる理由と、この猫に合った距離の取り方
- ✓太りやすい体型と、密度の高い被毛の手入れ
ブリティッシュショートヘアの基本データ
まずは数字で全体像をつかみます。「思ったより大きい」と感じる方が多い猫種です。

体重はオスで4.5〜8kg、メスで3.5〜5.5kgほど。オスは8kg近くになることもあり、猫としてはかなり大柄です。骨太でずんぐりした体型が、実際の体重以上の存在感を生みます。
平均寿命は14〜16歳とされ、猫のなかでは長生きな部類です。心臓の病気を抱えていない個体であれば、長くつきあえる猫種だと言えます。
体ができあがるまで、3〜5年かかる
この猫種は成長がゆっくりで、完全に成猫の体になるまでに3〜5年かかります。1歳を過ぎても、まだ骨格が仕上がっていません。
そのため、若いうちに「思ったより小さいまま」と感じることがあります。しかしその後もじわじわと大きくなり、3歳ごろに一気に貫禄が出てくる——というのがよくある経過です。
成長がゆっくりということは、成長期の栄養管理も長く続くということです。子猫用のフードから切り替える時期については、獣医師に相談しながら決めてください。
毛色はブルーだけではない
ブリティッシュショートヘアといえば青灰色(ブルー)のイメージが強く、「ブリティッシュブルー」と呼ばれることもあります。しかし実際には、非常に幅広い毛色が認められています。
| 毛色 | 特徴 |
|---|---|
| ブルー | 最も人気。均一な青灰色 |
| クリーム | 淡いベージュ。やわらかい印象 |
| シルバータビー | 銀地に黒い縞。目を引く模様 |
| ブラック | つやのある黒。目の金色が映える |
| バイカラー | 白と他色の2色。顔の柄で印象が変わる |
| ゴールデン | 頭数が少なく、高値になりやすい |
目の色は毛色によって変わり、ブルーの個体では銅色やオレンジが多く見られます。毛色による性格や健康の差はありません。
肥大型心筋症(HCM)という課題
ここが、この猫種でいちばん重要な部分です。

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が異常に厚くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気です。猫の心臓病のなかで最も多く、遺伝的な素因が関わることが知られています。
とくにオスで発症率が高い
ブリティッシュショートヘアは、この病気の発症率が高い猫種として知られています。デンマークで行われた調査では、全体の8.5%、オスに限れば20.4%がこの病気と診断されたと報告されています。
オスに多い理由ははっきりしていませんが、オスを迎える場合はより慎重にという判断材料にはなります。
なお、この数字は「必ず発症する」という意味ではありません。多くの個体は生涯なにごともなく過ごします。重要なのは、リスクを知ったうえで検査を受けることです。
家庭で気づけるサイン
この病気の難しさは、初期にほとんど症状が出ないことです。元気に見えていても、心臓の壁は厚くなっていきます。
| サイン | 何が起きているか | 対応 |
|---|---|---|
| じっとして動かない | 疲れやすくなっている | 遊びへの反応の変化を見る |
| 呼吸が速い・浅い | 肺に水がたまっている可能性 | 安静時に1分間の回数を数える |
| 口を開けて呼吸する | 呼吸が苦しい | 猫では明確な異常。すぐ受診 |
| 急に後ろ足が動かない | 血栓が詰まった可能性 | 激痛を伴う緊急事態 |
| 食欲が落ちた | 全身の状態が悪化 | 他の症状とあわせて受診 |
⚠ 後ろ足が急に動かなくなったら、すぐに動物病院へ
心臓の中でできた血のかたまりが流れ出し、後ろ足へ向かう血管を詰まらせることがあります。
突然叫ぶような声をあげ、後ろ足を引きずる、足先が冷たい——これは激しい痛みを伴う緊急事態です。一刻を争います。すぐに動物病院へ連絡してください。
家庭でできる最も有効な観察は、安静時の呼吸数を数えることです。寝ているときの胸の動きを1分間数え、普段の回数を把握しておいてください。普段より明らかに多い日が続くなら、受診の理由になります。
検査でできること
この病気は、心臓の超音波検査(心エコー)で見つけられます。聴診だけでは分からないことも多いため、定期的な検査が有効です。
- ブリーダーが親猫に心エコーを実施しているか確認する
- 遺伝子検査が行われている場合は、その結果も聞いておく
- 迎えたあとも、年に一度は健康診断を受ける
- 中年期以降は、心エコーを検査項目に加えることを検討する
- 安静時の呼吸数を、普段から把握しておく
- 発症しても、投薬で進行を抑えられる場合がある
早く見つかれば、できることがあります。完全に治す方法はありませんが、薬で心臓の負担を減らし、血栓を防ぐ治療が行われます。
多発性嚢胞腎(PKD)にも注意
もうひとつ、この猫種で知られている遺伝性疾患が多発性嚢胞腎(PKD)です。
腎臓に液体のたまった袋(嚢胞)が多数でき、腎機能が少しずつ失われていく病気です。片方の親から受け継ぐだけで発症しうるタイプで、両親の遺伝子検査で防げます。
初期は無症状で、進行すると水をよく飲む・尿が増えるといった変化が出ます。飲水量が急に増えたら、記録して受診してください。
ブリーダーから迎える場合は、HCMとPKDの両方について検査を確認するのが理想です。この2つは、この猫種を選ぶうえで最も重要な質問になります。
抱っこが苦手な猫
ここからは性格の話です。そして、この猫種で最も誤解されている部分でもあります。

