犬とのおでかけの準備|連れて行く前に確かめたい7項目

犬とのおでかけの準備

いろいろな場所に連れて行ってあげたい——

そう考えるのは自然なことです。

ただし散歩以外のおでかけには散歩とは別の準備が必要になります。

車での移動お店でのマナー長時間の待機——

これらに耐えられるか先に確かめてください。

結論

おでかけの前に呼び戻し・落ち着いて待てるか・他人や他犬への反応を確かめてください。車ではクレートに入れるのが最も安全で、短時間でも車内に置き去りにしないことが鉄則です。そして連れて行かないという判断飼い主の大切な役割です。

この記事でわかること

  • 出かける前に確認したいこと
  • 車での移動
  • お店やカフェでのマナー
  • 持ち物
  • 連れて行かない判断

出かける前に確認したいこと

おでかけ前に確認したいこと
できていないことがあるなら、まず家の近くで練習します。

家の近所を歩けることと知らない場所で落ち着いていられることは別の話です。

出かける前の確認事項
確認すること できていないと
名前を呼んだら来るか 離れたときに回収できない
知らない人に吠えないか 周囲に迷惑がかかる
他の犬とすれ違えるか トラブルの原因になる
落ち着いて待てるか お店に入れない
ハウスに入れるか 車・宿泊で困る
拾い食いをしないか 危険なものを口にする
体調は万全か 移動そのものが負担になる

できていない項目があるならまず家の近くで練習してください。

いきなり遠出して失敗体験を積ませるのは避けたいところです。

知らない場所は、それだけで刺激です。

家の近所でできることできなくなるのは珍しくありません

普段より少し余裕を持って見てあげてください。

近い場所から段階的に

いきなり遠出ではなく近い場所から慣らしてください。

  • 近所の公園で、少し長めに過ごす
  • 車で5分の場所に行ってみる
  • 人が少ない時間帯のお店の外で待つ練習
  • テラス席で短時間過ごす
  • 日帰りで少し遠くへ
  • それができてから、宿泊を考える

一段ずつ確かめながら進めることで犬にとっても負担が少なくなります

途中でうまくいかないならそこで引き返して構いません予定を貫くことより犬の状態を優先してください。

車での移動

車での移動の注意点
安全確保と、車酔いへの配慮が必要です。

おでかけの多く車での移動を伴います。

車での移動の注意点
項目 対応
乗せ方 クレートが最も安全。固定する
次善の策 シートベルト用ハーネス
避けたい 車内で自由・膝の上・助手席
車酔い対策 食後すぐの乗車を避ける
休憩 2時間ごとを目安に
置き去り 短時間でも絶対にしない
顔を出させない。飛び出しの危険

車内への置き去りは、絶対にしない

最も強調したいのが車内への置き去りです。

「すぐ戻るから」という数分でも車内の温度は急激に上がります

  • エンジンを切れば、すぐに温度が上がる
  • 窓を少し開けても、ほとんど効果がない
  • 曇りの日でも危険
  • 犬は人より熱を逃がすのが苦手
  • 気づいたときには手遅れになる
  • 冬も、冷えすぎる危険がある

買い物や食事車を離れる必要があるなら誰かが一緒に残るそもそも連れて行かない——

この2択だと考えてください。

ドライブスルーテラス席のあるお店を選べば車を離れずに済むこともあります。

行き先を決める段階「車から離れる時間があるか」考えておく当日困りません

車酔いへの配慮

車に酔いやすい犬は少なくありません。

車酔いのサインと対応
サイン 対応
よだれが多く出る 酔い始めのサイン
落ち着かない・震える 停車して休憩する
吐く 次回は食後を避け、短時間から
あくびを繰り返す 不安・不快のサイン
ぐったりする すぐ休憩。無理をさせない

出発の数時間前まで食事を済ませておく楽になることがあります。

頻繁に酔う場合は獣医師に相談してください。

酔い止めを処方してもらえることもあります。

人間用の酔い止め自己判断で与えてはいけません

成分によっては犬に有害なものがあります。

必ず動物病院で処方されたものを使ってください。

お店やカフェでのマナー

犬を連れて入れる場所も増えています。

ただしそこで求められること散歩とは違います

お店でのマナー
場面 求められること
入店前 犬が入れるか、必ず確認する
席に着いたら 床で伏せて待てる
他のお客さんへ 近づかせない。吠えさせない
テーブルの上 犬を乗せない
食べ物 人の料理を与えない
抜け毛 マットを敷くと配慮になる
粗相 入店前に済ませておく

落ち着いて伏せていられないならまだお店には早いと考えてください。

周囲には、犬が苦手な人アレルギーがある人もいます。

「うちの子はおとなしいから」ではなく店の決まりと周囲への配慮を優先してください。

待てることが、前提になる

お店で過ごす時間犬にとっては何もすることがない時間です。

その状態で落ち着いていられるには練習が必要です。

  • 家で、伏せて待つ練習をしておく
  • マットを敷いて、その上で待たせる
  • いつも同じマットを使うと、場所が変わっても落ち着く
  • 最初は短時間から
  • テラス席や、空いている時間帯を選ぶ
  • 騒ぎ出したら、外に出る

同じマットいつも持っていくにおいが安心材料になります。

知らない場所でも自分の居場所があるという状態を作れます。

「ここで待つ」という指示がマット1枚で伝わるようになると外出全体がぐっと楽になります

家で数分できるようになったら公園のベンチ、テラス席場所を変えて練習してみてください。

持ち物

おでかけの持ち物
忘れると困るものから、順に用意します。

忘れると困るものから順に挙げます。

おでかけの持ち物
持ち物 理由
水と、飲ませる器 どこでも必要になる
排泄物の処理用品 多めに。水も一緒に
リード・ハーネス 予備があると安心
迷子札・連絡先 はぐれたときのために
いつものフード・おやつ 環境が変わると食べないことも
タオル 汚れ・雨・敷物として
常備薬・お薬手帳 持病がある場合
いつも使っているマット 落ち着ける場所になる

迷子札特に重要です。

知らない場所ではぐれる犬は自力で帰れません

首輪に連絡先をつけておいてください。

リードが外れる大きな音に驚いて逃げる——

こうした事故慣れない場所ほど起きやすいものです。

ハーネスと首輪の両方にリードをつけるという二重の備えをする方もいます。

マイクロチップと迷子札は、両方

マイクロチップが入っていても迷子札は必要です。

マイクロチップと迷子札
マイクロチップ 迷子札
読み取り 専用の機器が必要 誰でもすぐ読める
外れる心配 ない 外れることがある
見つけた人の対応 施設に連れて行く必要がある その場で連絡できる
登録情報 変更手続きが必要 書き替えるだけ

拾ってくれた人すぐ連絡できるのは迷子札です。

両方そろえておくのが理想だと考えてください。どちらか一方では取りこぼしが出ます

マイクロチップの登録情報引っ越しや連絡先の変更のたびに更新してください。

古い情報のままでは意味がありません

登録や手続きについては犬の登録と狂犬病予防注射でも触れています。

連れて行かない判断

連れて行かないほうがよい場合
連れて行かない判断も、飼い主の役割です。

連れて行かないという判断飼い主の大切な役割です。

連れて行かないほうがよい場合
状況 判断
真夏・真冬の長時間の外出 見送る
人混みが苦手な犬 連れて行かない
体調が万全でない 無理をさせない
ずっと待たせることになる 留守番のほうが楽なことも
犬が入れない施設がある 事前に確認して判断
シニア・持病がある 移動の負担を考える