ブリティッシュショートヘアは独立心が強く、抱き上げられることを好みません。見た目のぬいぐるみらしさから「抱っこ好きだろう」と期待して迎えると、ほぼ確実に裏切られます。
嫌いなのは人ではなく、拘束されること
誤解されがちですが、この猫は人が嫌いなわけではありません。飼い主のそばにはいたがります。同じ部屋で過ごし、あとをついて移動することもあります。
嫌なのは、自由に動けなくなることです。抱き上げられる、押さえつけられる、追いかけられる——こうした状況を苦手とします。
| この猫が好むこと | この猫が嫌うこと |
|---|---|
| 同じ部屋で、それぞれ過ごす | 抱き上げて連れ回される |
| 猫から近づいてきたときになでられる | 寝ているところを起こされる |
| 床に座った人のそばに来る | 追いかけて捕まえられる |
| 短くなでて、すぐ終わる | 長時間なで続けられる |
| 静かな環境 | 騒がしい来客が続く |
「そばにいるけれど、触られたいわけではない」——この距離感を心地よいと感じられる方には、これ以上ないほど相性のよい猫です。
子どもがいる家庭では、ルールを決める
小さな子どもは、猫を抱きしめたがります。この猫種にとっては、それが最も苦手な行為です。
- 抱き上げない、追いかけないというルールを最初に共有する
- 猫が自分から来たときだけ、そっとなでることを教える
- 猫が逃げ込める、人が入れない場所を用意する
- 高い場所に、猫だけの居場所をつくる
- 嫌がるサイン(しっぽを振る・耳を倒す)を子どもにも教える
- 無理に触ろうとすると、猫のほうが人を避けるようになる
この猫種は攻撃的ではないため、嫌なときは咬むより先に逃げます。しかし逃げ場がないと、最後の手段に出ることもあります。逃げられる環境をつくっておいてください。
太りやすい体型
がっしりした骨太の体型は、太っても見た目でほとんど分かりません。そして活動量も控えめなため、肥満は現実的なリスクです。
- フードは1日の量を計量して与える。目分量にしない
- おやつは1日の総カロリーの1割以内に収める
- 月に一度、同じ曜日に体重を測って記録する
- 見た目ではなく、触って肋骨に指が当たるかで判断する
- 去勢・避妊後は必要カロリーが下がる。量を見直す
- 1日10分でも、おもちゃを動かして遊ぶ時間をつくる
肥満は心臓にも負担をかけます。心臓の病気のリスクが高い猫種である以上、体重管理の重要度は一段高いと考えてください。
なお、成長がゆっくりな猫種のため、「まだ成長期だから」と食べさせ続けてしまうことがあります。体重の増え方が普通かどうかは、健康診断のときに獣医師に確認してください。
被毛の手入れ
この猫種の毛は短いものの、密度が非常に高いダブルコートです。ビロードのような手触りは、この構造から生まれています。
短毛なので毛玉にはなりにくいものの、換毛期の抜け毛はかなりの量になります。
- 通常期は週2〜3回のブラッシングで足りる
- 春と秋の換毛期は、できれば毎日行う
- ラバーブラシは短毛の抜け毛を取るのに向いている
- 皮膚に近い下毛まで届く道具を使うと効率がよい
- 毛づくろいで飲み込む量も増える。毛玉を吐く回数を見ておく
- 抜けた毛は家具や服につきやすい。掃除の手間は残る
ブラッシングは、体を触って異常に気づく機会でもあります。なでながらの健康チェックの手順もあわせて参考にしてください。
お迎え費用と、毎年かかるお金

| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 子猫の価格 | 20〜40万円 | 毛色・血統で変動 |
| 初期の用品一式 | 3〜5万円 | トイレ、爪とぎ、食器 |
| 初年度の医療 | 3〜5万円 | ワクチン、健康診断、避妊去勢 |
| 年間のフード代 | 5〜8万円 | 体格が大きいぶん量も多い |
| 年間の医療・予防 | 3〜10万円 | 心エコーを加えると増える |
| ペット保険 | 3〜6万円 | 加入後に発症した病気が対象 |
この猫種で想定しておきたいのは、心臓の病気が見つかった場合の長期の投薬です。月に数千円から1万円程度の薬代が、その後ずっと続くことになります。
あわせて、定期的な心エコー検査の費用もかかります。1回あたり5,000〜10,000円程度が目安で、経過を追うために年に何度か受けることになります。
ペット保険は一般に加入前から抱えている病気は補償されません。検討するなら、症状が出ていない健康なうちが唯一のタイミングです。
迎えるときに確認したいこと
- 両親が心臓の検査(心エコー)を受けているか
- 両親がPKD(多発性嚢胞腎)の遺伝子検査を受けているか
- 検査結果の書面を見せてもらえるか
- 親猫に会わせてもらえるか、性格を見せてもらえるか
- 子猫の呼吸が速すぎないか、その場で確認する
- 引き渡し後の相談に応じてくれるか
心臓とPKD、この2つの検査は必ず聞いてください。どちらもこの猫種で知られている遺伝性の疾患であり、誠実なブリーダーであれば検査を行っています。
そして、抱っこを期待して迎えないこと。この一点を理解しているかどうかで、迎えたあとの満足度は大きく変わります。
見学のとき、子猫が人の手を怖がらず自分から近づいてくるかを見ておくとよいでしょう。抱かれるのは嫌でも、人に興味を持っている——それがこの猫種の理想的な状態です。
よくある質問
Q. 抱っこできないのですか?
A. 多くの個体は嫌がります。人が嫌いなわけではなく、自由に動けなくなることを苦手とします。そばにはいたがるので、床に座って猫から来るのを待つ形にすると関係がうまくいきます。
Q. 肥大型心筋症は防げますか?
A. 完全に防ぐ方法はありません。できるのは、両親が検査を受けている出どころから迎えること、そして定期的に心エコーを受けることです。早く見つかれば、投薬で進行を抑えられる場合があります。
Q. 安静時の呼吸数はどのくらいが普通ですか?
A. 個体差がありますが、寝ているときで1分間に20〜30回程度が目安とされます。大切なのは平均値より、その子の普段の回数を知っておくことです。普段より明らかに多い日が続くなら受診してください。
Q. オスとメスで違いはありますか?
A. 体格はオスのほうが明らかに大きくなります。また肥大型心筋症の発症率は、オスのほうが高いと報告されています。オスを迎える場合は、心臓の検査をより重視してください。
Q. 成長が遅いようですが、大丈夫でしょうか?
A. この猫種は成長がゆっくりです。完全な成猫の体になるまでに3〜5年かかります。1歳時点で小さめでも、その後じわじわと大きくなっていきます。
Q. 抜け毛は多いですか?
A. 短毛ですが、密度が高いため換毛期の抜け毛は多めです。毛玉にはなりにくいものの、掃除の手間は残ります。換毛期は毎日ブラッシングすると、家に落ちる量を減らせます。
Q. 多頭飼いはできますか?
A. できます。攻撃的ではなく、他の猫とも折り合いをつけやすい猫種です。ただし追いかけ回されるのは苦手なので、静かに休める場所を猫の数より多く用意してください。
まとめ|距離を守れる人に、いちばん懐く猫
ブリティッシュショートヘアは、見た目の印象と実際の性格が少しずれている猫種かもしれません。
ぬいぐるみのような外見でありながら、抱きしめられることを望まない。しかしそばにはいたがり、静かに同じ時間を過ごしたがる。その距離感を尊重できる人には、深く懐きます。
そして健康面では、心臓の検査を受けている出どころから迎えることが最も効く一手になります。
迎える前・迎えた後に、この3つを
- 1「両親は心臓の検査とPKDの検査を受けていますか」と必ず確認する
- 2抱き上げず、猫から来たときに短くなでる接し方に切り替える
- 3寝ているときの呼吸数を数え、その子の普段の回数を知っておく
この猫は、追わないほど近づいてきます。待てる飼い主のもとで、いちばん良い顔をする猫種です。

本日の「犬猫の悩みを即解決!」の記事「ブリティッシュショートヘアの飼い方|心臓の検査と抱っこ嫌い」でした。
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