一緒に行くこと必ずしも犬のためになるとは限りません

家で静かに留守番するほうが楽な場合十分にあります

「かわいそうだから連れて行く」と考える方は多いのですが慣れた家で寝ているほうが落ち着ける犬もいます。

その犬にとってどちらが楽か——

この基準で判断してください。

夏の外出は、特に慎重に

夏場のおでかけには特別な注意が必要です。

  • アスファルトは非常に高温になる
  • 手のひらを5秒当てて熱いなら、犬には危険
  • 犬は地面に近く、熱の影響を受けやすい
  • 短頭種は特に熱に弱い
  • 水を必ず持ち歩く
  • 日陰で休憩をこまめに取る

人が快適に感じる気温でも地面近くの犬にとってはまったく違う環境です。

ぐったりする呼吸が荒くなる——

これらは熱中症のサインです。

すぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やして動物病院に連絡してください。

夏場に出かけるなら早朝か日没後を選び日中は屋内で過ごす——

この組み立てにすると負担をかなり減らせます

ドッグランやペット可施設での注意

犬と行ける場所としてまず思い浮かぶのがドッグランやペット可の施設でしょう。

ただし「行ける場所」=「その犬に合う場所」とは限りません。

場所ごとの注意点
場所 注意点
ドッグラン 他犬が苦手なら無理に入らない
ペット可のショッピング施設 人混みと床の滑りに注意
屋外のイベント 音・人・気温すべてが刺激になる
キャンプ場 火・食材・虫への配慮が必要
海・川 水の事故・熱中症に注意
公園 リードの着用ルールを守る

ショッピング施設つるつるした床犬にとって歩きにくく関節への負担にもなります。

カートに乗せる抱っこするなどの対応が必要な場合もあります。

  • 滑る床は、犬にとって歩きにくい
  • 長時間歩かせない
  • 人混みでは、踏まれる危険がある
  • 小型犬は特に注意が必要
  • エスカレーターは肉球を挟む危険がある
  • エレベーターを使う

エスカレーター肉球や毛を巻き込む事故が起きうるため抱き上げるか、エレベーターを使ってください。

犬同士を遊ばせるときの注意は犬同士を遊ばせるときの見守り方で詳しく解説しています。

公共交通機関を使う場合

電車やバスで移動する場合はそれぞれの決まりを確認してください。

公共交通機関を使うときの確認事項
確認すること 内容
各社の規定 会社ごとに条件が異なる
キャリーの大きさ 寸法や重量の制限がある
顔を出さない形 全身が収まることが求められる
料金 手回り品として必要な場合がある
混雑時間 避けるのが無難
鳴かないでいられるか これが最大の前提

詳しい条件は各交通機関によって異なります

利用する会社の案内を必ず確認してください。

  • キャリーの中で静かにしていられることが前提
  • 事前に家で、キャリーに慣らしておく
  • 短い区間から試す
  • 混雑した時間帯は避ける
  • 周囲に犬が苦手な人がいることを想定する
  • 鳴き始めたら、途中下車も検討する

キャリーの中で鳴き続ける周囲の負担にも犬自身の負担にもなります。

まず、キャリーで落ち着いていられる状態作ってから利用してください。

キャリーに布をかけて暗くする落ち着きやすくなる犬もいます。

ただし夏場は熱がこもるため通気には注意してください。

ハウスやキャリーに慣らす方法は犬のハウストレーニングで詳しく解説しています。

宿泊を伴うおでかけ

日帰りができるようになったら宿泊も選択肢に入ってきます。

宿泊前に確認すること
確認すること 内容
宿の受け入れ条件 犬種・体重・頭数の制限を確認
ワクチン証明 提示を求められることが多い
部屋での過ごし方 ケージ利用が条件のことも
近くの動物病院 調べておくと安心
食事の持参 いつものフードを持って行く
寝床 いつも使っているものを持参する

ワクチンの証明書提示を求められることが多いため事前に確認してください。

いつも使っている寝床やマットを持っていくと知らない場所でも落ち着けます

環境が変わると食べなくなる犬もいるためいつものフードを持参してください。

また旅先で体調を崩すこともあります。

近くの動物病院出発前に調べておくいざというときに慌てません

夜間対応をしている病院あわせて確認しておくとより安心です。

かかりつけの病院持病や投薬内容をまとめてもらっておく初めての病院でも説明しやすくなります

犬にとって、おでかけは楽しいのか

最後に、根本的なことに触れておきます。

飼い主にとっては楽しい外出犬にとっても楽しいとは限りません

楽しめているか、耐えているか
犬が楽しめている様子 負担になっている様子
自分から歩き出す 足が止まる・後ろに下がる
においを嗅ぎ回る 周囲を警戒し続ける
体の動きがやわらかい 体が硬い・尾が下がっている
落ち着いて伏せられる ずっと立ったまま落ち着かない
おやつを食べられる 普段は食べるのに食べない
飼い主のそばでくつろぐ 逃げようとする・隠れる

おやつを食べられるかどうか分かりやすい判断基準になります。

普段は喜んで食べるもの受け取らないならそれだけ緊張しているということです。

おとなしくしているから大丈夫——

そう見えても体が硬く、尾が下がっているなら耐えているだけかもしれません。

その場合は、早めに切り上げてください。

「連れて行ってあげた」という満足ではなく「この子は楽しめていたか」振り返るようにすると次の判断がしやすくなります

おでかけが好きな犬もいれば家にいるほうが好きな犬もいます。

その子に合わせて選べることがいちばんの配慮だといえます。

よくある質問

Q. おでかけの前に、何を確認すべきですか?

A. 呼び戻し・落ち着いて待てるか・他人や他犬への反応です。できていない項目があるなら、まず家の近くで練習してください。いきなり遠出して失敗体験を積ませるのは避けたいところです。

Q. 車にはどう乗せればいいですか?

A. クレートに入れて固定するのが最も安全です。次善の策はシートベルト用ハーネス。車内で自由・膝の上・助手席は危険なので避けてください。

Q. 少しの間なら、車で待たせてもいい?

A. 絶対にしないでください。エンジンを切れば車内温度はすぐ上がり、窓を少し開けてもほとんど効果がありません。誰かが残るか、連れて行かないかの2択です。

Q. 車酔いしやすいのですが。

A. 食後すぐの乗車を避け、短時間から慣らしてください。よだれが多く出るのが酔い始めのサインです。頻繁に酔うなら、獣医師に相談してください。

Q. カフェに連れて行きたいのですが。

A. 床で伏せて待てることが前提です。家で待つ練習をし、いつも同じマットを持っていくと落ち着きやすくなります。

Q. マイクロチップがあれば、迷子札は不要ですか?

A. 両方あるのが理想です。マイクロチップは専用機器が必要ですが、迷子札は拾った人がその場で連絡できます

Q. 連れて行かないほうがいい場合は?

A. 真夏・真冬の長時間、人混みが苦手、体調が万全でない、ずっと待たせることになる場合です。家で留守番するほうが楽なことも十分にあります。

まとめ|「行けるかどうか」を先に確かめる

散歩以外のおでかけには散歩とは別の準備が必要です。

呼び戻しができるか落ち着いて待てるか——

これらを先に確かめてください。

車ではクレートに入れるのが最も安全短時間でも車内に置き去りにしないことが鉄則です。

そして連れて行かないという判断飼い主の役割です。一緒に行くことが、必ずしも犬のためになるとは限りません

今日から試してみたい3つのこと

  • 1首輪に迷子札をつけ、連絡先が最新か確認する
  • 2家で、マットの上に伏せて待つ練習を5分してみる
  • 3車で5分の場所へ行き、様子を見てから距離を延ばす

おでかけは、犬にとって楽しいとは限りません。「この子は楽しめているか」を基準に判断してください。